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お役立ちコラム
敬礼するハートくん

2023.11.24
遺品整理のお役立ちコラム
 

デジタル遺品の整理はどうしたらいい?やるべき理由や注意点も解説

デジタル遺品の整理は、さまざまなトラブルを防止するうえで大切です。

 

とはいえ、デジタル遺品の整理に関して次のような疑問が浮かぶ方も多いのではないでしょうか。

 

「そもそもデジタル遺品とは何?」

「デジタル遺品を整理するべき理由は?」

「具体的に何をすればいいの?」

 

デジタル遺品はスマホやパソコンの中、ネット上などに故人が残したデータのことを言います。

 

今回はデジタル遺品についての基本的な解説から始まり、整理の必要性具体的な手順をお伝えします。

 

長年遺品整理の現場で働いてきた私の経験も活かして解説しますので、ぜひ参考にしてください。

 

デジタル遺品とは?【意味】

 

デジタル遺品とは故人が残したデジタルデータのことを言います。

 

たとえば、次のようなデータはデジタル遺品です。

 

・画像や動画データ

・メールやチャットの履歴

・故人と交友があった人の連絡先

・SNSアカウント

・インターネット口座(ネット銀行、証券口座、FX口座、仮想通貨口座など)

・キャッシュレス決済や電子マネー

・ネットショッピングの決済情報

・音楽配信、動画配信、電子書籍などの有料サービスの契約情報

・ブログやホームページの投稿コンテンツ

 

これらのデジタル遺品はスマートホンやパソコンといったデジタル機器はもちろん、インターネット上などさまざまな場所に保存されています

 

故人によってはUSBメモリやSDカードなどの記録媒体、iCloudなどのクラウドストレージに保存している場合もあるでしょう。

 

これらのデジタル遺品は相続の対象となる財産のため、通常の遺品と同じように大切に取り扱う必要があります。

 

デジタル遺品の整理が大切な理由

デジタル遺品の整理が大切なのは、それが相続の対象であるという理由だけではありません。

 

次のようなトラブルを防止できる点も、デジタル遺品を整理しておくべき理由と言えます。

 

・ネット銀行や証券口座のアカウントにアクセスできず、正確な資産を把握できない

・有料サービスの解約ができず、引き落としが続く

・連絡先データにアクセスできず、訃報の連絡ができない

・故人の写真や動画といった思い出のデータを残せない

・個人情報やクレジットカード情報が流出する

・故人のSNSやブログが悪用される

 

このように、デジタル遺品を整理しなければ相続手続きに問題が出る可能性があるほか、有料契約の支払いが続くなど金銭的に損をする可能性もあります。

 

また、個人情報が流出することで第三者が故人になりすまし、遺族はもちろん故人と交友があった人を犯罪に巻き込むリスクもあります。

 

デジタル遺品の整理はどうしたらいい?【やること】

 

デジタル遺品の整理が大切とはいえ、具体的に何をすれば良いのか分からない方も多いかもしれません。

 

そのような場合は、次のような手順でデジタル遺品を確認、整理していきましょう。

 

端末のロックを解除する

故人が使っていたスマホやパソコンには重要なデータが多く保存されているため、優先して確認する必要があります。

 

とはいえ、これらの端末にパスワードロックがかけられている場合、解除しないと保存されたデータを見ることができません。

 

設定されているパスワードが分からないときは、次のような方法で解除を試みるのが一般的です。

 

・パスワードを記したメモを探す

・パスワードを推測して入力する

・パスワード解析ソフトを利用する

・パスワード解除業者に依頼する

 

故人が各種のパスワードをメモしているケースは意外に多いため、まずはメモを探してみましょう。

 

故人が好きだった数字や誕生日、記念日などからパスワードを推測できる場合もあります。

 

パスワード解析ソフトや解除業者に関しては信頼性やリスクの見極めが難しいため、知識がある方にのみおすすめの方法です。

 

故人のパソコン・スマホのパスワード解除方法5選|デジタル遺品の整理

パスワード入力

 

端末内やネット上のデータを確認

端末のロックが解除できたら、次は端末内やネット上に保存されたデータを確認していきます。

 

この際、金銭に関わるものから優先的に確認していくと良いでしょう。

 

たとえば次のようなものを優先的に把握しておくと、相続トラブルや金銭トラブルを防止できます。

 

・ネット銀行のアカウント

・株式やFX、先物、仮想通貨などの取引アカウント

・キャッシュレス決済や電子マネーのアカウント

・動画配信などの有料契約

 

故人のスマホやパソコンのロックが解除できなくても、各種の書類を確認すればこれらの存在を把握できる可能性もあります。

 

また、ネット銀行や証券口座などは、遺族であることが証明できればパスワードが分からなくても保有資産を把握することは可能です。

 

しかしスマホやパソコンのロックを解除できたほうが、スムーズに進む場合も多いでしょう。

 

なぜならID・パスワードの自動入力機能によって、これらのアカウントに簡単にアクセスできる場合もあるからです。

 

また、端末内に保存されたメールの履歴をさかのぼることで、故人が保有している口座や契約しているサービスを把握できるケースもあります。

 

遺品整理で故人の銀行口座手続きの流れを解説!凍結から解約、相続まで

通帳と印鑑

 

解約や相続の手続き

金銭に関わるデータは、確認するだけではなく手続きが必要なこともあります。

 

たとえば動画配信など定期的に課金されるサービスは、遺族が解約しなければ料金の引き落としが続きます

 

また、銀行口座や証券口座などの残高・保有証券は、相続手続きをしなければ遺族のものにすることはできません

 

これらのサービスや口座はそれぞれ規約が異なるため、実際の手続き方法は担当窓口に問い合わせる必要があります。

 

時間や手間はかかりますが、金銭に関わるものは一つずつ慎重に手続きを進めていきましょう。

 

【デジタル遺品のサブスク管理】故人のサブスクアカウントをどう処理するべきか?

ノートパソコンを操作する女性

 

データの削除やバックアップ

デジタル遺品を整理するうえでは、個人情報や決済情報などの重要なデータが流出しないように削除しておくことも大切です。

 

もしクレジットカード情報や個人情報が流出した場合、金銭的な被害やなりすまし犯罪の被害にあう可能性もあります。

 

これらのデータを削除するには、関連するデータを端末内から削除したり、情報が登録されたアカウントを停止したりすることで対応できます。

 

SNSに関してもアカウントを削除するか、追悼アカウントに変更するかなどしておいたほうが良いでしょう。

 

近年、使われなくなったSNSアカウントが犯罪に使われる事件も発生しているためです。

 

なお、一度消去したデータは復元が難しい場合も多いため、残したいデータはバックアップをとっておくことをおすすめします。

 

スマホやパソコン本体の耐用年数はそれほど長くはないため、印刷するか別の場所に保存するかなどしておくと安心です。

 

デジタル終活はSNSにも必要!手順や方法・アカウント放置のリスクについて紹介

SNS

 

通信契約の解除

スマホなどの通信契約は契約者が亡くなったあとも料金の引き落としが続くため、解約するのが一般的です。

 

ほとんどの通信会社では、契約者の遺族であれば解約することが可能です。

 

ただし、一旦解約すると電話番号に紐づいたサービスが利用できなくなる点には注意が必要と言えます。

 

たとえばLINEなどのSNSやQR決済のアカウントは、電話番号に紐付いているケースがほとんどです。

 

それらを確認せずに解約すると、SNSでしか繋がっていない人と連絡が取れなくなったり、QR決済の残高を相続できなくなったりする可能性もあります。

 

解約は各種の連絡や手続きなどが終わったあとにしておくと失敗がないでしょう。

 

デジタル遺品を整理するときの注意点【トラブル防止】

 

なかにはデジタル遺品を整理することでトラブルが起こる場合もあります。

 

そういったトラブルを防止するためにも、デジタル遺品を整理するときは次のような点に気をつけましょう。

 

他の相続人の同意を得る

相続人が複数いる場合は、他の相続人の同意を得てからロック解除やデータ確認をする必要があります。

 

なぜならスマホやパソコンなどの機器本体はもちろん、保存されているデータも相続の対象となる遺品だからです。

 

これらのデジタル遺品は、遺言などでの指定がないかぎり原則として法定相続人が所有権を得ることになります。

 

そのため各データや機器を誰が所有したり管理したりするのかが決まるまでは、慎重に取り扱うことをおすすめします。

 

他の相続人に黙ってデータを確認したり相続人以外の人がデータを確認したりすることは、相続トラブルにつながる恐れがあるため注意が必要です。

 

むやみにパスワードを打ち込まない

故人が使っていたスマホやパソコンのロックを解除するときは、むやみにパスワードを打ち込まないようにしましょう。

 

なぜなら機器の設定によっては、何度もパスワードをまちがえると一定期間操作できなくなる可能性があるからです。

 

とくにスマホのセキュリティは厳しく、iPhoneの場合は10回パスワードをまちがえると初期化される設定になっている場合もあります。

 

パスワードが分からないときの対処方法として最もリスクが少ないのは、各種のパスワードがメモされたものを探す方法です。

 

必ずあるとは限りませんが、故人がどこかにIDやパスワードをメモしているケースは意外に多くあります。

 

実際に私が遺品整理をした現場でも、そのようなメモが見つかったケースもあります。

 

もし遺品整理業者に依頼する場合は、そういったメモの探索なども整理作業と同時に進めてもらうと良いでしょう。

 

デジタル機器は初期化してから処分する

故人が使っていたスマホやパソコンは、必ず初期化をしてから処分または売却しましょう。

 

なぜならデータを残して処分・売却した場合、個人情報の漏えいや悪用が起こる可能性があるからです。

 

そもそも初期化とは、スマホやパソコン内に保存されたデータを全て消去し、工場から出荷されたときの状態に戻すことを言います。

 

スマホの場合、設定メニューなどから「データの初期化」や「工場出荷状態に戻す」といった項目を選べば初期化することが可能です。

 

とはいえ機器の種類や触る人の技術によっては、初期化してもデータを復元できるケースもあります。

 

そのため機器を売却する場合などは、信頼できる業者に任せることが大切です。

 

デジタル遺品の整理で相続トラブルや犯罪被害を防ごう【まとめ】

 

最後にもう一度、「デジタル遺品の整理」についておさらいしましょう。

 

・デジタル遺品とはスマホやパソコン内、ネット上などに故人が残したデータのことを言う

・デジタル遺品を整理することで、相続トラブルや金銭トラブルを防止できる

・相続や金銭に関わるデータから優先的に確認していくと良い

・端末のパスワードを何度もまちがえると、データを確認できなくなるリスクがあるため注意

・情報漏えいを防ぐために不要なデータは消去し、初期化してから機器を処分することが大切

 

今回紹介したように、デジタル遺品を整理することでさまざまなトラブルを防止することができます。

 

一般的な遺品と同じように、デジタル遺品もしっかりと確認したうえで整理していきましょう。

 

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