「母親が亡くなったが、着物が好きだったので遺品整理で着物が大量に出てきた。私は着ないので、処分をどうすればいいのか分からず悩んでいる」
「着物って買取りやリメイクはできるの?」
遺品整理のお仕事をさせていただいていると、故人の方が着られていた着物が出てくることがあります。
洋服とは違い、着物は伝統工芸品ということもあり、安易に処分していいのか悩むところ。
そこで今回は、遺品整理で出てきた着物の「処分方法5つ」「リメイクや形見分けのおすすめ」についてお伝えしていきましょう。
まず遺品整理で出てきた着物の処分方法について、以下の5つにまとめました。
1.お寺や神社にお焚き上げ供養を依頼する
2.買取業者に買い取りやネットオークションやメルカリに出品する
3.民間非営利団体(NPO)法人などの団体に寄付して社会貢献をする
4.ごみとして処分することも可能
5.遺品整理業者にまとめて依頼する
順番に見ていきましょう。
まず着物の処分として、お寺や神社のお焚き上げ供養に依頼する方法があります。
お焚き上げ供養とは、思いや魂がこもっていると考えられている物を、焼いて供養する儀式のこと。
お焚き上げをご存じの方は、人形や写真・手紙・仏具などが思いつくかもしれませんが、基本的にどんな物でも受け付けています。
もちろん、故人の使っていた着物もお焚き上げ供養できます。
インターネットで検索すると、お焚き上げを受け付けてくれる業者もありまし、最寄りのお寺や神社に問い合わせてみるといいでしょう。
料金は大きめ段ボール箱だと約5,000円、小さめだと約1,000円~2,000円といったところ。
過去にお焚き上げについて取り上げた記事もあるので、ぜひ参考になさってください。
遺品整理で大量の写真!残すならアルバム1、2冊、処分はお焚き上げ供養にしよう
買取業者に買い取りや、ネットオークションやメルカリに着物を出品する方法もあります。
後ほど着物のリメイクについてもお伝えしますが、実は着物にはリメイクの需要もあり、リメイク用として古い着物を買う人もいるほど。
一方で着物をリメイクではなく、そのまま「着るもの」として売る場合、残念ながら価値が付きにくくなってきています。
しかし江戸時代の着物や、持ったときに重い着物、生地がやわらかい着物は価値が出るため、それなりに高くなります。
ちなみに着物の価値を見分ける手段として、「証紙」という物があることをご存じでしょうか?
証紙とは、着物の素材や技法、産地などが記載されている、いわゆる証明書のような物。
高級ブランドの着物に付けられているため、見ただけでその着物の価値が分かります。
証紙があるかないかで買取り時に影響するため、証紙のある着物は、買取業者などプロの目利きに見てもらうといいでしょう。
いずれにせよ、売るのはもう一度誰かに使われるため、「捨てるのは忍びない」「少しでもお金にしたい」方にはおすすめの方法です。
3つ目の着物の処分方法は、民間非営利団体(NPO)法人などの団体に寄付をして社会貢献することです。
寄付を受け付けている民間非営利団体(NPO)法人や市民団体を通じて、必要としている人に着物が届けられます。
例えばとある団体では、以下のような取り組みをおこなっています。
・穴やほつれのある着物でも寄付が可能
・着物に限らず帯や草履などの和装雑貨も引き取り可能
・1箱分送るのにつき、1件のポリオ・ワクチン募金をおこなっている
・団体から引き取り便を手配してくれる
しかし中には、寄付された物をそのまま処分したり、海外に横流したりする寄付団体もいます。
故人の大切にしていた着物だからこそ、良心的で信頼できる団体に寄付しましょう。
4つ目の着物を処分する方法は、自治体の定めるごみの日に出すこと。
着物も自治体のルールに従って出せば、布類として資源物として回収、もしくは燃えるごみとして扱われます。
とはいえ、故人の思いが詰まった着物をそのままごみとして出されるのは、やはり悲しく感じるもの。
一番安価で簡単な方法ではあるのですが、遺品整理業者としましても、よく検討されてから出されることをおすすめします。
最後5つ目の着物の処分方法は、遺品整理業者にまとめて依頼することです。
遺品整理業者への依頼は費用が発生しますが、その分、精神的にも肉体的にも負担が軽くなるのが魅力。
以下のような方は、ぜひ遺品整理業者に依頼してみてはいかがでしょう?
・他にも整理すべき遺品がある
・大量に着物があって大変
・普段は仕事で忙しい
・遠方で故人の家に行くのが難しい
ちなみに私の所属する大阪の「クリーンケア」では、お客様にヒアリングシートを書いてもらい、事前に要望を確認させていただいています。
お客様の要望に沿った対応させていただきますので、着物に関する要望もお知らせください。
ここまで着物の処分方法を5つお伝えしてきましたが、着物は遺品の中でも高級品であり、故人の思い入れも強い物です。
処分する前には、遺言書やエンディングノートなどに故人の遺志が分かる物に、着物に関する記述がないか確認しておきましょう。
なぜこういったお話をしているのかというと、生前整理中にとある女性が母親の着物を処分したところ、
「あの着物は好きだったのに」
と、母親を悲しませてしまった例があるためです。
実はこのように、「使わないから」と捨てたものの、後から後悔する方は多いです。
着物を処分する前に故人に対して「どんなふうにしてあげたら喜ぶだろう?」と、立ち止まってよく考えてみましょう。
着物は処分するだけでなく、リメイクや形見分けもできます。
この章では、着物のリメイクや形見分けについてお伝えしていきましょう。
「衣服としては着られないが、着物を捨てるのはもったいない」という方には、着物をリメイクでドレスやバッグに再利用する方法があります。
着物の魅力は、洋服にはない柄や色彩。
その柄や色彩を生かして、ドレスやバッグをはじめスーツやチュニック、かっぽう着にするといった再利用があります。
また絹の着物でリメイクされたワンピースはクリーニング、木綿や麻の着物でリメイクされたパンツなどは洗濯機で洗える、などの特徴があります。
着物をリメイクしてくれる業者もいるため、「着物 リメイク」で調べてみるといいでしょう。
四十九日などの法要の際に、家族や親戚など関係者同士の話し合いをして、着物を形見分けするのもありです。
ただし着物の保管には注意が必要です。
着物のカビや虫食い対策をまとめました。
・着物用の専用のケースに入れる
・ケースに防虫剤(無臭タイプ)を入れる
・除湿剤を入れておく
・着物を包むための紙(たとう紙)には1枚につき着物1枚だけ入れる(2枚着物を入れるとシワができやすく、虫やカビができると2つとも道連れになるため)
ぞんざいな扱いをしたばかりに、カビや虫食いが起こってしまっては元も子もありません。
大事な形見だからこそ、注意して保管しましょう。
衣類は思い入れの強い2点だけ残すのがおすすめ
遺品整理で衣類が多すぎる場合、「2点だけ保管」とお伝えしているのですが、着物も2点だけ残してみてはいかがでしょう?
例えば「家紋が入っている」「生前故人がよく着ていた」などから、虫食いや汚れがないものを残すといいでしょう。
また時間がたち、考え方や趣味が変われば、今は着なくてもいつか「着物を着たい」と思うようになるかもしれません。
自身の変化の可能性を見越して、着物を置いておくのもいかがでしょうか?
形見分けについてはこちらの記事もどうぞ。
遺品整理後の形見分け!注意したいポイント&トラブルケースをご紹介
着物には相続財産として見なされる可能性もあるので注意
ところで着物は相続財産として見なされる可能性があるため、形見分けでは注意が必要です。
そもそも形見分けの対象とは、「換金性が少ない、もしくは全くない物」がほとんどで、大体は相続財産としての対象と見なされません。
しかし、着物の中には1着5万、10万円と価値のある物もあり、相続財産と見なされる可能性があります。
もし高額の着物が混ざっている場合、形見分けを保留して、買取り業者や弁護士などに相談してみるといいでしょう。
参照・参考:国税庁:国税庁 No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法
遺品整理で出てきた着物の処分についてお伝えしてきました。
最後に、お伝えしてきた内容をまとめましょう。
・遺品整理で出てきた着物の処分方法には「お寺や神社にお焚き上げ供養を依頼する」などがある
・着物を処分できないならリメイクや形見分けもある
・形見分けする場合、着物には相続財産として見なされる可能性もあるので注意
着物は伝統工芸品であり、故人の思いが詰まっている可能性の高い遺品です。
後悔しないよう、納得のいく方法で対処しましょう。
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「着物の処分に悩んでいる」方は、ぜひクリーンケアにお知らせください!