年齢を重ねて人生のステージを登っていくと、次第に遺品整理や生前整理というワードを耳にする機会が増えてきます。
整理という単語から片付けが連想できる上に、遺品と生前という差があるためそのタイミングも何となく想像できるという人も多いでしょう。
ここでは定義や両者の違い、そして行う意義を詳しく解説します。
両者で共通しているのは、身辺の物品や家財の整理を行うということです。
まず、生前整理というのは、生きているうちに自分自身で身辺や家財の片付けをすることを指します。
不用品の処分など物理的な片付けから、遺産配分の決定や不動産売却といった大きな金額が動く手続きも含まれています。
似た様な単語に「家財整理」がありますが、違いとしてより本人が死期を意識している色合いが強いことがあげられます。
同じ生前ではあるものの早期に行う場合、「老前整理」と呼ばれることもあります。
そして生前整理の対義語として挙げられるのが、「遺品整理」です。
遺品整理は字のごとく、本人の死後に行われる身辺の片付けを指します。
本人自らではなく、遺族によって遺品や遺産の処理・分配が行われます。
「生前整理」と「遺品整理」の定義の違いとしては、ご本人が亡くなられる前か後かということです。
両者の決定的な違いは、作業する時期です。
遺品整理の場合は本人の死後で、生前整理は本人が存命中の作業となります。
もっと言えば、締め切りに追われるかどうかの差も違いとして挙げられます。
生前整理は自身だけでなく、身内や知人の死に直面した際も始めるきっかけとなり得るため、人によってはかなり余裕を持って始めることもあります。
しかし、遺品整理の場合は生前と違い、遺産相続や賃貸物件の退去日など期日・締め切りが決まっていることも少なくありません。
身の回りの物品の処分に関しても、自宅であれば問題ありませんが賃貸住宅の退去が必要であれば遺品の片付けや運び出しなどに期限が伴います。
どちらもある程度は余裕を持って作業ができるものの、遺品・遺産に関しては一部において明確な期限が決められている事がある点も違いとして挙げられます。
生前整理は本人が自ら処分・処理を行うため、どれをどのように処理・処分するのかを判断しやすいため実にスムーズです。
自身のペースで進めることができる点も、大きなメリットとなります。
一方、遺品整理の場合、たとえ家族であっても他人の物を取り扱う以上取り扱いがわからず作業が停滞するケースが非常に多いです。
どこに何があるのか分からず、どれから手を付けて良いのかも分かりません。
遺品だけに留まらず支払いや引き払い、生前に利用していたサービスの停止手続きなど期日はいつまでなのかという点が分かりにくいことも困難な理由の1つです。
土地の権利や登記など、本人確認書類が必要な手続きを遺族が行う場合、大きく手間がかかる点も生前整理とは違い大変なポイントです。
さらに、遺族は故人を失った悲しみや葬儀などの準備に追われている中、遺品整理も平行して行わなければならないこともよく覚えておいてください。
業者に依頼するメリットとして、速度と確実性が挙げられます。
日頃から遺品の処分・処理業務に携わっているエキスパートであるため、そのスピードは段違いです。
不慣れな一般人とは違い、作業はより短い時間で完了します。
たくさんの経験を積んだスタッフにより、片付けのアドバイスがもらえる点も大きな違いとして挙げられます。
捨てる物を選別するポイントや、遺品の保存や収納をする方法など、プロに相談できるのは嬉しい点です。
遺族が自ら行う場合と違うポイントに、料金が発生する点が挙げられます。
しかし、仮に自分たちで遺品整理を行った場合膨大な日数がかかる作業が、わずか数日で終了するのであれば精神的にも体力的にも負担が軽くなるはずです。
時間の浪費や肉体的負担、そして葬儀後の慌ただしさを軽減できるという大きな違いがあります。
遺品整理と生前整理の違いとして生前に行うという「時期」だけでなく、本人もしくは遺族というように、作業を実行する人にも違いがあります。
遺品整理はとても大変なので、時間の浪費や身体への負担を考えて業者に依頼することをおすすめします。