「生前整理と終活の違いって何だろう?」「内容に違いがあるのかな?」と思っていませんか?
近年、人生の終わりに向けた整理や片付けなどの活動がブームになり、さまざまな言葉が生まれました。
耳にしたことはあっても「具体的にどういう意味なんだろう?違いは何?」「自分がするべきなのはどれなんだろう?」と迷っていらっしゃるかもしれませんね。
そこでこの記事では、生前整理業者として働く私が「生前整理と終活の違い」について解説。
それぞれの内容や目的、取りかかるタイミング、やるべきことなども説明します。
目次
結論から言うと、生前整理は終活の一つです。
生前に所有物や財産、人間関係などの整理を行うことで、自分の死後、家族への負担を減らしたり、より自分らしく余生を過ごすための「準備活動」を指します。
生前整理業者として働いている我々の感覚ですと、生前整理はとくに「元気なうちに」「前向きに」人生の終わりへの準備をするという意味合いが強いように感じます。
一方で終活は、生前整理を含め「人生の最期を迎えるための活動」全てを指します。
そのため、終活という大きな活動の中に、生前整理が入っていると考えると良いでしょう。
それでは今の時代、なぜ、生前整理がとくに必要だと言われているのでしょうか?
理由は次の3つです。
・人生を振り返ることで、残りの人生を充実させることができる
・死への不安を解消できる
・家族の負担を減らし、家族間のトラブルを防ぐことができる
生前整理では、身の回りの整理を一つずつ行っていきます。
残りの人生に必要なものを把握し、必要ないものは捨てることで、大切なものだけに囲まれて生活できるようになり、より充実した人生を送ることができるのです。
また、「死は誰でも平等に訪れるもの」と頭では分かっていても、心の奥では恐ろしく感じてしまうもの。
生前整理で人生の最期への準備を進めることで、死と向き合いつつ、死への不安を少しずつ解消していくことができます。
他にも、生前に財産の整理を行うと、家族間のトラブルを防ぐことにつながります。
私自身、相続の手続きや遺品処分のストレスで、仲の良かった家族の関係が悪化してしまったお客さまもたくさん見てきました。
生前整理を行えば、大切なご家族の心理的な負担を減らすことができるのです。
生前整理を調べている方の中には、「老前整理という言葉も聞いたことあるんだけど、生前整理と何が違うの?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
結論を言うと、老前整理も終活の一つです。
老後の人生をより快適に、安全に過ごすため「老いる前に」身の回りのものや、生活そのものを整理する活動を指します。
我々生前整理業者の感覚ですと、老前整理は生前整理のような「家族のため」ではなく、「自分の老後のため」という意味合いが強いように感じます。
こちらに、簡単に違いや関係性をまとめてみました。
◆終活:人生の終わりに向けた活動のこと
・生前整理:自分の死後(老後)のための活動
・老前整理:老後のための活動
それでは、いつ生前整理を始めるのが良いのでしょうか?
結論を言うと、やはり「早め」が良いと言えます。
どうしても作業完了までに時間も労力もかかるので、体力があるうちに少しずつ進めることをおすすめします。
クリーンケアのお客さまの中には、20代で始められた方もいらっしゃれば、定年退職やお子さまが自立して、自分の時間が取れるようになったタイミングで始めた方もいらっしゃいました。
こちらの記事ではそれぞれの年代別に、生前整理を始めるメリットを紹介しています。
タイミングの参考にしてみてください。
20代から生前整理を始めよう|若者だからこそのメリットを解説
30代で始めてOK|30代だからこそのメリットとやるべきことを解説
それでは最後に、生前整理でやるべき5つのことを紹介します。
・所有物の整理、処分
・お金の整理
・遺言書の作成
・情報の整理|デジタル終活
・エンディングノートの作成
具体的に見ていきましょう。
生前整理では、まず所有物の整理と処分から始めましょう。
人ひとり分とはいえ、所有物の総数はかなり多いです。
実際、遺品整理で1番ご家族が苦労されるのは、故人の所有物を処分する作業と言われています。
「これは故人が大切にしていたな」と思い出して、作業が進まなくなるケースも少なくありません。
あらかじめ、ご本人がある程度まで減らしておくことで、ご家族の体と心のストレスを減らすことにつながります。
取捨選択の基準を決めて、早めに取りかかりましょう。
こちらの記事では、生前整理に行う断捨離のコツを紹介しています。
ぜひ参考になさってください。
生前整理で断捨離する方法・ポイント・タイミング・注意点!普通の断捨離の違いも解説
生前整理では、お金の整理も行いましょう。
お金を整理するときは「財産目録」を作成すると分かりやすくなります。
財産目録とは、今持っている財産(資産と債務)を一覧にしたものです。
財産の状況を改めて明確にすることで、老後を見据えて、今のお金の使い方を具体的に見直すことができます。
私の経験上、人の死後に起こるトラブルは「隠れた借金が見つかった」「忘れられていた預貯金が見つかった」というお金関連のものが多いです。
早めに取りかかることで、防げるトラブルは事前に防ぎましょう。
財産目録については、この記事を参考にしてみてください。
財産目録とは相続トラブルを防ぐために必要!自分で作る場合や疑問も解説
財産の整理が終わったら、遺言書の作成を行います。
遺言書には、保有している財産を「誰に」「どれくらい分配するのか」を記載します。
財産目録も添えると良いでしょう。
遺言書は法的効力があるため、一定のルールに則って書く必要があります。
正しい知識がないと有効とみなされないケースも少なくありません。
遺言書の作成は、ご家族との関係も見つめ直すきっかけにもなりますので、早めに少しずつ取り組むようにしましょう。
まずはこちらの記事を読んでみて、分からないところは弁護士や行政書士に相談してみてください。
遺言書の作り方(書き方)のいろはを解説!2種類の遺言書別・ポイントや流れ
生前整理では、情報の整理も行いましょう。
情報の中でも、とくに次のようなものを整理しておくことをおすすめします。
・印鑑や通帳の保管場所
・銀行の口座情報
・SNS、ショッピングサイトなどのIDとパスワード
最近、ご高齢の方でもスマートフォンやパソコンを利用する方が増えました。
クリーンケアでも、ご遺族から「故人のサイトや口座の解約ができない」というご相談を受けることがございます。
細かい点ではありますが、ご遺族の負担を減らすためにも「デジタル終活」を進めていきましょう。
デジタル終活とは?手順や注意点は?便利なサービス・アプリも紹介
デジタル終活はSNSにも必要!手順や方法・アカウント放置のリスクについて紹介
最後は、エンディングノートの作成です。
エンディングノートは、遺言書と違って法的効力はありません。
しかし、ご家族に知っておいてほしいことを自由に残すことができます。
例えば、大切な方へのメッセージ、医療や介護、葬儀の希望などを書いておくと良いでしょう。
他にも、先ほど「情報の整理」で紹介した情報(貴重品の置き場やサイトのID、パスワードなど)も、エンディングノートにまとめておくと管理しやすくなります。
エンディングノートは普通のノートに書いても問題ありませんが、生前整理業者の立場から言うと、市販のエンディングノートをおすすめします。
表紙が目立つため管理しやすく、項目もページにプリントされているので書き忘れしにくいからです。
具体的なエンディングノートの使い方については、こちらの記事を参考にしてみてください。
エンディングノートとは?書き方・メリット・注意点などについて解説!
ここまで、生前整理でやっておくべきことを紹介してきました。
もしかしたら「ものが多すぎて家族だけでは無理かもしれない」「デジタル情報の削除がちゃんとできるか不安」と思われたかもしれませんね。
生前整理で分からないことは、生前整理の専門業者に相談してみましょう。
たくさんの現場を見てきたプロの視点で、どのように作業を進めるべきか的確なアドバイスとサポートをしてくれます。
重たいものの運び出しや、処分まで丸ごとお任せできますし、いつまでに完了するかも明確になるので、体や心のストレスも軽減できます。
関西圏にお住まいの方は、私の所属するクリーンケアにぜひお気軽にご相談ください。
生前整理と終活の違いから、生前整理の目的やタイミング、生前整理でやるべきことについて紹介してきました。
終活の一環である生前整理を行うことで、死後、遺族の負担を減らせるだけでなく、老後の人生をより前向きにポジティブにすることができます。
完了するまでに時間も労力もかかるので、できるだけ早く、元気なうちに取り組みましょう。
生前整理で困ったことが出てきたら、生前整理業者に相談してみてください。
私が勤務しているクリーンケアでは、年中無休で無料相談を行っております。
どんな事情でも親身になって、ご対応させていただきますので、お気軽にご相談ください。
クリーンケアは大阪、奈良を中心に、兵庫、京都、和歌山、滋賀など関西エリアに幅広く対応しています。
また、関西圏外以外の遠方のご依頼にも対応可能です。
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ぜひ経験豊富な私たちにご相談ください。