遺品整理の際に、部屋のお祓い(おはらい)が必要なのか疑問に思っている方もいるかもしれません。
遺品整理業者として働く私のもとにも、実際に次のような質問がよく寄せられます。
「どのような場合にお祓いをしたほうがいいのか?」
「お祓いをする意味は?」
「お祓いと供養の違いは?」
じつは遺品整理でお祓いをするケースはそれほど多くありません。しかし、遺品供養はよく行われています。
今回は「遺品整理の際に部屋のお祓いが必要なケース」や「お祓いをする理由」を紹介します。
遺品供養やお祓いの依頼方法についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
遺品整理の際は、部屋のお祓いを必ず行うわけではありません。むしろお祓いをしないケースのほうが多いと言えます。
しかし次のような特殊な理由で故人が亡くなられた場合、部屋のお祓いをすることがあります。
・孤独死
・自殺
・火災
・殺人事件
・その他事件、事故
このような理由で故人が亡くなられた場合、ご遺族・関係者には悲しみや不安がつのります。
お祓いはそのよう悲しみを受け止めて整理したり、不安を緩和したりするために行われるケースが多いと言えるでしょう。
いっぽうで天寿をまっとうされた場合など、故人も遺族も納得したうえで亡くなられた場合、お祓いするケースはまれです。
先ほどもお伝えしたとおり、故人が特殊な理由で亡くなられたケースでは部屋のお祓いをすることがあります。
その理由は、お祓いに次のような意味・効果があるためです。
故人が孤独死された場合や事件・事故で亡くなられた場合、遺族が気持ちを整理するためにお祓いをすることがあります。
お祓いは、神道において穢れ(けがれ)や災厄を取り除くために行われる儀式です。
部屋の穢れを取り除くことはもちろん、そこには遺族の穢れを取り除くという意味合いも含まれます。
神道で言う穢れには、「気枯れ」つまり「元気がない状態」という意味もあります。
つまり、遺族の悲しみを和らげるためにお祓いをする場合もあるのです。
お祓いなど気休めだと言われることもありますが、家族・親族にとっては気持ちの整理をつけるきっかけになる場合がよくあります。
ご近所や大家さんの不安をぬぐうために、部屋のお祓いをするケースも多くあります。
故人が孤独死されたり自殺で亡くなられたりした場合、不吉だと感じる周辺住民もいます。
賃貸住宅の場合は、大家さんや管理人さんなども不安を感じるでしょう。
遺族が気にしていない場合でも、そういった方々の気持ちに配慮してお祓いをするケースは多いものです。
お祓いに限らず、周囲の方々の気持ちに配慮することは遺品整理でのトラブルを防止するうえで大切と言えます。
事故物件を賃貸や売却に出す場合、その事実を借り手・買い手に伝えなければいけません。
これを「告知義務」と言い、国土交通省が発表した不動産取引のガイドラインにも記載されています。
事故物件にあたるのは、殺人や火災、自殺があった場合などです。また、孤独死されて発見まで時間がかかった場合も事故物件にあたります。
いっぽうで病死や老衰、すぐに発見された孤独死などについては事故物件にあたらないとされています。
とはいえ事故物件を告知する義務はあっても、お祓いをする義務はありません。
それでもお祓いをするのは、事故物件であることを告知したときに「お祓いや供養が済んでいるか」を気にする借り手・買い手が多いからです。
そのときに「お祓いをしている」と答えたほうが、契約がまとまりやすくなります。
神社によってはお祓いの証明書を発行してくれるところもあるため、お祓いをした事実を相手に示すことも可能です。
参考:宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン - 国土交通省
遺品整理において部屋のお祓いをするケースはまれですが、遺品を供養するのは一般的です。
お祓いと供養の違いや、遺品供養をする意味は次のとおりです。
そもそも「お祓い」は神道にしかない儀式で、神主などの神職者によって行われます。
お祓いには、穢れや災いなどの不浄なものを取り除くという意味があります。
それに対して「供養」は仏教でも神道でも行われる儀式で、故人の冥福を祈る(故人があの世でも幸せに暮らせるように祈る)意味があります。
たとえば法要でお坊さんにお経を唱えてもらったり、お墓にお供え物をしたりするのは供養にあたります。
遺品整理の現場では、お祓いは部屋や家などの場所、供養は故人の遺品などの物を対象にするのが一般的です。
遺品整理において遺品の供養は多く行われています。
そこには故人の冥福を祈る意味はもちろん、物へ感謝の気持ちを示す意味もあります。
太古の昔から日本では、あらゆるものに魂や思いが宿るとされてきました。
そのため、大切にしている物を処分するときも供養を行ってきた歴史があります。
たとえば寺社で「もの供養」「人形供養」などがよく行われているのは良い例でしょう。
そのようなことを考えれば、遺品整理において故人の思いが宿る遺品を供養するのは自然なことだと言えます。
実際に、当社でも引き取った遺品は供養をさせて頂いています。
供養の方法は、読経をしたりお焚き上げをしたりする場合がほとんどです。
お焚き上げは、神道において「品物を天に還す」、仏教において「品物を故人に返す」という意味があります。
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遺品整理で部屋のお祓いをしたい場合、どこにどうやって依頼するべきか知らない方は多いかもしれません。
お祓いの依頼先や頼み方は、次のとおりです。
部屋をお祓いする方法としてまずあげられるのが、神社への依頼です。
神社に直接依頼するメリットは、好きな神社を選べる点にあります。
お祓いを頼む神社は近所から探しても良いですし、インターネットで探すこともできます。
ただし、準備に手間や時間がかかる点はデメリットと言えるかもしれません。
問い合わせから日程調整、準備まですべて自分でこなす必要があります。
また、料金についても明確な相場がないため、初めて依頼する場合はとまどう可能性もあるでしょう。
金額が決まっている神社もあれば、「お気持ちで」と曖昧におっしゃる神社もあります。
金額が分からない場合は、「みなさんどれくらい包まれてるのでしょうか」と聞いてみましょう。
正確に言うと、お寺にお祓いを依頼することはできません。なぜなら、お祓いは神道の儀式だからです。
しかし「加持祈祷(かじきとう)」や「厄払い」などの儀式をお寺に依頼することは可能です。
これらは病気や災難などをはらうための儀式とされています。
遺品整理の現場ではお祓いをするケースが多いのですが、宗教の関係で仏式にこだわる場合はお寺に相談すると良いでしょう。
遺品整理業者のなかには、部屋のお祓いを依頼できる業者もあります。
この場合、自分で神社やお寺を選ぶことはできません。
しかし業者が付き合いのある神社などに依頼してくれるため、やりとりや準備の手間がかからない点はメリットと言えます。
また、料金相場についても業者が把握しているので「お気持ちで」などと言われる心配もありません。
もし遺品整理業者に依頼する予定がある場合は、問い合わせ時にお祓いについても確認してみると良いでしょう。
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最後にもう一度、「遺品整理での部屋のお祓い」についておさらいしましょう。
・孤独死や自殺、事件などの理由で亡くなられた場合、部屋のお祓いをすることが多い
・遺族の気持ちを整理するために部屋のお祓いをすることもある
・ご近所や大家さん、家の買い手・借り手のためにお祓いをするケースもある
・遺品整理でお祓いをするケースは少ないが、遺品の供養をするのは一般的
・お祓いは穢れを取り除き、供養は故人の冥福を祈るための儀式
・部屋のお祓いは神社の他、遺品整理業者にも依頼することができる
遺品整理でお祓いをするのは、遺族や関係者の気持ちを整えるためでもあります。
不安や悲しい気持ちがある場合は、お祓いや供養で気持ちを整理しながら遺品整理を進めてみてはいかがでしょうか。
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