遺品整理で故人の衣類をどうすればよいか悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
遺品整理業者として働く私のもとにも、実際に次のような相談がよく寄せられます。
「故人の衣類はいつまでに整理するべき?」
「衣類が大量にある場合はどう整理すればいい?」
「どんな方法で処分するのが正解?」
故人の衣類は、数が多かったり思い出があったりなどして処分方法に迷うことが少なくありません。
そこで今回は、衣類を遺品整理する時期の目安やスムーズに整理するための仕分け方、処分方法の選択肢について解説します。
ぜひ今回の情報をもとに納得のいく方法で整理していただければと思います。
目次
衣類はずっと保管しておくと虫食いやシミが発生するため、できるだけ早く整理するにこしたことはありません。
しかし整理を始めるきっかけがないと感じる方もいるのではないでしょうか。
故人の衣類を整理する時期としては、次のようなタイミングがおすすめです。
四十九日法要や一周忌などの家族・親族が集まるタイミングで、故人の衣類を整理し始める方は多くいます。
なぜなら形見として故人の衣類が欲しい家族・親族がいるかもしれないからです。
衣類に限らず、四十九日を目途に形見分けを行うケースは多くあります。
家族・親族が集まるときに整理を始めれば、高価な衣類を誰が相続するのか決めることも可能です。
故人の遺品を勝手に処分することで、家族・親族との揉めごとにつながるケースは少なくありません。
できれば服以外の遺品も含めて家族・親族にも確認してもらい、相談してから形見分けや処分を進めたほうが無難と言えます。
遺品整理はいつから始める?いつまでにする?時期の決め方を解説
状況によっては、遺品整理を済ませるべき期限が存在することもあります。
たとえば次のようなケースでは、その期限までに衣類などさまざまな遺品の整理を済ませておく必要があります。
・故人が住んでいた賃貸住宅の退去日
・故人の持ち家を売却する場合の引き渡し日
・相続税の申告期限(10ヶ月以内)
故人が住んでいた賃貸住宅を解約する場合、基本的に借りたときの状態に戻す義務があるため遺品整理が必要です。
また、故人が住んでいた持ち家を売却する場合も、引き渡し日または買い手の内見時までに遺品を処分しておく必要があります。
相続税の申告期限は、故人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。
相続税の対象となる財産には現金や預金、不動産だけではなく、金銭的に価値のある遺品も含まれます。
それら価値のある遺品を把握するために遺品整理が必要なケースもあるのです。
もし故人が残した衣類の中に高級な着物やブランドスーツなどの価値あるものが含まれていた場合、相続税の対象となる可能性があります。
なお、相続税は基礎控除額「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」を下回る金額であれば原則として申告する必要はありません。
【簡単に分かる】遺品整理での相続税を6つのポイントで徹底解説!
遺品整理を急ぐ理由がない場合は、気持ちが落ち着いてから衣類の整理を始めるという選択肢もあります。
遺品整理中に故人を思い出し、辛くて作業が進まないことはよくあります。
とくに衣類は故人が着ていた姿を思い出すため、なかなか処分の決心がつきにくいものです。
悲しい気持ちが胸にせまってきた場合は無理をせずに、心の整理ができたタイミングで整理するのも一つの方法と言えるでしょう。
ただし衣類は長期間保管することで劣化する点に注意が必要です。
大切に残したい服は防湿や防虫をしたうえで、シワや汚れがつかないように気をつけて保管しておきましょう。
大量の衣類をスムーズに整理するコツは、仕分けから始めることです。
最初にまとめて仕分けることで整理にかかる時間を短縮できるだけではなく、大切な衣類を捨ててしまう失敗も防げます。
衣類を仕分けるときは、次の3種類に分けましょう。
・残す(思い出のあるもの、形見分けするもの、高価なものなど)
・処分(思い出のないもの、状態の悪いものなど)
・保留(残すか処分するか迷うもの)
基本的には「残す」と「処分」に分類することになりますが、どうしても迷うものは「保留」として期限を定めて保管しておきましょう。
迷うものをひとまず保留することで、仕分け作業がスムーズに進みます。
また、保留に分類したものを一定期間保管したあとに再び仕分けることで、冷静な気持ちで判断できる可能性もあります。
とはいえ保管スペースに限りがある場合は、残すものや保留するものを多くすることはできません。
実際の遺品整理の現場でも、数着だけを残して他を手放す場合がほとんどです。
もし捨てづらい服があるのなら、写真に撮って思い出として残す方法もあることを覚えておくと良いでしょう。
遺品整理で不要と判断した衣類は処分する必要があります。
処分と一口に言っても次のように多くの選択肢があるため、納得のいく方法を選びましょう。
故人の衣類は、古着として自治体のゴミ回収に出すことが可能です。
分別ルールは自治体によって異なりますが、「燃えるゴミ」または「資源ゴミ」として回収される場合が多いでしょう。
自治体のゴミ回収に出すメリットは、手軽さと費用負担の少なさです。
ただし一度に大量の衣類を処分する場合は、粗大ゴミ扱いとなり費用が発生する自治体もあります。
ルール通りに出さなければ不法投棄となってしまうため、必ず自治体の分別ルールを確認してから処分しましょう。
衣類の量販店のなかには、不要になった服を回収しているところもあります。
服を入れるための回収ボックスが店舗内に設置されているのを、見たことがある方も多いのではないでしょうか。
量販店で回収された服はリユースやリサイクルされる場合が多く、社会貢献や環境保全に役立てることが可能です。
服の回収はほとんどの店舗で無料なうえ、ブランドによってはクーポンやポイントがもらえる場合もあります。
なお、回収ルールが店舗ごとに異なる点には注意が必要です。
その店舗のブランドの服しか回収されないことはもちろん、服の素材や状態が限定されている場合もあるため事前に確認しておきましょう。
古着の寄付を受け付けているNPO法人は少なくありません。
このような団体に寄付された古着は発展途上国に贈られたり、販売して出た利益を支援活動に役立てたりなどされます。
ほとんどの場合送料をこちらで負担する必要はありますが、故人の衣類を社会の役に立てたい場合は最適な方法と言えます。
他にも古着を寄付できる団体として、一部の孤児院や児童養護施設などがあります。
団体や施設ごとに寄付できる衣類の種類や状態、発送方法などは異なるため、詳細を確認してから送ると安心です。
まだ着られる状態の衣類であれば、リサイクルショップや専門の買取業者に買い取ってもらえる可能性があります。
古着であっても、高級ブランド品や高価な着物などは高値がつく場合もあります。
着物などは出張買取や宅配買取を行っている専門業者もあるため、手間なく売却できることもあるでしょう。
ただし市場価値のないものや状態の悪いものは値段がつかないことも多いため、過度な期待は禁物です。
リサイクルショップの中には古着の買取を行っていない店舗もあるため、持ち込む前に必ず確認しておきましょう。
リサイクルショップや買取業者で値段がつかない服であっても、フリマアプリやネットオークションなら売れる場合もあります。
実際にこれらの落札記録を見ると、安価な洋服や状態の良くないブランド物などが購入されていることが分かります。
ただし実際に売れるかどうかは出品してみなければ分からず、売れるまでに時間がかるケースも珍しくありません。
商品の登録や買い手とのやりとりなどもすべて自分で行う必要があるため、時間や手間をかけられる場合におすすめの方法です。
故人が着ていた服をリメイクして、有効活用することも可能です。
遺品の着物やスーツなどを、仕立て直して身につける方は多くいます。
一部に傷みや汚れがある衣類でも、綺麗な部分の生地を使ってクッションカバーやバッグ、小物入れなどにリメイクすることもできるでしょう。
とくに着物などの美しい柄がほどこされている生地は見栄えがするため、利用価値があります。
近頃はリメイクの専門店も存在するため、裁縫が苦手な方も検討してみてはいかがでしょうか。
故人の衣類を処分することに抵抗がある場合は、供養としてお焚き上げするのも一つの方法です。
お焚き上げとは、捨てるには忍びない物をお寺や神社で供養・焼却することを言います。
衣類に限らず遺品を供養してから処分する方は多くいらっしゃいます。
やはり故人が愛用していた物を処分することに申し訳なさを感じるケースは多いものです。
そのような場合でもきちんと供養をすることで、気持ちの整理がつきやすくなります。
お焚き上げの方法や料金は寺社によって異なるため、事前に問い合わせるなどしてから依頼すると安心です。
遺品供養は必要!代表的な方法4つ紹介!郵送でも遺品整理業者でも可能
衣類に限らず遺品をまとめて大量に処分したい場合は、業者に依頼することで手間を減らせます。
不用品回収業者に依頼した場合、大量の不用品をまとめて搬出・処分してもらえます。
遺品整理業者であれば遺品の仕分けから搬出・処分までをすべて任せることができ、1~数日という短い期間で作業を終えることも可能です。
当社のように引き取った品を供養している遺品整理業者に依頼すれば、遺品供養も同時に行えるでしょう。
もし遺品整理に手間や時間をかけられない場合は、業者の利用も検討してみることをおすすめします。
遺品整理と不用品回収の違いは?作業内容・サービス・業者の選び方
衣類を遺品整理するときは、いくつかの注意点があります。
次のような点に気をつけて、安全かつスムーズに遺品整理を進めていきましょう。
衣類を処分する前に、必ずポケットの中を確認しておきましょう。
故人が残した衣類のポケットの中に貴重品が入っているケースは珍しくありません。
上着やズボンのポケットに身分証や鍵、現金、貴金属などが入っている可能性もあります。
これらの物を紛失した場合、損をすることはもちろん相続や各種の手続きに影響が出る可能性もあるため注意が必要です。
衣類をはじめとした遺品を整理する前に、遺言書やエンディングノートが残されていないか確認しておくことをおすすめします。
なぜなら遺言書・エンディングノートには、遺品の取り扱いや相続について故人の希望が書かれている可能性があるからです。
正式な書式で書かれた遺言書には法的効力があるため、原則としてその内容に従う必要があります。
エンディングノートに法的効力はありませんが、内容を確認しておくことで故人の希望を優先することが可能です。
いずれにしても遺言書やエンディングノートの内容をふまえて親族と話し合っておけば、不要なトラブルを防げます。
最後にもう一度、「衣類の遺品整理」についておさらいしましょう。
・故人の衣類を整理する時期は、家族・親族が集まるタイミングや家の退去日などに合わせるのが一般的
・大量の衣類を整理するときは、まとめて仕分けるとスムーズ
・故人の衣類は家庭ごみとして自治体の回収に出せる
・服を購入した店に回収してもらったり、NPO法人に寄付したりすれば故人の服を社会の役に立てられる
・リサイクルショップや専門の買取店、フリマアプリなどで故人の衣類を売却できる場合も
・故人の衣類を寺社で供養してお焚き上げすることもできる
・遺品整理業者に依頼すれば遺品の仕分けから処分、供養まですべて任せることが可能
紹介したように、故人の衣類を整理する方法は多くあります。
それぞれの方法で手間や費用、心理的な抵抗感も変わるため、ぜひ納得のいく方法を選んでいただければと思います。
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