「物を溜め込んで、家の中が散らかっている」
「片付けるように説得しても拒否される」
「必要ないように思える物にも執着して、捨てようとしない」
もし身近な方がこのような状態だとしたら、「溜め込み症」という心の病気かもしれません。
溜め込み症を放置すると本人の心身の健康に悪影響を与えかねないため、早めに対処することが大切です。
今回は、「溜め込み症の特徴や原因」「身近な人が溜め込み症になった場合の対処法」について紹介します。
遺品整理業者として片付けの現場に携わっている私の経験もまじえながら解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
物の処分や片付けができないのは、「本人のだらしなさ」が原因と思われがちです。
しかし近年では「溜め込み症」という病により、物を溜め込み続ける方がいることが知られています。
溜め込み症とはどんな病なのか、その特徴や原因を紹介します。
溜め込み症とは、物を大量に収集したり、捨てられなくなったりする精神疾患とされています。
ホーディング障害や強迫性貯蔵症などと呼ばれることもあります。
溜め込み症を患った方は物を所有していたい欲求が極端になり、物を手放すことに対して非常に強い苦痛を感じます。
そのため物を捨てることだけではなく、売却したり、譲渡したりといった選択も拒否する場合がほとんどです。
溜め込み症の方が溜め込むのは、以下のような物が多いといわれています。
・新聞、チラシ
・読み終えた本や雑誌
・郵便物
・古い服
・古い靴やカバン
・他人が捨てた不用品
普通なら捨ててしまってすっきりしたい、と思うようなものも多いですよね。
そのほか、溜め込み症の方にとっては、どんな物でも溜め込む対象になりえます。
なかには、動物を溜め込む方もいます。多数の猫を拾い続け、最終的には世話が行き届かなくなるくらいに増えていた、という事例も有名です。
溜め込み症の方は物を手放すことに嫌悪感や恐怖感を覚え、溜め込んだ物に強い愛着を持っているという特徴があります。
このような心理が極端になっていった結果、家の中がゴミ屋敷のような状態になることも珍しくありません。
物を過剰に収集する一方で、処分をすることはないため、家の中に物があふれていくからです。
結果として溜め込んだ物やゴミが床やテーブル、ベッドの上にまで積み重なり、食事や睡眠などの日常行為が難しくなることもあります。
そうなると衛生状態が悪化して、健康面での問題が生じることも多々あるようです。
気候や気温によっては、異臭や害虫が発生してご近所トラブルにつながる恐れもあります。
溜め込み症の原因は、本人の性格や過去の体験などが関係しているといわれます。
性格的には優柔不断であったり、何事も先延ばしにしたりする傾向が見られます。また、若い頃から整理整頓が苦手で、物を捨てにくい傾向もあるようです。
このような傾向があっても、家族と同居しているうちは顕在化しないのが一般的です。
しかし一人暮らしになると問題が出始め、歳を重ねるごとに慢性化していく傾向があります。
また、過去に強いストレスを受けたことにより、物を溜め込む行為が始まったり、悪化したりすることも知られています。
ただ、「物を捨てられない」「片付けられない」といった症状のある方全員が溜め込み症を患っているわけではありません。
以下のような、溜め込み症以外の病気や障害が原因の場合もあります。
・うつ病 … 気分が強く落ち込み憂うつになる心の病
・セルフネグレクト … 自分の心や身体のケアを放置してしまう心の病
・認知症 … 脳の認知機能が低下する病気
・ADHD(注意欠如・多動性障害)・ADD(注意欠如障害) … 脳機能の発達の偏りによって起こる障害
これらの病気や障害の影響で、掃除や片付けに必要な判断能力・意欲が低下し、片づけられない状態となっているケースもあります。
また、溜め込み症とうつ病など、複数の精神疾患を併発している患者も多いとされています。
いずれにしても、「捨てられなくて困っている」という状態が強かったり、それによって日常生活に支障をきたしている場合は、適切な治療を受けることが望ましいといえるでしょう。
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溜め込み症が原因で物を捨てられない場合、症状を改善しながら、環境を改善していくことも大切です。
具体的には、以下のような適切な対処をしていきましょう。
溜め込み症が疑われる場合、まずは心療内科などで適切な治療を受けることが大切です。
なぜなら、溜め込み症を患っている方は自身の行動に問題を感じていない場合が多く、周囲の説得だけでは改善する見込みが低いからです。
医療機関での治療を通して、自身の行動について自覚していく必要があります。
仮にそのまま放置すれば、さらに物を溜め込み、日常生活が困難になってしまう可能性も否定できません。
私たちも何件もそういうご相談を受けてきていますが、やはり、家族や友人など周囲の人がサポートし、診察を促すことが、改善の鍵になっているように思います。
もし治療によって症状が改善されてきた場合は、本人や周囲が協力して片付けができるかもしれません。
その際は、本人に相談しながら必要な物と不要な物を仕分けしましょう。
本人が物を手放すことに同意できたら、褒めることが大切です。そうすることで、物を捨てる抵抗感を減らしていくことが可能です。
また、これ以上散らからないように、以下のような簡単な片付けルールを決めて習慣化させることも有効でしょう。
・物の定位置を決める(出した物は元の場所へもどす)
・収納方法を決める(取り出しやすく、しまいやすい場所に収納する)
・物の量を一定に保つ(1つ増えたら、いらない物を1つ処分する)
普段は抵抗を感じる行為であっても、習慣化することでハードルは低くなります。
とはいえ無理強いをすると反発を招く可能性もあるため、余裕が出てきた段階でこのようなルールを決めてみてはいかがでしょうか。
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家の中を片付けようと思っても、溜め込み症である本人が前向きになれない場合もあります。
また、本人や身内だけで片付けるのが難しいほどに、散らかっている場合もあるでしょう。
そういった場合は、無理をしないで、我々のようなゴミ屋敷清掃に精通している専門業者へ相談するのも一つの方法です。
ゴミ屋敷清掃のプロに片付けを依頼すれば、以下のようなメリットが得られます。
・物の仕分けや整理、掃除といった作業が1日~数日で完了する
・大きな家具や重い物を移動させることも可能
・物の処分も一緒に任せられる
・一度片付いた状態になれば、少しの手間できれいな状態を維持できる
普通のハウスクリーニング業者では、衛生状態が悪い場合は断られることもあります。
しかしゴミ屋敷清掃の看板を掲げた業者であれば、理解があるため嫌な顔をされることもありません。
また、本人の状態や家族の事情などに合わせて臨機応変に対応することが可能です。
高齢の家族の家を片付ける場合は、当社のような遺品整理業者に依頼することで生前整理を兼ねられます。
そもそも生前整理とは、人生の終わりに向けて財産や持ち物を整理したり、不用品を処分したりすること。
生前整理を行っておけば、「いざというとき」に遺族が苦労せずにすみます。
もちろん、自分たちだけで生前整理を行うことも可能ですが、経験豊富なプロに任せることで、作業を短期間で済ませられますよ。
また、貴重品の探索をお願いしたり、生前整理全般についてアドバイスをもらったりすることも可能です。
そのほかにも生前整理には多くのメリットがありますので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
最後にもう一度、捨てられない病気「溜め込み症」についておさらいしましょう。
・物を捨てられない原因は「溜め込み症」という病気が原因の可能性がある
・溜め込み症とは、物を大量に溜め込んだり、捨てられなくなってしまったりする心の病
・溜め込み症の方は、集めた物に強く執着し、物を手放すことに苦痛を感じる
・溜め込み症が疑われる場合は、医療機関で治療を受けて自身の状態を自覚することが大切
・物を手放すことを褒めたり、簡単なルールを習慣化させたりすることで、片付けに対する抵抗感を減らせる場合がある
もし自分たちだけで片付けができない場合は無理をせず、ぜひ専門業者に相談してみてください。
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