遺品のお清めについて悩んでおられませんか?
遺品整理を進めるうちに、どうしても持ち続けることができない遺品というものもあるかと思います。
また、故人さまが大切にされていたものだからこそ、お清めして弔ってあげたいと思われているかもしれませんね。
とは言っても、いざやろうと考えたとき「どこにお願いするのが普通なの?」と困ってしまうかもしれません。
私もお仕事で遺品整理のご相談を受ける際、「遺品のお清めってどうしたらいいの?」「お清めって…した方が良いよね?」といった質問をいただくことがあります。
そこでこの記事では、遺品整理業者として働く私が「遺品をお清めする方法」について詳しくご紹介。
それぞれの違いや費用なども合わせて紹介します。
目次
もしかしたら、「遺品って捨てる前に全部お清めするべきなの?」とお清めするべきか悩んでいらっしゃる方もいるかもしれません。
実は、遺品の供養やお清めは必須のものではありません。
そのため、遺品を全て持っておくことができず、処分する…と決めたのであれば、お清めせず処分しても問題はありません。
しかし、故人さまが大切にされていたものを処分するということは、ご遺族さまにとって心に大きな負担がかかるものです。
遺品は、処分してしまったら手元に戻ることは二度とありません。
そのため遺品のお清めは、ご遺族さまの心の整理としても行うことをおすすめします。
遺品のお清めは「いつまでにしなければいけない」というルールはありません。
一部、特定の宗教によって決まりはあるかもしれませんが、仏教や神道では一般的にはそのような決まりはないようなので、あまり焦らないでくださいね。
ご遺族の皆さまが、故人さまの死と区切りをつけたいと思ったときに行うのが一般的です。
四十九日法要や、一周忌法要を目安に行う方もいらっしゃいます。
葬儀の後に早めにすることもあります。
ご遺族の皆さまのタイミングで、行っていただくのが1番のタイミングかと思います。
ここからは具体的に、遺品をお清めできる方法を紹介していきます。
遺品をお清めする方法は全部で5つあります。
・お寺や神社に依頼:合同供養、個人供養
・現場供養
・お焚き上げ業者に依頼
・遺品整理業者に依頼
・自分でもできる
それぞれの特徴と、費用の相場も合わせて見ていきましょう。
もっとも一般的なお清めの依頼先は、お寺や神社です。
格式ある場所で行えるため、何より安心してお清めをお願いできます。
お寺や神社で行うお清めは、「お焚き上げ」と呼ばれるもの。
御祈祷やお経など、お祈りを捧げた後、さらに炎で焼き、お品を浄化します。
お寺や神社に依頼すると、大きく次の2つの方法を選ぶことができます。
・合同供養:相場0円〜10,000円ほど。立会いなしでも可能
・個別供養:相場20,000円〜70,000円ほど。立会い必須の場合が多い
合同供養とは、他の方の遺品と合同で行う供養のこと。
定期的に、月に1回、数ヶ月に1回のペースで執り行われることが多いです。
一方で個別供養とは、他の人の遺品と一緒にせず、個別で遺品を供養する方法を言います。
個別で行う分、個別供養の方が合同供養よりも少し価格が高くなるケースが多いです。
ただし「個別供養の方がお清めの品質が高い」ということはありません。
合同供養も個別供養も関係なく、しっかりとしたお清めをしてもらえます。
どちらの方法でも、遺品は直接お寺や神社に持ち込むか、段ボールやレターパックで郵送します。
金額は明確に提示されていることは少なく、お布施として納めることがほとんどです。
まずは、ご先祖さまのお墓がある菩提寺や、馴染みのあるお寺や神社に、お清めをお願いしてみましょう。
ただし、お清めを依頼する場合、予約必須の場合が多いです。
また、そもそもお清めの対応をしていないところもありますので、必ず確認しましょう。
お寺と神社に依頼すると書きましたが、実は神社では生活用品のお焚き上げは受け付けていないことが多いです。
神社で受け付けられているのは、お札や破魔矢など、神社に関係のあるもの。
遺品を含めた生活用品は、多くの神社では受け付けられていません。
お正月後(1月15日)に行われる「どんと焼き」も、本来はお正月関連の「しめ縄かざり・松かざり・お守り・お札」を火にくべる行事とされています。
不用品を燃やせる行事というわけではないので、注意してくださいね。
また、神社の場合、四十九日が過ぎるまで中に入れない決まりがあります。
その間にお清めをしたい場合は、お寺に依頼するのが良いでしょう。
お寺や神社のお清めは、神棚やお仏壇、お守りなども対応できます。
神さまやご先祖さまが祀られているものですので、以下のような作法に乗っとってきちんとお清めする必要があります。
・神棚:御神札返し
・仏壇:閉眼供養、魂抜き、お性根抜き
これらはいずれもお寺や神社でできるので、一緒にお願いしたいのであれば、聞いてみるのが良いでしょう。
以下の記事では、神棚のお清めの方法や、お仏壇の閉眼供養についてそれぞれ紹介しています。
ぜひ参考になさってください。
実家の仏壇の処分はまず閉眼供養(魂抜き)してから!5種類の処分方法を解説
お寺や神社のお焚き上げでは、焼却できるものであれば、基本的に何でも対応してもらえます。
しかし、品物によっては対応できないものもあります。
例えば、以下のものは断られてしまう可能性が高いです。
・燃えないもの(プラスチック、ガラス、陶器など)
・燃やすと有害物質が出るもの
・家電製品、パソコン
・危険物
・遺骨
一部のお寺や神社では、追加料金を出すと執り行ってくれることもありますが、基本的にお焚き上げはできないと思っていてください。
お焚き上げができない場合、読経や御祈祷のみ行われて、その後自分たちで処分する流れが一般的です。
次のお清めの方法は、現場(自宅)供養です。
現場供養とは、自宅までお坊さんが訪問し、遺品を供養していただく方法のこと。
ご家族さまがお清めや供養の現場にお立ち合いできるだけでなく、故人さまのお部屋、もしくは故人さまとゆかりのある場所で供養ができます。
また、自宅まで来てもらえるため、大きい遺品や、重くて持ち運びが大変な遺品も供養できる方法でもあります。
ただし、お焚き上げではなく、供養だけですので、その後の遺品の処分はご遺族で行わなければいけません。
現場供養の相場は、20,000円~70,000円ほど。
こちらもお布施としてお渡しします。
お布施の他にも、お坊さんに足を運んでもらったということで「お車代」を渡す方もいらっしゃいます。
遺品をお清めする3つ目の方法は、お焚き上げ専門業者に依頼することです。
お焚き上げ専門業者とは、お焚き上げの手配を神社やお寺につないでくれる業者のこと。
受け付けは、郵送を中心にしている業者がほとんどです。
お焚き上げ専門業者には、以下の手順で依頼することができます。
・電話やインターネットで業者に問い合わせ
・業者のサイトで専用の封筒・ボックスを購入(もしくは自分で用意)
・封筒・ボックスが業者から送られて来る
・お焚き上げをしたい品物を入れて送付
・お焚き上げ完了の報告が届く(お焚き上げ証明書)
お支払いはクレジットカードで可能な場合もあるため、即座に完了できます。
立ち会いがないと「本当にお焚き上げしてくれたかな?」と不安に感じてしまいますが、終了したら必ず「お焚き上げ証明書」を発行してくれるので安心です。
お焚き上げ専門業者に依頼する場合、供養料以外にも、以下の種類の費用がかかります。
・お焚き上げキット送料(段ボール箱、封筒など)
・お品神社への送付用封筒|送料込み
・お焚き上げ証明書発行手数料
・お焚き上げできないお品の処理費用
◆例:供養料別で
・封筒(封筒に遺品を入れて送る場合):1,400円〜
・ボックス、段ボール(箱で遺品を送る場合):5,000円〜
また、遺品の量で費用が決まることもあれば、お焚き上げするもので値段が変わることもあります。
とにかくたくさんの業者があるので、信頼できるところを選ぶのは大変です。
事前に見積もりをとって、比較することをおすすめします。
遺品のお清めの依頼先4つ目は、私たちのような遺品整理業者です。
遺品整理業者は、遺品の整理をお手伝いするだけでなく
・遺品整理の手順
・遺品と遺産を区別する方法
・遺品整理に関わる法の知識
・お焚き上げの依頼
なども相談できます。
遺品整理をお仕事の1つとしているだけあって、遺品の取り扱いに慣れているのも安心できるポイントです。
遺品整理業者なら、遺品の整理からお清めまで、丸ごとお願いできるのです。
また、遺品整理業者の中には、遺品整理の専門家である「遺品整理士」が在籍しているところもあります。
法にのっとる対応だけでなく、「遺品整理を行う遺族の心」によりそった対応を心得ていることから、信頼してお任せできます。
こちらの記事では「遺品整理士」の資格について、より詳しくご紹介しています。
ぜひ参考になさってください。
遺品整理士ってどんなお仕事?資格を持っている業者に依頼するのがおすすめ!
遺品整理業者では、お清めと遺品整理がセットになっていることも多いです。
こちらで遺品整理の費用相場について詳しく紹介していますので、参考になさってください。
大阪市で遺品整理を依頼したい!相場と注意点解説!安くて口コミ良好な業者は?
もし「お清めしたい遺品がそんなにない」「大がかりにしたくない…」という場合は、ご自身でお清めすることもできます。
ただし、遺品によっては火にかけると有害物質が発生したり、火事になる危険性もあったりします。
なるべく火を使わない方法が良いでしょう。
以下に、ご自身で遺品をお清めする場合の手順をまとめてみました。
・入浴して身を清める
・遺品を布で拭き、汚れを落とす
・白い紙、または白い布を用意し、その上に遺品を置く
・遺品に手を合わせ、感謝や弔いの言葉をかけながら、お清めの塩をまく
・遺品を白い紙か白い布でくるむ
・新しい自治体指定のゴミ袋に入れる(他のゴミと混ぜないようにする)
感謝の気持ちを込めて丁寧にお清めを行えば、お金をかけなくても立派な供養になります。
ここまでお清めの方法について紹介してきました。
しかし、いざご自身で調べてみても「これってお寺に頼めるのかな…?」と迷ってしまう遺品も出てくるかもしれません。
どうしても分からないことは、遺品整理の段階で、遺品整理のプロである「遺品整理業者」に相談することをおすすめします。
遺品について細かい知識を持ち合わせているだけでなく、何より神社やお寺で対応しにくいパソコンやスマートフォンなどの「デジタル遺品」にも対応できます。
デジタル遺品は、取り扱いが難しくトラブルになることも多い遺品です。
詳しくはこちらの記事をご覧ください。
デジタル遺品をわかりやすく解説します【トラブルもあるので注意】
ご自身だけで調べることに限界を感じてしまっていたら、ぜひプロの力を頼ってみてください。
私が働いているクリーンケアでも、年中無休で相談を承っています。
遺品整理とは、ご遺族さまが心の整理を進める時間でもあります。
故人さまの大切な遺品は、一つ一つお清めや供養を執り行うことで、ゆっくり心と向き合っていただければと思います。
お清めの方法は、どれが正解ということはありません。
話し合いも重ねて、ご遺族の皆さまが納得する方向性を見つけていきましょう。
私が勤務しているクリーンケアでは、遺品整理のお手伝いをさせていただいています。
どんな事情でも親身になって、ご対応させていただきますので、お気軽にご相談ください。
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