「親が亡くなって実家が空き家になる可能性がある。空き家の現状や問題ってどんな感じ?空き家を相続するとどんな税金が発生するの?」
「空き家問題の対策って何がある?」
など、近年空き家問題は大きな社会問題になっており、まさに今、直面している方も多いでしょう。
私も遺品整理業者として働いていると「実家が空き家になってしまい、遺品整理をお願いしたい」と依頼されることが多々あります。
空き家は放置するほど税金が高くなり、売却したくても家の傷みで安値になることもあり、早めに手を打つことが肝心!
そこで今回は、空き家問題の現状と原因、問題点と対策をお伝えしていきましょう。
目次
まず空き家問題の現状と原因をお伝えしていきましょう。
結論からいえば、空き家問題は年々増加しており、調査のたびに過去最高を更新しているのが現状です。
そして空き家問題の原因は「長寿化・人口減少・新築物件」の3本柱。
先に現状からお伝えしましょう。
総務省の住宅・土地統計調査によると、2018年時点で全国に848万9,000戸の空き家があると分かっています。
2018年は、前回調査された2013年(819万6,000戸)より3.6%増加、総住宅数に対して空き家率は13.6%。
ちなみに全国調査が開始された1973年時点の空き家は、172万戸でした。
つまり1973年から2018までに空き家は5倍近くに増加しており、増え続けているのが空き家問題の現状です。
参照・参考:(リンクPDF)統計局:統計局 平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要
空き家が生まれる原因は「長寿化・人口減少・新築物件」とお伝えしましたが、どういうことでしょう?
この3つの背景をまとめました。
・「子どもが住めばいい」とバブルのころにマイホームを購入したケースが多い
・マイホームを建てた世代が高齢者になり老人ホームなどに入居するが、古い家に子どもが住みたがらない
・日本は「築年数の長い物件には人気がない」「新築物件は増え続けている」「人口が減少しており家も余っている」現状がある
ちなみにヨーロッパだと「古いほどに価値が出る」という認識があり、日本と真逆の価値観。
今の日本の価値観と現状がうまくはまっていないために、空き家問題が増長していることが分かります。
「所有者が亡くなったため(実家の親が亡くなったため)」空き家になるケースが多い
空き家問題は、「所有者が亡くなったため(実家の親が亡くなった)」空き家になるケースが多いです。
空き家の代表的なプロセスを3つに分けました。
1.引っ越しで所有者がいなくなる
2.実家に住んでいた親が亡くなる
3.親が高齢になり老人ホームなどに移り住む
この中で1と2が絡み、「老人ホームに移り住む → 老人ホームの入居中に亡くなる」ケースが多いのです。
ちなみにホームに入居している時点でも、誰も住んでいなければ空き家になります。
また親が遠方でなかなか実家に行けず、親が亡くなりそうこうしている間にその子どもも亡くなってしまうことも。
すると誰がその家を管理していたのか、分からなくなってしまうケースも珍しくありません。
空き家問題は、実家の親が亡くなるだけで誰の身にも起こりえる問題といえるわけです。
ここまで空き家問題の現状と原因をお伝えしてきました。
そんな空き家問題の問題点はずばり、「お金がかかること」「特定空家に指定されること」です。
そもそも「空き家」とは、2015年に「空家等対策の推進に関する特別措置法(以下:空家等対策特別措置法)」が施行されてから、特に注目されるようになった言葉。
法律に関わること、さらにお金がかかる可能性が出てきたことで「人ごとではない」意識が高まってきたといえるでしょう。
この章では、空き家問題の具体的な問題点をお伝えします。
空き家問題は、決して「わが家だけの問題」ではありません。
家の老朽化による地域の治安悪化、倒壊の恐れや防犯の面から近年、近隣住民からの通報も増えてきています。
空き家になることで想定される悪影響
空き家になると、このような悪影響が想定されます。
・雑草や木が伸び放題になり、景観が損なわれる
・動物が住み着く
・台風や地震などの天災で倒壊する
・放火される恐れ
・人が住まなくなった家は傷みが激しくなるため、雨漏りで家が腐る
・犯罪グループやホームレスが住み着く
・劣化が進むことで売りづらい、貸しづらい物件になる
実家の親が亡くなった後も子どもが住むならともかく、手放すなら売るか貸す方法があります。
売るか貸すか考えている方は、上記の状態になる前にも管理を怠らないようにすべきでしょう。
家を相続する場合、維持費にも注意が必要です。
家を相続することで、固定資産税と地域によって都市計画税がかかります。
例として「土地面積300平方メートル・建物代600万円・土地2,000万円」を相続した場合の税金は以下のとおり。
・家を解体しない場合:約14万6000円
・解体した場合(住宅用地の特例が適用されなくなるため):約28万円
・都市計画税(市街化区域内に土地や建物を持っている場合発生):約4万5,000円
これら固定資産税や都市計画税以外にも、火災保険や光熱費、庭木の剪定(せんてい)費用なども発生します。
空き家の維持管理だけでも、お金がかかると知っておきましょう。
相続放棄を選んでも、所有者が決まるまでは管理をせねばならない
「相続で維持管理にお金がかかるから、相続放棄したい」と思われる方も多いはず。
確かに不動産の所有名義人を変更すれば、基本的に固定資産税は発生しません。
しかし相続放棄を選んでも、次に相続する者はその家を所有する者が決まるまで、家の管理責任があるとご存じでしょうか?
民法第940条によると、以下のとおりに定められています。
" 相続の放棄をした者は、その放棄によって相続人となった者が相続財産の管理を始めることができるまで、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産の管理を継続しなければならない。"
出典:e-Govポータル:民法 相続の放棄をした者による管理 第940条
つまり、その家の管理責任からは逃れられないということ。
ただし相続放棄後の管理責任について、土地所有権の放棄などが改正されるかもしれない動きも出ています。
今後法律が変わっていく可能性もあるため、注目しておきたところです。
参照・参考:(リンクPDF)法務省:法務省 民法・不動産登記法(所有者不明土地関係)等の改正に関する中間試案
さて実家を相続すると、固定資産税を払わなくてはなりませんが、この固定資産税がやっかいです。
2015年に空家等対策特別措置法が施行されたことにより、税制が変わっているとご存じでしょうか?
国土交通省によると「特定空家」の対象は、以下のとおりに決められています。
・そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態(基礎の沈下や柱が傾斜しているなど)
・著しく衛生上有害となるおそれのある状態(ごみの放置や不法投棄により、地域住民に悪影響を及ぼしているなど)
・著しく景観を損なっている状態(屋根や外壁が傷んだり汚れているなど)
・その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態(木立が道路にはみ出ている・シロアリが発生し近隣家屋に飛来しているなど)
そしてこの空家等対策特別措置法によって特定空家に指定されると、以下のお金が発生する恐れがあります。
・固定資産税が更地の6倍
・50万円以下の過料が発生
・最悪の場合、強制撤去(100万円以上)とさらにその撤去費用は所有者に請求される
いずれにせよ、実家を「空き家」と見なされないようにすることが大事でしょう。
参照・参考:(リンクPDF)国土交通省:国都交通省 「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン)【概要】
空き家に特定されることで、税金が高くなる恐れなどをお伝えしてきました。
放置することでどんどん価値は下がっていきますし、毎年固定資産税もかかります。
賃貸に貸し出すなどの予定があるなら、なんとか回避したいところ。
ここでは、空き家問題への対策をお伝えしましょう。
実家が空き家になる恐れのある方は、まず遺品整理業者に依頼することをおすすめします。
空き家で悩んでいる方の中には、「遠方で難しい」「物がたくさんあって、片付けが進まない」という方が多いでしょう。
貸し出したり、売却したりするにも遺品をそのままにするわけにもいかないので、遺品整理が必要になります。
また遺品整理業者の中には業者と連携し、ハウスクリーニングにリフォーム、解体、不動産管理、売却も担ってくれるところがあります。
ぜひまずは遺品整理業者に実家を片付けてもらうところからはじめてみましょう。
「なかなか遺品整理ができない」方のために、対処方法を解説した記事もあるのでぜひ参考になさってください。
遺品整理で捨てられない…!悲しみと罪悪感への対処方法と残す物を解説
さて空き家対策には、ビジネスで活用する、リフォームするなどが挙げられます。
具体的にどんな方法があるのかまとめました。
・賃貸にして収益化、古民家カフェやコインパーキングなどにして事業化
・リフォームや建て替えをして住む
・売却して現金にする
・将来住むことを想定して維持する
例えば賃貸をする場合、以下の点を押さえましょう。
・立地条件はどうか?(駅から近いか?交通の便はいいか)
・築何年か?
・その立地に合った家賃代にできるか?
・空き室へのリスク対策はできているか?
もしポイントを押さえたアピールができていないと、最悪、入居者0もありえます。
まずはその家がどんな家なのか、ポイントを挙げておきましょう。
こういったビジネスやリフォームは、不動産業者やリフォーム会社に相談し、2、3社は相談、見積もりをして比較することをおすすめします。
空き家問題についてお伝えしてきました。
最後にお伝えしてきた内容をまとめましょう。
・空き家問題の現状は「2018年に空き家848万9,000戸」
・空き家問題の原因は「長寿化・人口減少・新築物件」
・空き家問題の問題点は「お金がかかること」「特定空家に指定されること」
・空き家問題への対策として「遺品整理業者への依頼」「ビジネスやリフォームなど」がある
空き家問題は放置すると危険です。
早めに対策しましょう!
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