賃貸物件に住んでいる親族が亡くなった場合、遺品整理で気をつけるべき点はあるのでしょうか?
「持ち家の遺品整理と何が違うの?」
「賃貸契約はどうなるの?」
「業者に依頼したほうがいい?」
遺品整理のプロとして働く私の元には、実際に上記のような質問が多く寄せられます。
実は賃貸物件での遺品整理は、持ち家の場合と比べて、行うべきことも注意点も異なります。
今回は、「賃貸物件の遺品整理の進め方・注意点」や「専門業者に依頼するべきか」について解説します。
現場で培った知見もまじえながら解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
賃貸物件の遺品整理で最初にやるべきことは、賃貸契約書を確認することです。
持ち家と違い、賃貸住宅には大家さん(物件オーナー)が存在するため、自分の都合だけでは遺品整理を進められないケースもあります。
もし契約書が見当たらない場合は、大家さんや管理会社に問い合わせましょう。
契約書が手元に用意できたら、次のような項目を確認しておくことが大切です。
賃貸物件に住んでいた方が亡くなった場合、相続人や連帯保証人が賃貸契約の解約手続きを済ませる必要があります。
なぜなら一般的な賃貸契約では、住人が亡くなったからといって自動的に解約されるわけではないからです。
基本的に、賃借権(部屋を借りる権利)と部屋の中に残された私物の所有権は、相続人にそのまま相続されます。
つまり解約の申し入れをしなかった場合、相続人に対して家賃や管理費などが請求される続けることになるのです。
解約の申込みは、退去日の1~2カ月前までなど、期限が定められているのが一般的です。
まれに退去日が最初から設定されている賃貸契約も存在するため、念入りに確認しておきましょう。
退去するまでのあいだに家賃をいくら支払うことになるのか、具体的な金額を確認しておきます。
月の途中で退去する場合は、家賃が日割りで計算されるのが一般的です。
ただし相場より家賃が安い物件だったり、敷金礼金がゼロの物件だったりする場合は、違約金が必要となるようなケースもあるので注意が必要です。
そのような場合、「入居から1年未満の退去は違約金が必要」などの文言が契約書内に記載されています。
違約金の額としては、家賃1か月分ほどをプラスして請求されるのが一般的です。
ほとんどの賃貸物件では、契約書内に原状回復の義務が記載されています。
原状回復とは、「部屋を退去するときに借りた時の状態に戻して返す」という意味です。
原状回復の義務がある場合、故人の物や家財道具を撤去することはもちろん、修繕や清掃も必要となる場合があります。
そのための手間や費用、スケジュールについては、ある程度の余裕を見ておく必要があるでしょう。
ただし生活するうえで必ず起こりうる汚れ(経年劣化による色あせ・日焼けなど)は、原状回復の義務からは外れるのが一般的です。
なお、公営住宅の場合は民営の賃貸住宅と違い、換気扇や網戸、配線などの撤去も義務となっている場合もあるので、よく確認しておきましょう。
敷金の返還に関するトラブルは多いため、確認が必要です。
敷金とは、担保として大家さんに預けておくお金です。家賃の未納があったときの補填や、不注意や故意で設備を壊してしまったときの修繕復費用として使われます。
つまり、きちんと家賃を納めたうえで、とくに問題がないかぎりは原則として敷金は全額返還されるべきものと考えられます。
しかし実際のところ、借り主に必要以上の負担を求める物件オーナーは多くいます。
たとえば契約書内の特約によって、退去時のクリーニング費用まで借り主が負担するよう決められている場合もあるのです。
トラブルを防止するためにも、敷金の金額はもちろん、返還条件についてもよく確認しておきましょう。
もし内容に納得がいかない場合は、大家さんに連絡を取って話し合う必要があります。
賃貸契約について確認できたら、実際に遺品整理を進めていきます。
手順としては、次のように進めていくのが一般的です。
まずは、遺言状やエンディングノートが残されていないか確認しましょう。
遺言状には法的な拘束力があるため、基本的にその内容に従う必要があります。
エンディングノートに法的拘束力はないため、必ずしも内容に従う必要はありません。
しかしエンディングノートには故人の意思や希望が書かれているので、それに基づいて遺品整理の計画を立てることが可能です。
エンディングノートとは?書き方・メリット・注意点などについて解説!
遺品は「残しておくもの」と「処分するもの」に仕分けします。
貴重品や財産関係の重要書類は、必ず残しておきましょう。
また、思い出の品や故人が生前大切にしていた物なども残しておくと、形見分けの際に困りません。
遺品を整理する際は、全ての場所を確認しながら整理していくことをおすすめします。
なぜなら、意外なところから大切な物が見つかることも多いからです。
時間はかかりますが、ダンスや押入れの中、引き出しや棚の中もしっかりと見ておきましょう。
「処分するもの」に分類した遺品は、早急に処分する必要があります。
持ち家であれば、ひとまず置いておくことも可能でしょう。
しかし賃貸物件では、故人が持ち込んだ家財道具・私物は全て撤去するのが基本です。
つまり不要な物は退去日までに処分するか、別の場所へ移動させる必要があるのです。
家具や大型家電を運び出すには人手が必要なので、あらかじめ計画しておく必要があります。
現地で物を捨てる場合は、ゴミの分別方法や回収日などを確認しておく必要もあるでしょう。
なお、相続放棄をする場合は、あわてて全ての遺品を処分しないよう注意が必要です。
相続放棄が承認される前に遺品を処分していたことが判明すると、相続放棄が認められないケースがあります。
相続放棄を考えている場合は、裁判所での承認が済んでから遺品整理を行うほうが安全です。
【意外と盲点?】相続放棄をするときは遺品整理をしてはいけない理由
不要な物の処分や撤去が終われば、掃除をして部屋の明け渡しを行います。
管理会社または大家さん立ち会いのもと部屋を確認し、鍵を返却して退去するという流れが一般的です。
なお、退去日までに電気やガス、水道などの解約も忘れずに行っておきましょう。
各サービスのお客様センターに問い合わせて事情を説明すれば、対応してくれます。
ガスの解約は立ち会いが必要なケースもあるので、スケジュールには注意が必要です。
賃貸物件の遺品整理は、自分でできる場合も多くあります。
しかし業者に任せたほうが良いケース、業者に任せるべきケースというのも存在します。
具体的に、次のような場合は業者に依頼することをおすすめします。
遺品整理をするための人手が足りない、時間が取れない、といった場合は業者に依頼したほうが良いでしょう。
なぜなら賃貸物件の遺品整理では、持ち家の場合と違ってなるべく早く終わらせる必要があるからです。
作業が遅れると、家賃がどんどん加算されていきます。
退去日が間近にせまっているケースでは、より急ぐ必要があるでしょう。
遺品整理は、想像以上に時間がかかるものです。
物が多かったり、部屋が広かったりする場合は、数ヶ月~1年かかることも珍しくはありません。
しかし専門業者に依頼すれば、1日~数日で遺品の仕分けから運搬、処分、清掃にいたるまで完了します。
ほとんどの作業を業者のスタッフに任せることが可能なため、人手が足りなくても安心です。
もし故人が孤独死され、ご遺体の発見が遅れてしまった場合は、特殊清掃を行える業者への依頼が必要です。
特殊清掃とは、通常の清掃では対応できない部屋を掃除することです。
発見が遅れ、ご遺体の腐敗が始まっていた場合、体液や汚物の除去、消毒や消臭、害虫の駆除などを行う必要があります。
これらは、普通のハウスクリーニング技術や薬剤で対処できません。
特殊なケースではありますが、もしもの場合は専門技術を持った業者を探されることをおすすめします。
最後にもう一度、賃貸物件の遺品整理についておさらいしましょう。
・遺品整理を始める前に、まずは賃貸契約書の内容を確認する
・家賃や敷金、退去や原状回復についてはよく確認しておく
・遺品の整理や処分は、明け渡し日までに終える必要がある
・人手や時間が足りない場合は、業者に依頼するとスムーズ
・特殊清掃が必要な場合は、必ず専門技術を持った業者へ依頼する
持ち家の場合と違って制約も多いですが、一つずつ確認しながら着実に進めていきましょう。
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