実は近年、うつ病や精神的なストレスによって片付けられなくなる高齢者の方が増えています。
「高齢の親が急に片付けられなくなった」
「実家に帰ると、片付けや掃除ができていなかった」
「親の気持ちが沈みがちで心配…」
このような状態になっている場合、ご両親の健康のためにも、いつかくる遺品整理の際に困らないためにも早めに対策することが大切です。
今回は、「老年期のうつ病と片付けられないことの関係」「高齢のご両親がうつ病の場合の対処法」などを紹介します。
遺品整理業者として働いている私の経験もまじえながら解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
冒頭でも述べたとおり、うつ病によって片付けられなくなる高齢者は多くいらっしゃいます。
しかしなぜ、老年期の方にうつ病が多いのでしょうか。なぜ、うつ病になると片付けができなくなるのでしょうか。
その原因や関係は以下のとおりです。
そもそもうつ病とは、さまざまなストレスによって引き起こされる心の病気です。
老年期になると、うつ病のきっかけとなりやすい環境的・心理的なストレスが、若い頃よりも増えやすいことが知られています。
たとえば以下のような老年期特有のストレスが、うつ病の発症率を高めるのです。
・退職し、とくにやることがない
・配偶者が亡くなったり、子どもが独立したりして孤独になる
・身体が動きにくく、病気にかかりやすいなど肉体的な衰えが目立ってくる
高齢のご家族がいる場合、社会との関わりを絶やさないように見守ってあげることが大切です。
また、積極的にコミュニケーションをとったり、運動の機会を設けたりして、日頃からうつ病にならないようなケアも必要といえます。
うつ病にかかった方は、無気力になったり、思考力・集中力が低下したりします。
その結果、片付けがうまくできなくなる場合もあります。また、疲れやすくなることも多いので、片付けや掃除に手をつけてもやり切ることが難しくなります。
そのような状態が続けば、家の中に物が散乱した「ゴミ屋敷」となることもあり、衛生的な環境が悪化する可能性も考えられるでしょう。
今まで整理整頓をできていたご両親が急に片付けられなくなったり、精神的に沈んだ様子があったりする場合は注意が必要です。
高齢のご両親が片付けられなくなったり、気分が落ち込んでいる様子があったりする場合、うつ病ではないかと心配になる方は多いでしょう。
万が一うつ病だった場合は、病気として適切な治療が必要となります。
以下に症状のチェックリストなどを紹介しますので、参考にしてみてください。
うつ病を抱えている方に見られる特徴として、以下があげられます。
・気分の落ち込みがある
・物事への興味がわかない、喜べない
・食欲がなくなる、もしくは増加する
・不眠もしくは睡眠をとりすぎる
・焦って落ち着かない、もしくは身動きがとれなくなる
・疲れやすく気力がない
・自分を責める(自分が悪いと考える、自分に価値がないと思い込むなど)
・物事に集中できず、決断できない
・しきりに死について考えるようになる
上の症状のうち多数が当てはまれば、うつ病の可能性があります。
ただし高齢者の場合、認知症の初期症状と勘違いされる場合もあるため注意が必要です。
「何もせずぼーっとしている」「元気がない」という症状は、認知症の初期にも見られます。
参考:国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター:高齢者「うつ」の原因は?
先ほど紹介した症状のチェックリストは、あくまで簡易的なものです。
本当にうつ病かどうかに関わらず、問題が見受けられるのなら早めに医療機関を受診することが大切です。
医師に相談することで、薬物療法や精神療法などの適切な治療を受けることができます。また、環境調整のアドバイスをもらうことも可能です。
診断の結果、うつ病でなかったとしても、認知症やその他の精神疾患・脳機能障害が影響している可能性も否定できません。
いずれにしても医師の診断を受け、早めに対処しておけば悪化を防げることを覚えておきましょう。
「家を片付けることでうつ病のような症状が治った」という意見が、インターネット上に見られます。
結論からいえば、本当にうつ病になってしまった場合、家の中を片付けるだけで病気を治すことは不可能でしょう。
ただし、家を片付けることはご両親にもご家族にも相応のメリットがあります。
うつ病を抱えている方の中には、片付けができない自分を責める方もいます。
そのようなストレスが続けば、結果として、うつ病を悪化させてしまう可能性も否定できません。
しかし片付けや掃除によって一度家の中をきれいな状態にすれば、日常の精神的ストレスが軽減されます。
家の中が片付けば日常生活の不便も減り、衛生状態もよくなるため、肉体的なストレスを減らすことも可能です。
残念ながら、いつか「そのとき」はやってきます。その際に必要となるのが遺品整理です。
遺品整理を行う際、財産関係の書類や残しておきたい形見など、大切な物の場所がわからなければ困ります。
しかしご両親の生前整理を兼ねて家の中を片付ければ、遺品整理の際に苦労しません。
ご両親にとっても、今まで歩んできた人生を冷静に振り返るきっかけとなるなど、生前整理には多くのメリットがあります。
もしうつ病などの精神疾患によって家が散らかっている場合、ゴミ屋敷になってしまう前に対処することが大切です。
具体的な方法は、以下のとおりです。
うつ病の方の家を片付けるには、「ご本人が調子のいいときを狙う」ことが重要です。
うつ病にも気持ちの波があり、比較的に体調がいい日も存在します。
その日のうちに片付けを済ませれば、ご本人のストレスも最低限で抑えられるでしょう。
家族や友人の協力を仰ぐなど、どうすれば1日で片付けが済ませられるのか、その方法を考えてみてください。
片付けが短時間で済みそうにない場合は、遺品整理業者に相談することをおすすめします。
私の働いているような遺品整理業者では、生前整理やゴミ屋敷の片付けといった作業も請け負っています。
業者に依頼するメリットは、次のとおりです。
・物の仕分けから整理、掃除といった作業が1日~数日で完了する
・大きな家具や重い物を動かすことも可能
・物の処分も一緒に済ませられる
・場合によっては本人がいなくても作業可能
・生前整理についてのアドバイスももらえる
遺品整理士の資格や各種の許認可を保有しており、経験豊富な業者であれば、認知症やうつ病を抱えている人にも理解があるはずです。
物の量や間取り、ご本人やご家族の状況に応じて臨機応変に対応してくれるでしょう。
最後にもう一度、老年期のうつ病と片付けの関係についておさらいしましょう。
・老年期特有のストレスによって、うつ病を患う高齢者は多い
・うつ病による無気力や集中力低下によって片付けが難しくなる場合がある
・うつ病が疑われるときは、早めに医療機関を受診することが大切
・実家を片付けることで、ご両親のストレスを軽減できるうえ、生前整理も兼ねられる
・うつ病の人の家を片付ける場合は、体調がいいときに短期間で済ませる
もし自分たちだけで片付けができない場合は、家族や友人を頼ったり、遺品整理業者に相談したりすることをおすすめします。
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