宝石は処分方法に困ってしまう遺品の一つです。
遺品整理業者として働く私のもとにも、次のような相談が寄せられることがあります。
「遺品の宝石って高く売れるの?」
「売ることに抵抗がある場合はどう処分すればいい?」
「勝手に処分しても相続上の問題は起きない?」
実は遺品の宝石であっても、高い査定価格がつくことはよくあります。
しかし何も考えずに売ってしまうと後から後悔したり、相続トラブルにつながったりするケースも少なくありません。
今回は「遺品の宝石を売るべきかどうかの判断基準」や「買取してくれる業者」「処分する際の注意点」について解説します。
故人が大切にしていた宝石を良い方法で処分できるよう、ぜひ参考にしてください。
目次
遺品整理で出た宝石の処分方法は、売って手放す方法とそれ以外の方法に分けられます。
とはいえ宝石は故人が大切にしていた場合も多いため、売って良いものか悩む方も多いのではないでしょうか。
そういった場合は、次のような基準で売るべきか判断することをおすすめします。
・高い値段がつくかどうか
・手放しても後悔しないか
・処分しても相続上問題はないか
故人の宝石がダイヤモンドやルビー、サファイア、エメラルドなど希少価値の高いものであれば、遺品であっても買取価格が高くなる可能性は十分にあります。
鑑定書・鑑別書・保証書などが付属していて、汚れや傷がない場合はより高い査定結果が出るでしょう。
しかし一度売ると戻ってこないため、手放しても後悔しないかという点を考えることも大切です。
また、故人の宝石は相続の対象となる遺品なので、処分することで相続に与える影響も考える必要があります。
遺品整理で出た宝石を現金化したいと思った場合、売却先は複数あります。
それぞれメリット・デメリットがあるので、納得のいく売り方を選びましょう。
宝石の価値をくわしく査定してもらいたい場合は、専門知識を持っている業者が適切です。
幅広い品種を買取している店もありますが、宝石や貴金属を専門とする買取業者に依頼したほうが正確な査定が期待できるでしょう。
ただしこういった専門業者では、すべての宝石を買取しているわけではありません。
市場価値が低い物や状態が悪い物は、買取してもらえない場合もあります。
また、一部に悪質な業者もいるため注意が必要です。
宝石の買取再販は利益率の高いビジネスのため、相手の無知を利用して買い叩こうとする業者もあります。
価値がまったく分からない場合は複数の業者に査定を依頼し、比較すると安心でしょう。
それほど高価ではない宝石や価値が明らかな宝石は、リサイクルショップに持ち込む方法もあります。
この方法のメリットは、宝石以外の遺品もまとめて処分できる点にあるでしょう。
大手のリサイクルショップでは、宝石や貴金属の他にも衣類や家電、日用品などさまざま物を買取しています。
ただし宝石専門ではないため、査定を担当する店員に知識がなくて低い価格をつけられる可能性もゼロではありません。
おおよその価値が分かる場合に適切な方法と言えます。
安価な宝石であれば、ネットオークション・フリマアプリに出品してみるのも一つの手です。
あまり需要がない物でも、ネット上で相場以上の価格がつくことはよくあります。
ただし早く現金化したい場合はおすすめできない方法です。
なぜならネットオークション・フリマアプリでは、出品から売れるまでにある程度の時間がかかるからです。
また、値付けから出品登録、発送作業にいたるまですべて自分で行う必要があるため手間もかかります。
遺品整理と宝石の売却を同時に済ませたい場合は、遺品整理業者に依頼する方法もあります。
買取に対応している遺品整理業者であれば、遺品の整理と買取査定を同時に依頼することが可能です。
また、遺品整理の作業と並行して貴重品の捜索を依頼できる業者も多く、宝石や貴金属の保管場所が分からないという場合にも利用できます。
遺品が多くて整理が大変だという方は、当社のような遺品整理業者への依頼も検討してみてください。
遺品整理業者であれば、遺品の仕分けから処分、作業後の簡単な清掃まで全てを任せられます。
作業も1日~数日で完了するため、遺品整理に労力や時間をかけられない場合にもおすすめです。
遺品整理と不用品回収の違いは?作業内容・サービス・業者の選び方
遺品の宝石を売ることに抵抗がある、という方もいるかもしれません。
そういった場合は次のような方法で手元に残したり、有効活用したりすることが可能です。
宝石の使い道が見つからなかったり、手元に置いておきたいと考えたりした場合は、そのまま保管しておいても良いでしょう。
ただし宝石の種類によってはデリケートな性質があるため、保管方法には気をつける必要があります。
油分などの汚れを取り除いたうえで、直射日光を避け、温度変化の少ない場所に保管しましょう。
環境の変化を少なくすることで劣化を防ぐことができます。
また、複数のジュエリーがある場合は1点ずつ保管することが大切です。宝石同士がぶつかって傷つくことを避けられます。
宝石のデザインが好みではない場合は、リメイクして身につけるのも一つの方法です。
ジュエリーのリフォームを専門とした業者に加工を依頼すれば、現代風のデザインに変えたり指輪からネックレスへと形を変えたりできます。
デザインも豊富なパターンから選べる場合が多く、おそらくご自身の好みのテイストに変えることができるでしょう。
ただし、ある程度の料金がかかる点は覚悟しておく必要があります。
オーダーメイドになるため、くわしい料金を知るには一度見積もりをとる必要があるでしょう。
ご自身の手元に宝石を置いておけない場合は、故人と親しかった人に形見分けする方法もあります。
親戚や知人などにあたってみれば、欲しい人が見つかるかもしれません。
故人が大切にしていた宝石であれば、きっと喜ばれることでしょう。
ただし価値があるものだからと無理に押し付けるのは禁物です。
故人の持ち物をもらうことで、より悲しみが深まってしまう方もいます。
形見として譲る前に、必ず相手にうかがっておきましょう。
ここまでに遺品の宝石の処分方法を紹介してきましたが、相続トラブルを防ぐうえで気をつけるべき点がいくつかあります。
早まって処分して問題が起きないよう、事前に次のようなポイントを確認しておくことが大切です。
故人の宝石を手放すときは、事前に他の相続人と相談しておきましょう。
なぜなら故人が所有していた物は、基本的に遺産分割の対象となるからです。
遺産の分け方は、相続人としての順位や遺言の内容、相続人どうしの話し合い(協議)によって決まるのが一般的です。
宝石を売却した場合の代金も、遺産として分配するのか決めておく必要があります。
もし、それらの確認や話し合いを経ずに勝手に宝石を処分した場合、後々のトラブルにつながりかねません。
どのような処分方法であれ、事前に話し合っておくことが大切です。
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相続放棄をする予定があるなら、宝石をはじめとした遺品の処分はひとまず保留しましょう。
なぜなら相続放棄が確定する前に市場価値のある遺品を処分すると、単純承認になってしまう可能性があるからです。
単純承認とは法律用語で、相続する意思があると認めることを言います。
もし単純承認になると、故人に借金があったことが判明しても相続放棄ができなくなります。
そのため借金などマイナスの財産も含めて故人の全財産を把握したあとに、遺品を処分することをおすすめします。
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最後にもう一度、「宝石の遺品整理」についておさらいしましょう。
・遺品の宝石の処分方法は売却とそれ以外に分けられる
・希少価値の高い宝石や、鑑定書・鑑別書・保証書などが付属している宝石は高い値段がつきやすい
・売却先としては、「買取専門業者」「リサイクルショップ」「ネットオークション・フリマアプリ」「遺品整理業者」などがある
・売る以外の処分方法としては、「そのまま保管」「リメイク」「形見分け」などがある
・宝石にかぎらず遺品を処分するときは、遺産分割や相続放棄について確認しておくことが大切
今回紹介したように、宝石の遺品整理には多くの選択肢があります。
故人が大切にされていた宝石ならなおさら、納得のいく方法で処分していただければと想います。
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