終活への関心が高まったこともあり近年、遺品整理や生前整理といった言葉が注目を集めています。
しかし、それらの言葉の違いについて詳しく知らない方もいるのではないでしょうか。
遺品整理業者として働いている私は、次のような質問を受ける機会がよくあります。
「遺品整理と生前整理の違いは?」
「生前整理と終活は同じ意味?」
「亡くなったあとに遺品整理をするのに、生前整理をする必要はあるの?」
今回は「遺品整理・生前整理・終活の違い」や「生前整理のメリット・やり方」を解説します。
人生の最期に向けて身辺を整理しておきたいと考えている方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
目次
遺品整理と生前整理は、財産や物の整理をする点では共通しています。
しかし、それ以外の点では次のような大きな違いがあります。
遺品整理と生前整理のもっとも大きな違いは、行うタイミングです。
遺品整理は、故人が亡くなったあとに遺族などの関係者が行います。
対して生前整理は、本人が生きているうちから行うものです。
具体的なタイミングとしては、遺品整理は四十九日が終わったあと、生前整理は60代~70代にさしかかってから行う方が多い傾向にあります。
遺品整理と生前整理は、それを行う目的も違います。
遺品整理は、遺族や関係者が故人の財産や持ち物を整理するために行うものです。
生前整理は、ご自身が最期を迎えたあとのことを考え、残される家族の負担を減らすために行うものです。
ほとんどの場合、亡くなったあとに遺族は遺品整理を行う必要があります。
その理由は、相続税の申告のために財産総額を把握したり、賃貸住宅の解約や持ち家の売却のために片付ける必要があったりとさまざまです。
あらかじめ本人自ら生前整理をしておけば、このような遺品整理の負担を減らすことができます。
生前整理と似た言葉に「終活」というものがあります。
この終活と生前整理の違いは、活動の範囲です。
生前整理は、自身が亡くなったあとのことを考えて身の回りにある財産や持ち物を整理する活動のことを言います。
いっぽうで終活は、人生の最期を迎えるための活動全般のことを言います。
つまり、終活という大きな範囲の中に生前整理が含まれるイメージです。
たとえば生前から遺影を準備しておいたり、亡くなるまでにやりたいことリストを作成したりすることは、生前整理ではなく終活と言えます。
とはいえ最近できた言葉ということもあり、意味の違いがあいまいになっている場合も多々あります。
あくまで、このような大まかな違いがあると認識しておくと良いでしょう。
終活って何をするの?やることリスト・メリット・始め方をプロが解説
家族が遺品整理をしてくれるのなら自分で生前整理をしなくても良いのでは、と考える方もなかにはいるかもしれません。
しかし生前整理には次のようなメリットがあるため、できるだけ取り組むことをおすすめします。
生前整理の最も大きなメリットは、家族が遺品整理をするときの負担が減ることです。
一般的に生前整理よりも遺品整理のほうが負担は大きくなります。
なぜなら生前整理は時間をかけて進められるいっぽう、遺品整理は期限内に済ませなければいけないケースもあるからです。
たとえば賃貸物件の退去日が迫っていたり、相続手続きの期限が迫っていたりする場合などは短期間で遺品整理をする必要があります。
その際に物が整理されていないと、どこに何があるのか分からず時間がかかります。
結果として仕事を休んだり、夜を徹して作業したりなどの負担が発生するケースも少なくありません。
もちろん生前整理にも、手間や時間がかかったり不用品の処分費用がかかったりなどのデメリットがあることは事実です。
しかし、このようなデメリットは遺品整理の際にも発生します。
家族に大きな負担をかけたくないのであれば、元気なうちから生前整理を進めておくことをおすすめします。
生前整理の5つのデメリットとは|やること多くて費用もかかる?
生前整理によって財産を整理しておけば、相続トラブルが起こる可能性が低くなります。
遺族が全ての遺産を把握できる資料を用意しておけば、相続の漏れを防ぐことが可能です。
全ての遺産を把握できれば正しい相続税の額を計算することができ、申告漏れなども起きません。
くわえて財産の分配方法や割合を決めておけば、遺産を巡る揉めごとも起きにくくなります。
できるだけ不公平感が出ないような分配方法を考えておくことで、家族・親族どうしが不仲になることも防げるでしょう。
生前整理をすることで、ご自身の残りの人生を充実させることもできます。
生前整理で家の中を片付けると、物のありかが分かりやすくなり暮らしやすくなります。
また、物につまずいたり物が落下してきたりしてケガをするリスクも減らせるため、安全な環境を実現することも可能です。
さらに現在所有している財産や権利を整理することで、これからの生活設計が立てやすくなることもメリットと言えます。
老後の資金不足に不安を覚える方は多いですが、必要な資金の額は人それぞれ異なります。
自分の望むライフスタイルと資産額を照らし合わせた結果、不足の心配はないというケースもあるでしょう。
不足していたとしても、対応策を考えることでカバーできる場合も多々あります。
いずれにしても、ばく然とした不安を抱え続けるよりも賢明な判断ができ、健康的な生活を送ることが可能です。
生前整理をしようと考えても、何からすれば良いのか分からない方も多いのではないでしょうか。
生前整理ではおもに「物」「財産」「情報(データ)」の三つの整理を進めていくことになります。
具体的なやり方は次のとおりです。
物の生前整理ではまず、家の中にある物を「必要な物」と「不要な物」に仕分けます。
そして「不要な物」に分類したものを処分していきます。
長年暮らしている家であればたくさんの物があるはずです。
これらを仕分け・処分していくのは時間がかかるケースも多いため、場所を区切って少しずつ進めると良いでしょう。
もし処分するか迷う物が出てきた場合は、ひとまず「保留」として保管しておくのも一つの手です。
1年など一定期間経って存在を忘れてしまっていたものは、捨てても問題がないケースが多いでしょう。
財産を生前整理するときは、全ての財産の目録(一覧表)を作るのが一般的です。
預貯金や不動産、株式などの分かりやすい財産だけではなく、各種の権利や貴金属など細かい財産もできるだけ洗い出しておくと良いでしょう。
同時に、借金やローンと言ったマイナスの財産も書き出しておくことをおすすめします。
この財産目録は、家族の相続手続きや相続税の申告などに役立てることが可能です。
財産目録ができたら、誰に何を残すのか遺産相続についても考えておきましょう。
遺産相続に自分の意思を反映させたい場合は、遺言書の作成を検討します。
不動産などの簡単に分けられない財産は相続時に困ることもあるため、遺言書を作成しておけば揉めごとが起きる可能性も低くなります。
とはいえ遺言書の作成は絶対に必要なわけではありません。
遺言書のような法的効力はありませんが、エンディングノートなどを使って意思を伝えることもできます。
生前整理で遺言は残しておくべき?メリット・書き方・注意点などを解説
近年の生前整理では、情報(データ)の整理も重要になってきています。
スマホやパソコン、ネット上に保存された次のようなデータはデジタル遺品と呼ばれ、遺族が取り扱いに困るケースが多くあります。
・ネット銀行、証券口座などのアカウント
・有料サービスやサブスクリプションの契約情報
・ネットショッピング、オークションなどのアカウント
・SNSやブログのアカウント
・写真、動画データ
・文章データ、仕事の資料
・住所録
これらを洗いざらいリストアップしたうえで、亡くなったあとのデータの取り扱い方法やアクセス方法などを家族に向けて記しておきましょう。
これらのデータは本人以外が触れない規約となっていたり、本人以外パスワードを知らなかったりすることが多いため、自ら整理しておくことが重要です。
とくに金銭や相続に関わるデータは優先して整理しておくことをおすすめします。
デジタル終活とは?手順や注意点は?便利なサービス・アプリも紹介
遺品整理のうち、とくに物の整理には時間や体力が必要です。
もし自力での生前整理が難しいなら、遺品整理業者への依頼も検討してみてください。
遺品整理業者なら物の仕分けから処分、後片付けや掃除まで全て任せることが可能です。
複数のスタッフで作業にあたるため、所要時間も半日~数日と短期間で済みます。
遺品整理士がいる業者なら生前整理に関しての悩みを相談したり、アドバイスをもらったりすることも可能です。
当社のように相談や見積もりが無料の遺品整理業者もあるため、気になる場合は気軽に問い合わせてみることをおすすめします。
最後にもう一度、「遺品整理と生前整理」についておさらいしましょう。
・遺品整理は亡くなったあとに遺族が、生前整理は生きているうちに本人が行う
・遺品整理は故人の財産や持ち物を整理するために行い、生前整理は遺品整理の負担を減らすために行う
・終活は人生の終わりに向けて行う活動全般を指し、生前整理もその中に含まれる
・生前整理をしておけば家族の負担が減るうえ、老後の生活の質も上がる
・手間や時間がかかる点は生前整理のデメリットと言えるが、生前整理をしなかった場合の家族の負担は大きい
今回紹介したように、生前整理をしておくことで遺品整理の負担は大幅に減ります。
ご自身が快適な生活を送るうえでもプラスとなるため、ぜひ生前整理に取り組むことをおすすめします。
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