「片付けたいけど動けないのはうつ病が原因?」
「片付けられない自分は病気なの?」
「心の病気や障害で片付けられないときは、どうすればいい?」
片付けられない状態になってしまったとき、このような疑問が頭をよぎる方もいるのではないでしょうか。
事実、うつ病などの精神疾患や、脳機能の障害によって片付けられない方は、たくさんいます。
今回は、「片付けられないという悩みに潜む病気や障害」「病気や障害で片付けられないときの対処法」について紹介します。
遺品整理業者として片付けの現場に携わっている私の経験もまじえながら解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
周囲の方から見れば、片付けられない原因は「本人の怠け心」だと思われがちです。
しかし近年は、以下に紹介する病気や障害によって片付けられない方が多くいることも判明しています。
どういったもので「片付けられない」という困りごとが生じるのか、一緒に見ていきましょう。
うつ病は、さまざまなストレスによって引き起こされる心の病気です。ストレスの多い現代社会では、うつ病を患う方の数が増えています。
うつ病には、さまざまな症状があります。とくに以下の症状が出ている場合は、片付けたくても片付けられない状態になってしまいます。
・無気力になって意欲がなくなる
・集中力がなくなる
・疲労感や倦怠感を感じやすくなる
うつ病によって気力や意欲がなくなった結果、掃除や片付けなどの身の回りのことをこなすのが難しくなるケースは多いものです。
なんとか片付けを始められたとしても、集中力が続きにくいうえに疲労も感じやすいため、やり切ることが難しい状態となります。
うつの他にも、「片付けられない」状態を引き起こしている病気や障害もあります。
統合失調症とは、自分の考えや気持ちがまとまらなくなってしまう病気です。
はっきりとは解明されていませんが、脳内の神経伝達物質のバランスがくずれることが原因だと考えられています。
統合失調症には陽性と陰性の2種類があり、以下のような症状が出ることがわかっています。
◆陽性の症状
・考え方に一貫性がなくなり、思考が混乱する
・幻覚や幻聴がひどくなる
◆陰性の症状
・思考力や理解力が鈍る
・意欲がなくなる
・感情が麻痺して、喜怒哀楽の表現が少なくなる
このような症状が出た結果、片付けや掃除などの行為ができなくなってしまうケースもあります。
正常な判断が難しくなるため、その他にも日常生活でのさまざまな面にも影響を与えます。
強迫性貯蔵症とは、物を溜め込んでしまう精神疾患のことです。「ホーディング」や「溜め込み症」ともいわれます。
強迫性貯蔵症もまた、脳内の神経伝達物質の働きに異常が生じることによって起こるとされている病気です。
強迫性貯蔵症を患った方は、「物を所有していたいという欲求が極端になる」「物を捨てることに苦痛を感じる」という特徴があります。
その結果、大量に収集した物が生活空間を圧迫し、普通の生活が送れなくなることも珍しくありません。
メディアなどで取り上げられるゴミ屋敷の住人も、強迫性貯蔵症を患っているケースが多くあります。
セルフネグレクトとは、自分の心や身体のケアを放置してしまう精神疾患です。
高齢者に多い病とされていますが、年齢関係なく若者にも起こりえます。
セルフネグレクトを患っている方は、以下のように、悪い状態であっても周囲に助けを求めない傾向があります。
・家の中が不潔な状態になっても放置している
・栄養状態が悪いにもかかわらず、改善しようとしない
・病気やケガの治療を拒否する
原因としては、家族の死や自身の病気、退職のストレスなどがきっかけで起こることが多いといわれています。
また、高齢者では加齢による身体機能の低下や認知症などが原因となる場合もあります。
発達障害は、脳機能の発達の偏りによって起こる障害です。
発達障害には数種類ありますが、そのうち片付けに影響することが多いのはADHD(注意欠如・多動性障害)とADD(注意欠如障害)です。
ADHD・ADDには以下のような特徴があるため、片付けが苦手な方が多い傾向にあります。
・気が散りやすい
・1つのことに集中するのが苦手
・よく考えずに即座に行動してしまう
なお、近年話題になることもある「片付けられない症候群」は、この発達障害の症状の一つともされています。
認知症は、さまざまな原因によって脳の認知機能が低下する病気です。
認知症は高齢者に多いイメージがありますが、若い方でも発症することが知られています。
認知症の中でも最も多いアルツハイマー型認知症には、「もの忘れ」が多くなるという特徴があります。
もの忘れがひどくなった結果、片付けや整理整頓が満足にできなくなってしまう場合もあるでしょう。
片付けられたとしても、どこに片付けたのか思い出せなくなったり、同じ物を何度も買ってきたりして部屋の中が物で溢れてしまうケースも見受けられます。
何度トライしてみても片付けがうまくいかない・リバウンドしてしまう、という方は、もしかしたらこれまで紹介してきたような原因があるのかもしれません。
もし仮に、病気や障害で家を片付けられなくて悩んでいる場合、無理は禁物です。
以下のような適切な対処をしていきましょう。
何らかの病気や障害が原因かなと疑われる場合は、「片付けられないこと」とうまく向き合っていくことが大切です。
片付けなどの日常生活の行為が満足にできないからといって、自分を責める必要はありません。
まずは医療機関を受診してみましょう。
そして病気や障害とうまく付き合っていくには、周囲の理解を得ることも大切です。
なぜなら、病気や障害があるのに普通の人と同じように振る舞おうとした結果、他の疾患を併発してしまう方もいるからです。
例えば、発達障害の方が無理をした結果、うつ病などの精神疾患になってしまうケースはよくあるといわれます。
あくまで無理をせず、ゆっくりと向き合っていくことが大切です。
病気や障害のある方が、片付けられないことに罪悪感を抱えているケースは多くあります。
しかし片付けられない原因が病気や障害であるならば、片付けられないことに本人の意志は関係ありません。
片付けられない自分を否定することはやめましょう。
病気や障害によっては、自分を否定することより症状が悪化する可能性もあります。そうなると、さらに片付ける意欲が低下してしまうかもしれません。
まずは病気や障害を受け入れ、ご自身にできること・可能な範囲で片付けられるようにしていきたいですね。
片付けられないこと・片付けられない原因を、信頼できる友人や家族に打ち明けておくことをおすすめします。
一口に部屋が片付けられないといっても、その原因はさまざまです。
物が多すぎるからなのか、捨てられないからなのか、それとも片付ける作業が苦手だからなのか。
病気や障害が原因となっている場合、何が悪くて片付けられないのかも自分で整理できないこともあります。
そんなときに、信頼のおける第三者に原因を指摘してもらったりサポートしてもらったりすることで、改善できる可能性があります。
病気や障害によって片付けが苦手であっても、部屋の片付けをルール化することで対処できる場合もあります。
たとえば、以下のような簡単なルールを作ってみてもいいでしょう。
・物の定位置を決める(使った物は元の場所へもどす)
・物の量を一定に保つ(1つ増えたら1つ処分する)
・収納方法を決める(必要な物を簡単に取り出せるような収納の仕方を維持する)
このようなルールを作り、いつも守っていればルーティンとなります。ルーティン化すれば、片付けのたびにストレスを溜める必要がありません。
ただしそれによって自分に無理が生じているなと感じる時には、やりすぎないように気をつけましょう。
余裕が出てきた段階で、このようなルールを決めてみてはいかがでしょうか。
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とはいえ、症状や部屋の散らかり具合によっては、自力では片付けられない状態となっている場合もあるかもしれません。
また、何度片付けてもリバウンドしてしまって、そもそもの片付けのコツや収納の仕方などが身についていない場合も…。
そういった場合は、専門業者への依頼をおすすめします。プロに頼めば以下のようなメリットが得られます。
遺品整理業者などの片付けを専門とする業者に依頼すれば、ゴミ屋敷のような状態でも1日~数日で片付けることが可能です。
心の状態が芳しくない時の大掃除は負担が大きいため、現実的ではありません。
しかし業者に依頼すれば、片付けや掃除はもちろん、重い家具の移動や、物の処分までスタッフに任せることができます。
片付いていない部屋の中を見るたびに、自分を責めてしまって、さらにストレスを溜めてしまう方は多くいます。
しかし業者に依頼すればすぐに片付けることができるため、そのようなストレスから解放されます。
また、一度きれいな状態にしてもらえば、日々の生活で少し掃除をするだけで片付いた状態を維持できます。
つまり、日常の片付けにまつわるストレス自体を減らすことが可能です。
病気や障害で片付けられないことを他人に知られるのが恥ずかしい、という方もいます。
そういった方は、経験豊富な業者に依頼しましょう。
世の中には、病気や障害が原因で片付けられない方はたくさんいらっしゃいます。
経験豊富な業者であれば、そういった方の家を片付けた経験があり、理解もあると考えられます。
また、依頼件数が多いということは、作業もスムーズに進む可能性が高く、トラブルが起こる可能性も低いと考えられるでしょう。
実際に当社でも、病気や障害を抱えた方の家を多く片付けてきました。
不安な方は業者のホームページなどを見て、自分が置かれ状況と似たような事例が載っていないか確認してみてください。
最後にもう一度、うつ病と片付けられないことの関係についておさらいしましょう。
・うつ病などの精神疾患やADHDなどの脳機能の障害が原因で、片付けられない・片付けるのが極端に苦手な場合がある
・片付けられないのが病気や障害のせいかも?と思うときは、医療機関を受診したうえで症状とうまく付き合っていくことが大切
・信頼できる人に相談し、周囲に協力してもらうことも大切
・片付けが苦手でも、部屋の片付けをルール化することで対処できる場合もある
もし症状が重かったり、すぐに片付けられないほど散らかっていたりする場合は、無理をせず専門業者の利用も検討してみましょう。
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