「親が亡くなったが、形見分けをするにあたってマナーを知っておきたい。誰に何を贈ればいいの?」
「形見分けで贈ってはいけない物ってある?注意点を知っておきたい」
故人の思い出の品を、生前親交のあった仲の良かった人たちに贈る形見分け。
遺品整理業者である私も、依頼者の方から形見分けに関するお話を伺うことがあります。
実は形見分けにも基本的なマナーがあり、知らずに形見分けをしてしまうと、トラブルに発展してしまう恐れがあります。
そこで今回は「形見分けの基本的なマナー」「形見分けの注意点・トラブル(贈ってはいけない物)」などお伝えしていきましょう。
目次
まず形見分けの基本的なマナーとして「誰に?時期は?何を贈るのか?贈り方は?お返しはすべきなのか?」お伝えしていきましょう。
そもそも形見分けとは「故人と生前親交のあった人に遺品を贈ること」をいいます。
贈る際の基本的なルールは以下のとおり。
・基本的に親から子、先輩から後輩へと贈る
・目上から目下に贈り、目上の人には贈らない
・先方からのお願いがなければ贈るのは失礼
特に「目上の人には贈らない」について、昔はよくいわれていたのですが、現在このルールはそれほど強くいわれていません。
時代の流れとともに、形見分けの形も少しずつ変わってきているといえるでしょう。
過去に遺品整理の時期について解説した記事もあるので、ぜひ参考になさってください。
遺品整理はいつから?目安は四十九日の後だが決まりなし!主な時期と期間も解説
形見分けは、一般的に法要の四十九日が明けたころにおこなわれることが多いです。
四十九日に親戚が集まったときに声をかけ、形見分けの話をしてみるといいでしょう。
仏式以外の宗教の場合は、以下の時期を参考になさってください。
・キリスト教なら30日目の昇天記念日を過ぎたころ
・神式なら五十日祭を過ぎたころ
それぞれ信仰している宗教によって時期の目安は異なりますし、各家庭で都合のいい日を見計らって形見分けをしましょう。
形見分けで贈る物は、故人の身に付けていた時計や宝石などの装飾品、愛用していた物などがあります。
形見分けで贈る物にはどんな物があるのかまとめました。
・貴金属などの装飾品
・着物など衣類
・美術品や骨董品(こっとうひん)
・ブランド物の時計やバッグ
・食器
・手紙や写真
・その他故人の愛用していた物
「いくつも形見分けの候補があって悩む」という方は、故人が大事にしていた物を並べて確認、比較してみるといいでしょう。
また「高価な物だから残す」のではなく、故人が普段から使っていた物にこそ、思いや魂が宿っているもの。
「貴金属や時計じゃないから形見分けから外す」とせずに、故人の思いと自分の判断で形見分けしましょう。
遺品が決まり相手に形見分けを贈るときは、きれいにしてから贈るのがマナーです。
衣類などはクリーニング、汚れが目立つ物は拭くなどして、きれいにしてから贈りましょう。
形見分けは「そのままで贈る」もしくは「半紙などシンプルな白い紙で簡単に包んで贈る」方法があります。
半紙に包んで贈る場合、仏式だと「遺品」、神式だと「偲び草」と半紙に書き、直接相手に渡します。
「丁寧に包装しなくていいの?」と思われるかもしれませんが、お祝いではないため、包装紙で丁寧に包む必要はありません。
形見分けを贈られる側のマナーについて、形見分けをもらってもお返しは不要です。
しかしお返しは不要と分かっていても、気になってしまう方も多いのではないでしょうか?
そこでお返しとまではいいませんが、以下の方法があります。
・故人の遺族にお礼の手紙を送る
・故人のお墓や仏壇に手を合わせる
・お花やお供え物を持って行く
・故人の法事・法要にはきちんと参加する
お返しが不要でも、何らかの形で応えてあげると、故人も遺族もきっと喜ぶはずです。
【お返しは?(贈る側の場合)】本当は「いらない」と思ってるかも?よく相手の気持ちを考えよう
形見分けは贈る側にも配慮が必要です。
形見分けで贈られたほうは、よほどの理由がない限り受け取るのがマナー。
しかし本当は本音を言えないだけで、贈られて迷惑している可能性もあります。
もし形見分けを受け取りたくないのであれば、よそよそしかったり、「お気持ちだけで嬉しいです」などの言葉が出てきたりするでしょう。
贈る側の気持ちの押し付けになっていないか?事前に形見分けの遺品を贈っていいか確認しておくと、お互い気まずくなりません。
ここまで形見分けの基本のマナーをお伝えしてきましたが、形見分けには「贈ってはいけない物」もあります。
形見分けで知っておきたい注意点とトラブルを解説していきましょう。
宝石や骨董品(こっとうひん)などの高価な遺品だと、法定相続人は相続税、法定相続人以外の人にも贈与税がかかる可能性があります。
他にも故人の有価証券(株券・証券・小切手など)は、「有価証券そのものに財産的な価値がある」と見なされるため、相続には手続きが必要。
このように「財産価値がある」と見なされた遺品は、形見分けに贈るのを外しておくのが一般的です。
相続人同士で形見分けについて話し合っておこう
しかし形見分けから外すとはいえ「どうしても故人の身に付けていた宝石が欲しい」という方は多いでしょう。
この場合、相続人同士の遺産分割協議をする前に形見分けをしてしまうと、相続人同士で話し合いができなくなるようなトラブルになる可能性があります。
そこで相続人同士の遺産相続協議で結論を出す前に、誰が何を持つのか話し合い、確定してから形見分けをしましょう。
このように「高価な遺品」「複数の相続人がいる」場合、形見分けをしようにも相続などの問題が絡んでくるため注意が必要です。
ちなみに、相続を放棄した人でも形見分けに参加することは可能です。
ただし金銭価値の高い物を譲り受けると、「相続放棄は認められない」と見なされるケースがあるため、注意しましょう。
こちらの着物の遺品整理について解説した記事でも、「形見分けで着物には相続財産として見なされる可能性もある」ことについて触れています。
ぜひ参考になさってください。
遺品整理で着物が出てきたら?処分方法5つ:買取とリメイクもおすすめ
「何を形見分けしたらいいのか分からない」方は、故人の遺言状やエンディングノートが残っていないのか探してみましょう。
故人が「誰に何を贈りたいのか」形見分けについてリストアップしている可能性があります。
事実、遺品整理をしていると「やっぱりあの品は捨てないほうが良かった」など、後悔する人は多いものです。
少しでも故人の遺志が分かれば、ぜひそれに従いましょう。
故人の希望する形見分けが実現すれば、きっと故人も喜ばれるはずです。
ところで「形見分けをしたくても、物が多すぎて何があるのか分からない」「母の指輪が見つからない」という方もいるでしょう。
こうなると、形見分けするにも負担しか感じません。
こういった方は、ぜひ遺品整理業者に依頼するのもおすすめです。
例えばたんすなどの重い物を運ぶ場合、一人でも運ぶのが大変なのに、年齢が高くなるほど大変になっていきます。
もしそのたんすの裏に、故人が生前なくした指輪などが転がっていたらどうでしょう?
ずっと気付かれないまま放置される可能性があります。
遺品整理業者に依頼すると、遺品整理をする負担も減りますし、何よりも故人の大事にしていた遺品が見つかる可能性も高くなります。
自分で抱え込まず、プロの遺品整理業者に頼って大事な遺品を見つけてはいかがでしょう?
形見分けのマナーについてお伝えしてきました。
最後に、お伝えしてきた内容をまとめましょう。
・形見分けとは「故人と生前親交のあった人に遺品を贈ること」「形見分けは四十九日が明けたころが目安」など
・形見分けは相続税や贈与税が発生する可能性があるため、高価な遺品や有価証券などは贈ってはいけない
・形見分けしたくても物が見つからないなら遺品整理業者を利用するのもおすすめ
形見分けは遺品整理のはじめの一歩です。
形見分けのマナーを守り、トラブルを防ぎましょう。
ここまでお読みいただいた方の中で「形見分けしたいけど物が多くて大変」「大阪で遺品整理お願いできないかな?」など思われた方はいませんか?
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