終活という言葉が一般的になった今、新たに「老前整理」という言葉が広まりつつあります。
とはいえ、次のような疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。
「老前整理と生前整理の違いは?」
「いつから始めるべき?」
「具体的に何をすればいい?」
今回は老前整理の「意味」や「メリット」「始めるタイミング」「進め方」について紹介します。
将来を見越して何かしておきたいけど、生前整理はまだ早いような気がする。そういった方に老前整理は最適です。
プロとして老前整理のお手伝いをしている私の知見もまじえて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
老前整理とは、文字どおり老いる前に身の回りのものを整理することです。
この先少しずつ衰えていくことを見越し、元気なうちから環境を整えておくことが目的と言えます。
老前整理と似た言葉として「生前整理」というものがありますが、この2つは誰のために行うかという点で異なります。
生前整理は、自分が他界したあとの家族の負担を減らす意味合いが強いものです。対して老前整理は、自分が快適な生活を送るために行います。
なお、老前整理と「断捨離」がセットで語られることが多い理由は、老前整理で主となる作業が物の片付けだからです。
老前整理をとおして断捨離をすれば、物への執着を手放せ、自分の価値観を見つめ直すきっかけにもなります。
断捨離のすごい効果7つ!簡単にできるコツ・物の処分ルールも紹介!
老前整理は元気なうちから始めることが大切です。
具体的に、次のようなタイミングは老前整理を始めるのに最適と言えます。
年齢的なタイミングで言えば、40代~50代は老前整理の好機と言えるでしょう。
なぜなら40代~50代にもなると老後の生活を想像しやすくなるうえ、整理をするための体力・判断力もそれほど衰えてはいないからです。
もし60代以降で整理を始めた場合は、年齢的に自分が他界した後のことも考えるようになるので生前整理の意味合いが強くなってきます。
とはいえ老前整理も生前整理も、将来を見越して環境を整えるという点は共通しています。
これからの人生を充実させるためにも、年齢に応じてやるべきことを考えていくことが大切です。
60代になったら生前整理を始めよう|60代で始めるメリットとやっておきたいことを解説
40代~50代であっても、老前整理を始めるきっかけがない方は多いかもしれません。
実は多くの人は、次のようなきっかけで老前整理を始めています。
・子どもが独立した
・早期退職が決まった
・自分や配偶者が病気、ケガをした
・知人や友人から老後の苦労話を聞いた
これらの出来事がおこると、自然にこれから先の生活に思いを巡らせるようになるものです。
老前整理の動機が、子育てが終わった達成感であっても、漠然とした将来への不安であってもかまいません。
少しでも快適・安心な生活を実現したいという思いがあれば、老前整理を行う意味はあります。
老前整理をすべきタイミングが分かったとしても、具体的なメリットが分からなければ手を付けられないという方もいるかもしれません。
実は老前整理には、次のような多くのメリットがあります。
60代、70代と歳をとるごとに、筋力は低下し関節の可動域も狭くなりがちです。
そのような状態になってから物の整理を始めると、疲れやすかったり、身体を痛めるリスクが高まったりします。
しかし40代~50代もしくはそれ以前の早い時期から老前整理をしておけば、身体にかかる負担ははるかに少なくて済みます。
結果として作業もはかどりやすく、精神的にも楽に進めることが可能です。
年齢を重ねると身体が動かしづらくなり、つまずいたり転倒したりしてケガをする可能性が高まります。
しかし老前整理で家の中の物を整理しておけば、そういった危険を減らせます。
また、物が整理されることで導線が確保できることも大きなメリットです。
結果として地震や火災が起きたときの避難ルートを確保できるうえ、日々の生活も快適になります。
老前整理をすれば、物にかかる無駄な出費を減らせます。
なぜなら老前整理をする過程で、自分の持ち物を把握することになるからです。
すでに持っている物が把握できれば、それらと似た物を買わなくて済みます。
また、メンテナンスやクリーニングが必要な物を減らすことで、物の維持費を節約することも可能です。
老前整理は自分のために行うものですが、結果的に家族の負担を減らすことにもつながります。
若いうちは自分に万が一の事態が起きるとは想像できないものです。
しかし、そのときがいつやって来るのかは誰にも分かりません。
この先、突然亡くなったとしても、物が整理されていれば家族が遺品整理をするときの負担が減ります。
とくに貴重品や重要書類などは、相続トラブルを避けるうえでも整理しておくことが重要です。
老前整理でメインとなる作業は、物の整理です。
とはいえ、どうやって進めれば良いのか分からない方もいるかもしれません。
ここでは老前整理における物の整理方法やコツを紹介します。
まずは、物を「必要」「不要」に仕分けていきます。
「不要」に分類した物は後から処分することになりますが、かならず使う物だけを残すのがコツです。
もったいないという意識から捨てられない場合もあるかもしれませんが、それでは物が減りません。
「この先使うかもしれない」という程度であれば、「不要」に分類することをおすすめします。
どうしても迷う物は、1年ほどの期限を設けて保留しておくのも手です。
期限がきて一度も使っていなかった物は、処分しても困る可能性が低いでしょう。
続いて、「不要」に仕分けした物を処分していきます。
コツは、大型の家具や家電など目立つ物から処分することです。
なぜなら大型の物が置かれていたスペースが空くと、整理した実感が湧き、モチベーションも上がりやすくなるからです。
また、早めに大きな物を捨てておくことで、老齢になってから重いものを持ち上げなくて済むというメリットもあります。
物の処分方法は次のようにさまざまな方法があるので、かけられる手間や費用に応じて決めましょう。
・自治体の回収に出す(燃えるゴミ・粗大ゴミなど)
・家電リサイクルに出す(冷蔵庫、洗濯機、テレビ、エアコンなどの場合)
・不用品回収業者にまとめて回収してもらう
もっとも費用がかららない処分方法は、自治体の回収へ出すことです。
手間をかけたくなければ、業者にまとめて回収してもらう方法もあります。
なお、冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコンなどの家電はリサイクルが義務付けられているので処分方法には注意しましょう。
物を処分できたら次は、安全・快適な生活が送れるように物の置き場所を整えます。
このとき物の落下による事故を防ぐために、高い場所へ物を置かないことが大切です。
また、つまずかないように床に物を置かないことも大切です。
小物の置き場所を決めるときは、よく使う物ほど取り出しやすい場所へ置くようにすると良いでしょう。
そうすることで散らかりにくくなり、生活も便利になります。
忙しくて老前整理をする余裕がない、という場合は私たちのような遺品整理業者へ依頼するのも一つの方法です。
遺品整理業者なら物の仕分けはもちろん、不用品の搬出や処分、物の配置換えまで全て任せられます。
そのうえ1日~数日の短期間で作業が完了するため、時間がない方にもおすすめです。
遺品整理業者では遺品整理・生前整理も行っているので、老後の生活を見越した整理は得意分野です。
片付けが苦手だったり、不用品の処分方法が分からなかったりして作業がはかどらない場合も、一度相談してみることをおすすめしあす。
遺品整理と不用品回収の違いは?作業内容・サービス・業者の選び方
老前整理には多くのメリットがありますが、わずかながら注意点も存在します。
次のような点には気をつけて、作業を進めましょう。
老前整理でよくあるトラブルが、家族の物を勝手に処分したことによるケンカや言い争いです。
子どもや配偶者の物を処分する場合は、必ず了承を得てからにしましょう。
老前整理の目的は、安心・快適なセカンドライフを実現すること。
安心して生活を送るうえでは、家族と良い関係を維持していくことも大切です。
老前整理を始めたものの、中途半端に終わらせてしまう方は多くいらっしゃいます。
その原因のほとんどは、一度ですべてを終わらせようとする取り組み方です。
長年住んだ家の中には、ご自身が想像しているよりも大量の物が存在しています。
そのため一度に片付けようとすると、体力的にも気力的にも続かないのが普通です。
このような状態に陥らないためには、あらかじめスケジュールを組んで計画的に進めることが大切です。
たとえば場所ごとに区切り、今週はリビング・来週は寝室などと分けて進めていくのも良い方法です。
もしまとめて終わらせたいと考えた場合は、無理をせずに業者の利用も検討してみましょう。
最後にもう一度、「老前整理」についておさらいしましょう。
・老前整理とは、老いる前に身の回りのものを整理すること
・老前整理の好機は40代~50代で、子どもが独立したときや将来への不安を感じたときに始める人が多い
・元気なうちから老前整理をしておけば安心して老後の生活を送れ、無駄な出費も防げる
・老前整理をすることで、万が一の場合の家族の負担も減らせる
・老前整理をするときは、物を仕分けしたあとに処分していくとスムーズ
・老前整理は計画的に進め、家族の物は了承を得てから処分することが大切
快適・安心なセカンドライフを送りたいという方は、ぜひ老前整理に取り組んでいただければと思います。
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