遺品整理で布団やベッドの処分に困っている、という方は多いのではないでしょうか。
布団・ベッドはサイズが大きかったり、各季節用や来客用など数が多かったりするため処分方法に悩むのも無理はありません。
実際に遺品整理業界で働く私のもとにも、次のような相談がよく寄せられます。
「遺品の布団はどうやって捨てればいい?」
「捨てる以外の処分方法はある?」
「そのまま捨てるのは忍びないから供養したいんだけど…」
今回は遺品整理での「布団の処分方法」について、その選択肢を紹介します。
故人が使っていた布団をそのまま捨てるのは忍びないという方に向けて、「布団の供養」についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
布団・ベッドを放置しているとダニなどが繁殖する可能性もあるため、できるだけ早めに処分する必要があります。
とはいえ具体的な処分方法が分からないという方も多いかもしれません。
遺品の布団やベッドを処分する方法としては、次の8つの選択肢があります。
古い寝具やご遺体を安置していた寝具などは、衛生上の問題から捨てて処分するケースが多くなります。
布団・ベッドの捨て方としてもっとも一般的なのは、自治体に粗大ゴミとして回収してもらう方法です。
粗大ゴミ回収に出す場合のおおまかな手順は、次のとおりです。
・電話やメールで自治体の粗大ゴミ回収センターに連絡
・指定された金額の粗大ゴミ処理券を購入
・粗大ゴミ処理券を寝具に貼り付け、指定された日時に回収場所へ出す
粗大ゴミ処理券はスーパーやコンビニで購入でき、費用もそれほどかかりません。
布団は一枚あたり数百円、ベッドはフレームやマットレスなど合わせて千円~数千円ほどでしょう。
とはいえ費用や回収方法は自治体によって異なるので、くわしくは自治体のホームページなどを見るか問い合わせるかして確認することをおすすめします。
なお、自治体によってはゴミ処理場に直接持ち込んで処分できる場合もあります。
持ち込みだと料金が少し安くなる場合が多いものの、布団を運ぶ手間はかかります。
大量の粗大ゴミを処分する5つの方法|メリットやデメリット、注意点を解説
燃える素材の布団や敷きパッド、薄手のマットレスなどは、細かく切って可燃ゴミ回収に出すこともできます。
ほとんどの自治体では可燃ゴミ回収は無料のため、費用がかからない点は大きなメリットと言えるでしょう。
ただし、出し方に気をつけなければ可燃ゴミとして回収してもらえない場合もあるため注意が必要です。
たとえば、ある自治体では「一辺の長さが30センチ未満」「45リットルの袋に入る」などの条件を満たさなければ可燃ゴミとみなされません。
たとえ折りたたんだ状態で袋におさまったとしても、自治体によっては一辺の長さが基準値を超えると粗大ゴミ扱いとなる場合もあります。
つまり、細かく切ったうえで袋も小分けにする必要があるため、手間や時間のかかる方法だと言えるでしょう。
なお、布団を細かく切る際はホコリやダニの影響を受ける可能性もあるため、ハウスダストに敏感な方は別の方法をおすすめします。
一般的なベッドの場合、家具店の引き取りサービスを利用して処分することもできます。
一部の家具店では、商品購入を条件に不要になったベッドを無料~数千円程度で引き取るサービスを提供しています。
新しいベッドの配送時に古いベッドを引き取ってくれるため、処分のための手間もかかりません。
遺品整理をする家に住む予定であれば、利用を検討してみても良いでしょう。
布団に関しては、ニトリやイオンなどの量販店で回収イベントを行っている場合があります。
直接店舗に持ち込む労力は必要ですが、無料の場合も多いため費用の心配がない点はメリットです。
布団・ベッドを運び出したり解体したりする手間を節約したいなら、不用品回収業者に依頼する方法もあります。
不用品回収業者に依頼した場合、布団やベッド以外の物もまとめて処分することが可能です。
電動介護ベッドや大型サイズのベッドなど重たい寝具も運び出して処分してくれるため、人手が足りないときにも助かる存在と言えるでしょう。
ただし、費用に関してはそれなりにかかります。処分費は布団一式で数千円ほどの場合もありますが、その他の運搬費や人件費などがかかるケースもあります。
料金システムは業者ごとに異なるため、具体的な費用を知りたい場合は問い合わせてみましょう。
布団やベッド以外の遺品もまとめて整理したい場合は、遺品整理業者が便利です。
遺品整理業者は、不用品の回収だけではなく遺品整理に関わるさまざまな作業をまとめて請け負っています。
遺品整理で負担となるのは、処分の手間だけではありません。
大量にある遺品から必要なものを仕分けして整理する作業には、時間がかかります。
遺品整理業者に依頼すれば、そういった仕分けから処分までをほとんど任せられるため、手間や時間を大幅に減らすことが可能です。
遺品整理業者の料金は遺品の量や家の間取りなどによって変わるため、料金を把握するためには見積もりを取る必要があります。
相談や見積もりが無料の業者もあるので、気軽に問い合わせてみることをおすすめします。
遺品整理と不用品回収の違いは?作業内容・サービス・業者の選び方
高級な布団や愛着のある布団は、「打ち直し」をして再利用することもできます。
打ち直しとは、簡単に言えば布団のリフォームのことです。
具体的には布団を解体して汚れを取り除いたあと、綿や羽毛をほぐしたり補充したりして新しい生地に入れ直します。
あまりにも劣化している場合は打ち直しできませんが、多少中身がへたっている程度なら気持ちよく再利用することが可能です。
ただし外側の生地は基本的に新しいものを使用するため、生地を残したい場合は打ち直すことができません。
打ち直しの料金は布団の種類や大きさによりますが、安くても1万円以上はするため思い入れのある布団におすすめの方法です。
電動介護ベッドなどの高価なものは、必要としている人に譲る方法もあります。
介護ベッドは高価なため、気軽に買えるものではありません。しかし、あれば助かるという方も多いでしょう。
親戚や知人に必要としている方がいないか声をかけてみましょう。
親戚や知り合いに欲しい人がいない場合は、インターネット上の地域掲示板などでもらってくれる人を探すことも可能です。
布団に関しては、新品に近い状態でない限りもらってくれる方は少ないと思われます。
とはいえ、汚れや傷みがひどいものでない限りは寄付することも可能です。
送料を負担する必要があるものの、布団の寄付をつのっている会社やNPO法人などもあります。
寄付した布団は、再生資源として利用されたり発展途上国に送られたりなどして社会の役に立てられます。
電動介護ベッドの場合は、買い取りを行っている介護用品店もあります。
製造されてから10年以内のきれいな状態のもの、故障や部品の欠品がないものなどは値段がつく可能性もあります。
対して一般的な布団やベッドを売却する場合、衛生的な問題から買い手がつかないことも多くあります。
ただし高級ブランドのものや新品に近いものであれば、リサイクルショップで値段がつく場合もあるでしょう。
リサイクルショップに持ち込む手間がかけられない場合は、フリマアプリなどで出品することも可能です。
フリマアプリにおいて布団・ベッドはあまり人気のない商品ですが、売れるまで気長に待てる場合は試してみても良いでしょう。
故人の寝具を処分する場合、そのまま捨てるのは忍びないと思われる方もいるかもしれません。
そういった場合、寝具を供養することも可能です。
布団・ベッドを供養する方法は次のとおりです。
お寺や神社では、布団やベッドなどの寝具を供養してくれるところもあります。
近隣のお寺や神社、お世話になっているお寺などに聞いてみると良いでしょう。
供養の際の費用は、金額が決まっているところもあればお気持ちとして包むところもあります。
なお一部の葬儀社では、僧侶を呼んで合同の布団供養を無料で行っているところもあります。
もしお世話になった葬儀社があれば、そういった催しがないか聞いてみましょう。
布団やベッドの供養は、遺品整理業者に任せることもできます。
遺品整理業者の仕事は、遺品の仕分けから回収・処分までが基本です。
しかし当社のように、引き取った遺品を供養してから処分している遺品整理業者も少なからずあります。
そのような遺品整理業者に依頼すれば、布団だけではなく他の遺品も一緒に供養することが可能です。
遺品整理業者に依頼する場合は、問い合わせや見積もりの段階で遺品供養も行っているか聞いておくと良いでしょう。
遺品供養は必要!代表的な方法4つ紹介!郵送でも遺品整理業者でも可能
最後にもう一度、「遺品整理での布団・ベッドの処分方法」についておさらいしましょう。
・遺品の布団やベッドは、自治体の粗大ゴミや燃えるゴミに出すことができる
・一部の量販店では、ベッドや布団の引き取りを行っている
・遺品整理業者や不用品回収業者に依頼すれば、運び出しから処分まで任せられる
・捨てたくない場合は、打ち直して再利用したり他の人に譲ったりする方法もある
・高級ブランドの布団や電動介護ベッドなどは、売却できる場合もある
・遺品の布団やベッドは、一部の寺社や葬儀社で供養してもらうことができる
・遺品整理業者に依頼すれば、布団の供養から処分までまとめて任せることが可能
今回紹介したように、故人の布団やベッドを処分する方法は多くあり、供養をするかどうかもご家族の気持ちしだいです。
よく考えたうえで、ぜひ納得できる処分方法を選んでいただければと思います。
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