デジタル終活とは、ご自身が亡くなったときに備え、デジタル機器やネット上に保存されているデータの処理方法を考えておくことです。
このデジタル終活に関して、次のような疑問がある方もいるのではないでしょうか。
「どんなメリットがあるの?」
「具体的に何をするの?」
「手順や注意点は?」
日頃からデジタルデータを扱う機会が多い現代人にとって、デジタル終活はもはや必須といえます。
今回は、「デジタル終活の内容・メリット」や「デジタル終活の進め方・注意点」などについて解説します。
専門業者として生前整理のお手伝いをしている私が分かりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
冒頭でもお伝えしたとおり、デジタル終活とは、さまざまなデータを生前から整理しておくことをいいます。
一口にデータといっても、パソコンやスマートフォン、クラウド上に保存されているデータはもちろん、インターネット上の登録情報も含まれます。
たとえば画像や動画、作成した資料などはデジタル終活で整理を行うべきデータです。
また、各サービスやSNSなどの登録情報もデジタル終活の対象となります。
もしあなたが亡くなった場合、これらのデータ・情報は「デジタル遺品」として、遺族が整理しなければいけません。
しかし本人でなければ知り得ない情報も多いため、デジタル遺品の整理が難航するケースは多々あります。
そこで遺族に負担をかけないためにデータ・情報も生前から整理しておこう、というのがデジタル終活なのです。
そもそも終活とは、残された人生を充実させ、遺される家族の負担を減らすために行われるもの。
物だけではなくデータや情報も整理して、思い残すことなく健やかな気持ちでセカンドライフを送りましょう。
デジタル遺品をわかりやすく解説します【トラブルもあるので注意】
もしかすると、デジタル終活にそれほどの必要性を感じない方もいるかもしれません。
しかし、デジタル終活には次のようなメリットがあるため、ぜひ取り組むことをおすすめします。
デジタル終活を行ってデータを整理したり、死後のデータの取り扱い方法を家族に伝えておいたりすれば、重要な情報の流出を防げます。
デジタル機器の中やインターネット上には、さまざまなデータが保存されています。
クレジットカード情報や住所のような個人情報はもちろん、会社の機密情報を保存している方もいるかもしれません。
これらの情報が流出した場合、誰かのプライバシーが侵されたり、損害を与えたりする可能性があります。
また、各種のパスワードなどが流出すれば、各サービスのアカウントが悪用されて遺族が困る可能性もあるでしょう。
実際に故人のSNSのアカウントが乗っ取られて情報が盗まれたり、犯罪行為に利用されたりした事例もあります。
亡くなったあとにこれらの情報を管理することは不可能なため、生前から準備・対策をしておくことが大切です。
デジタル終活を行っておくと、遺族の金銭トラブルを防げます。
もしご自身に何かあった場合、遺された家族は遺産の相続手続きや各種サービスの契約解除などを行う必要があります。
その際には、さまざまなデータが必要です。
たとえば故人がネット銀行やネット証券を利用していた場合、IDやパスワードなどのログイン情報が必要となります。
課金しているサービスを解約する場合も、IDやパスワードが必要となるでしょう。
もし情報が不足していれば、銀行口座にアクセスできずに相続手続きが難しくなったり、サービスの利用料金を払い続けたりしなければいけません。
なかには故人が取引していた株式やFXなどが、知らないうちに大きな損失を出していたという事例も存在します。
万が一の際に、家族が重要な情報を共有できるようにしておくことが大切です。
デジタル終活を行うと、画像や動画といったデータを思い出として遺せます。
故人の画像や動画を形見として残しておきたい、と希望する遺族は多いものです。
また、遺影を作るために、故人の写真データが必要になる場合もあります。
しかし画像や動画データの保管場所は、本人以外に分かりにくいものです。
スマートフォンやパソコンの中はもちろん、クラウド上に保管しているもの、SNS上に投稿しているものなどさまざまでしょう。
これらのデータを生前から本人が整理しておけば、遺された方がアクセスしやすくなります。
デジタル終活は、それほど難しいことではありません。
以下の3つの手順を参考にして、ぜひ実践してみてください。
デジタル終活で最初にやるべきことは、データのリストアップです。
データは目に見えないため、まずはリストアップして把握することが大切です。
次のようなデータをひとおりチェックして、名前や種類、保管場所を書き出していきましょう。
・写真、動画
・文章データ、各種の資料
・住所録
・ネット銀行、証券口座などのログイン情報
・有料サービス、サブスクリプションの契約情報
・ネットショッピング、オークションなどのアカウント情報
・SNSアカウント情報
・所有しているブログ、ホームページについての情報
上記以外でも、思いつくものはどんどん書き出します。
書き出すのは、普通のノートでも自作のEXCELシートなどでもかまいません。
リストアップができたら、次は各データを仕分けしていきましょう。
仕分けといっても、残すか削除するかの二択だと取り扱いに悩む場合もあるので、次のように分類します。
1. 残したい(重要度が高い)
2. 残したい(重要度は低い)
3. 隠したい(重要度が高い)
4. 隠したい(重要度は低い)
上記の仕分けができたら、次は各データの保存方法や保存場所を整理しておきます。
数が膨大な場合は、重要なデータから手をつけていきましょう。
もし1~4のどれにもあてはまらないデータがある場合は、必要ないということなので削除します。
隠したいデータや見られたくないデータは、専用のフォルダを作ってパスワードをかけておくと良いでしょう。
データの整理が完了したら、エンディングノートに情報をまとめておきましょう。
次のような情報を記しておくことで、遺族が重要なデータを引き継ぐことができます。
・亡くなったあとのデータの取り扱い方法
・データの種類や保管場所、アクセスの仕方
・データを扱うために必要なIDやパスワード
IDなどの英数字が分かりにくい場合は、カナ文字でルビを振っておくと安心です。
もしパソコンやスマートフォンにログインする必要がある場合は、そのためのID・パスワードも忘れずに記載しておきましょう。
エンディングノートとは?書き方・メリット・注意点などについて解説!
デジタル終活には、いくつかの注意点があります。
作業を進めるときは、ぜひ次のような点に気をつけて取り組んでください。
エンディングノートに暗証番号やパスワードを記載する場合は、そのまま記載しないことをおすすめします。
なぜならエンディングノートを紛失したり、盗まれたりした場合に悪用される恐れがあるからです。
とくにネット銀行やネット証券などの、お金にまつわる情報は取り扱いに注意が必要です。
暗証番号やパスワードは家族に口頭で伝えておいたり、連想させるヒントなどを記しておいたりすると良いでしょう。
日々、スマートフォンやパソコンを使っていると、データが増えていきます。
気づいたときには自分でも把握しきれないほどに増えている、ということも珍しくありません。
このような事態を避けるためには、データの整理・削除を習慣づけることが大切です。
新たに増えたデータは定期的に見返して整理し、エンディングノートに書く情報も更新しておきましょう。
重要でないデータや不要なサービスがある場合は、削除・解約などしておくと、もしもの際に家族が必要な情報を見つけやすくなります。
デジタル終活で扱うデータの数が膨大な場合、整理に困ることもあります。
そういったときは、次のようなサービス・アプリを利用するのも一つの方法です。
パスワードの数が多くて管理しきれない場合は、「パスワードマネージャー」と呼ばれるツールが便利です。
パスワードマネージャーとは、パスワードやIDを暗号化して、安全に記録・保管してくれるアプリケーションのこと。
これを利用すると、さまざまなID・パスワードを「マスターパスワード」と呼ばれる一つのパスワードだけで管理できます。
つまり、すべてのID・パスワードを把握していなくても、マスターパスワードさえ継承できれば良いことになります。
そのうえ、一度登録したIDやパスワードを呼び出して自動入力してくれるので、インターネット上の各サービスを利用する際も便利です。
パスワードマネージャーは探せば多数ありますが、『トレンドマイクロ社のもの』などがおすすめです。
有料ですが、ウイルス対策ソフトで有名な企業のため、安全性も信頼できます。スマートフォンやパソコンなど、複数の機器で使えるのも良い点です。
思い出の写真をたくさん残しておきたくても、スマートフォンやパソコンの容量が不足する場合もあるかもしれません。
そんな場合に役立つのが、「フォトストレージサービス」です。
フォトストレージサービスとは、オンライン上に写真や動画を保存して共有できるサービスのこと。
IDとパスワードさえ伝えておけば、家族が使っているスマートフォンやパソコンからも写真データを閲覧することが可能です。
おすすめとしては、『Googleフォト』があげられます。
残念ながら2021年5月以降は容量が制限されてしまいますが、それでも無料で15GBまで保存できる点は他と比べて優秀です。
維持費を気にせずに保存できるので、思い出の写真を残すのに最適なサービスといえるでしょう。
最後にもう一度、「デジタル終活」についておさらいしましょう。
・デジタル終活とは、パソコンやスマホ、ネット上に保存されたデータを生前から整理しておくこと
・デジタル終活を行うと重要な情報の流出を防げるうえ、遺族の金銭トラブルも防げる
・デジタル終活の進め方は「データのリストアップ→仕分・整理→エンディングノートへの記載」の3ステップ
・パスワードや暗証番号の取り扱いには気をつけ、定期的にデータを整理・削除することが大切
・パスワードマネージャーやフォトストレージサービスなどを活用すると便利
デジタルデータは日々増えていくため、一度に片付けようと思っても時間がかかるものです。
ぜひデータの整理は習慣化して、日頃からデジタル終活に取り組むことをおすすめします。
終活において、データの整理以外にもやるべきことは多くあります。
そのなかでも大変なのが、物の整理(生前整理)ではないでしょうか。
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