遺品整理をするときに、次のような不安を覚える方は多いのではないでしょうか。
「遺品整理をした結果、揉めごとが起きたらどうしよう…」
「遺品整理をしたら相続に影響が出ないか心配…」
「初めてなのでどう進めれば良いのか分からない…」
遺品整理をする機会はそう多くないため、このような不安を感じる方が多いのも無理はありません。
そこで今回は、遺品整理で「相続トラブルを防ぐための注意点」や「揉めごとを防ぐための注意点」「スムーズに進めるための注意点」などをまとめました。
また、業者への依頼を考えている方に向けて「悪質業者にだまされないための注意点」もまとめています。
遺品整理業者として現場でつちかった知見も活かして解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
遺品整理をきっかけに起こる問題のうち、もっとも気をつけたいのが相続や金銭にまつわるトラブルです。
これらのトラブルを防ぐためには、次のような点に注意する必要があります。
遺品整理での相続トラブルを防ぐために、遺言書の有無はしっかりと確認しておきたいところです。
そもそも遺言書とは、故人が遺産相続について自分の意思を示すために残した書面のことを言います。
原則どおりに書かれた遺言書は法的効力を持つため、家族・親族などはその内容に従う必要があります。
もし遺言書を確認せずに遺品の処分や分配をした場合、相続において問題が起こる可能性も否定できません。
遺言書があるか分からないときは、まずは書棚や仏壇、金庫など保管されていそうな場所を探してみましょう。
遺言書は公証役場に保管されている場合もあるため、念のため公証役場にも確認してみると良いでしょう。
なお、遺言書を見つけたときは、家庭裁判所で「検認」という手続きを経てから開封する必要があります。
遺言書を見つけた場合の取り扱い方とは?正しい開封方法と検認手続きを解説
遺品整理を始める前に捨ててはいけないものを把握しておくことで、トラブルが起きる可能性を減らせます。
たとえば、次のようなものは相続や金銭に関わるため捨ててはいけないものにあてはまります。
・現金
・銀行の通帳、カード
・不動産の権利証
・年金手帳
・保険証
・ローンや借金の明細
・貴金属
・美術品、骨董品
・家や車の鍵
これらは書類の間に挟まっていたり分かりにくい場所に保管されていたりするケースも珍しくありません。
いざ遺品整理を始めると物の多さでチェックがあいまいになる場合もあるため、丁寧に整理していくことが大切です。
相続トラブルを防ぐために、相続放棄をする可能性がないか遺品整理を始める前に確認しておくことも大切です。
なぜなら遺品整理をしてしまうと「借金を含めて全ての遺産を相続する意思がある」とみなされる可能性があるからです。
その結果、相続放棄が認められなくなる場合もあります。
相続の対象となる財産は、現金や不動産などのプラスの財産だけに限りません。
ローンや借金などのマイナスの財産も相続の対象となり、相続人が支払い義務を負います。
しかし相続放棄をすれば全ての財産の相続を放棄したり、マイナスの財産のみ相続を放棄したりすることが可能です。
相続放棄の手続きは、故人が亡くなったことを知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申請する必要があります。
とはいえ、借金の存在を確認するために遺品整理が必要なケースがあることも事実です。
そのような場合は、弁護士などの専門家に相談したうえで遺品整理を進めましょう。
遺品整理で借金を発見!相続放棄の方法や注意点は?整理後に気づいた場合は?
トラブルを防止するうえでは、デジタル遺品も忘れずに整理しておきたいところです。
デジタル遺品とは、スマホなどのデジタル機器やネット上に故人が残したデータのことを言います。
故人が残したデータには、次のように相続や金銭に関わるものがたくさんあります。
・ネット銀行のアカウント
・株式やFX、先物、仮想通貨などの取引アカウント
・キャッシュレス決済や電子マネーのアカウント
・音楽配信、動画配信、電子書籍などの有料契約
これらのデジタル遺品の多くは、手続きが必要です。
たとえば銀行口座や証券口座などの残高・保有証券は、相続手続きをしなければ遺族の手元には入りません。
また、動画配信など定期的に課金されるサービスは、遺族が解約しなければ料金の引き落としが続くことになります。
相続の漏れや不要な出費を防ぐためにも、デジタル遺品もしっかりと確認しておきましょう。
相続トラブルや金銭トラブルにまで発展しなくても、遺品整理をきっかけに周囲との揉めごとが発生するケースもあります。
遺品整理での揉めごとを防ぐためには、次のような点に注意する必要があるでしょう。
遺品整理の際に家族・親族どうしの揉めごとが起こるケースは珍しくありません。
よくある揉めごととして、次のようなものがあげられます。
・遺品整理にかかる手間や費用を誰が負担するのかで揉めた
・価値の高い遺品を誰がもらうのかで揉めた
・遺品の分配や処分を勝手に決めたことで揉めた
・生前にもらうと約束していた品物が他の人の手に渡った
これらの原因のほとんどは、話し合い不足によるものです。
一人で勝手に遺品整理を進めず、事前に家族・親族どうしで現状の確認や話し合いをすることが大切と言えます。
家族・親族は相続人である場合も多いため、話し合いは相続トラブルを防止するうえでも重要です。
遺品整理で起こる揉めごとは、家族・親族間だけに限りません。
ご近所や大家さんとの間で、次のようなトラブルが起こるケースもあります。
・ゴミの分別や出し方で注意された
・遺品整理の際の音でクレームが入った
・遺品を運び出すときにマンション共有部などを傷つけた
遺品整理では多くの物を整理する必要があるため、ゴミが大量に発生したり作業時間が長くなったりしがちです。
クレームを防ぐためには事前にゴミの分別ルールを確認し、遅い時間帯に作業しないなどの対策も必要と言えるでしょう。
周囲の方々への配慮も、遺品整理を問題なく進めるうえで重要です。
遺品整理を初めてみたは良いものの、なかなか終わらないケースはよくあります。
遺品整理をスムーズに進めるためには、次のような点に注意することが大切です。
事前に計画を立てておくと、遺品整理をスムーズに進めることが可能です。
遺品整理の計画を立てるうえでは、まず期限を決める必要があります。
遺品整理の期限となるものには、次のようなものがあります。
・マンションなどの退去期限(故人が賃貸住宅に住んでいた場合)
・家の引き渡し日(故人の持ち家を売却する場合)
・相続税の申告期限(故人が亡くなってから10か月以内)
・四十九日や一周忌などの節目
期限が決まったら、次のような作業の役割分担や日取りを決め、必要な期間を割り出しましょう。
1. 必要なものと不要なものを仕分
2. 不要なものを分別、処分
3. 後片付けや清掃
自力で遺品整理を行った場合、上記の作業を終えるまで数ヶ月~半年ほどかかることも珍しくありません。
余裕を持ったスケジュールを設定しておくことをおすすめします。
なお、遺品の量や種類が多い場合は、処分に時間がかかるケースも多いため注意が必要です。
事前に処分方法や収集日なども確認しておきましょう。
遺品整理をするための時間や人手が足りない場合は、遺品整理業者へ依頼するのも一つの手です。
経験豊富な遺品整理業者に依頼すれば次のような作業を全て任せられるうえ、半日~数日で完了することが可能です。
・資材の準備や養生などの前準備
・必要な遺品と不用品の仕分け
・不用品の運び出し、処分
・整理後の片付け、清掃
これらに加えて重要書類や貴重品の探索、遺品の供養や形見分けのお手伝い、遺品の買い取りなどを行っている業者もあります。
当社のように見積もりが無料の業者もあるため、気になる場合は気軽に問い合わせてみることをおすすめします。
遺品整理業者に依頼したいけど悪質な業者にだまされないか不安、という方もいるかもしれません。
たしかに一部の悪質業者による被害が報告されているため不安になるのも無理はありません。
しかし多くの遺品整理業者は、法規制を守り故人・依頼者のことを思って誠実に業務を行っています。
遺品整理業者に依頼するときは次のような点に注意し、優良業者を選んでいただければと思います。
悪質な遺品整理業者を避けるためには、依頼前に業者の連絡先や保有資格を確認しておくことが大切です。
悪質業者は、責任の追及を逃れるために身元を隠す傾向があります。
ホームページやパンフレット、名刺などに会社の所在地・連絡先・代表者名などの情報が記載されていない業者は依頼を見送ったほうが良いかもしれません。
保有資格に関しては、「廃棄物収集運搬許可」や「古物商許可」の資格の資格を持っているかチェックすることをおすすめします。
業者が引き取った不用品を法律にのっとって処分するには、廃棄物収集運搬許可の資格が必要です。
遺品の買い取りを行う場合は古物商許可の資格が必要です。
もし適切に運営されている業者を簡単に知りたいのであれば、遺品整理士認定協会から「優良企業」に認定されている会社を選ぶと良いでしょう。
優良企業の認定は会社として登記され、法規制を守り、悪質なクレームが発生していない業者に与えられます。
注意!悪質な遺品整理業者の5つの特徴とは?優良業者の探し方も解説
遺品整理業者へ依頼するときは、なるべく訪問見積もりを受けることをおすすめします。
遺品整理業者とのトラブルでもっとも多いのは、料金に関するトラブルです。
たとえば作業後に見積もりよりはるかに高額な料金を請求される事例が報告されています。
遺品整理の料金は遺品の量や種類、現場の状況によって変わるため、正確な金額を算出するためには現場確認が必要です。
料金システムに関して不明点がある場合は、必ず契約前に業者へ質問しておきましょう。
誠実な業者であれば、トラブル防止のためにしっかりと説明してくれるはずです。
もし適切な料金相場が分からない場合は、2~3社の見積もりを受けることをおすすめします。
遺品整理業者に依頼するときは、作業当日に立ち会うことをおすすめします。
なぜなら遺品の紛失や盗難といったトラブルは、依頼者の目の届かないところで発生するからです。
立ち会っていれば、万が一トラブルが起こってもすぐに指摘することができます。
とはいえ、立ち合いと言っても終日見張る必要はありません。
作業前と作業後の状態を業者と一緒に確認するのが一般的です。
もし立ち合えない場合は貴重品を自身で保管したり、代理人を立てたりなどの対策をしておくと安心でしょう。
最後にもう一度、「遺品整理の注意点」についておさらいしましょう。
・遺品整理を始める前に遺言書の有無を確認し、捨ててはいけない重要なものも把握しておく
・遺品整理をすると相続放棄が認められなくなる可能性があるため注意
・相続や金銭に関するトラブルを防ぐためには、デジタル遺品の整理も重要
・遺品整理を始める前に家族、親族と話し合い、ご近所や大家さんへの配慮も忘れない
・遺品整理を始める前に明確なスケジュールを立てておくとスムーズ
・業者へ依頼するときは、信頼性を確認したうえで訪問見積もり受けて契約する
遺品整理でのトラブルを防止するためには、以上のような点に気をつける必要があります。
ぜひ事前に確認したうえで、安全・スムーズに遺品整理を進めていただければと思います。
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