遺品整理の際に、故人が信仰されていた宗教に関わる宗教物が出てくることがあります。
自分も信仰している宗教だったり故人と常日頃からそういった話をしておりよく知っていたりするような場合でない限り、このような宗教物をどのように扱えばよいのかはなかなか分からないものではないでしょうか?
そこで本記事では、宗教別に宗教物の扱いについてご説明いたします。
宗教物とは何をさすのでしょうか?
宗教物とは文字通り宗教に関わる品物のことです。
別の言い方で信心用具とも言います。
この宗教物=信心用具は宗教によって異なりますが、分かりやすいところで仏教であれば位牌や仏壇などがそれにあたります。
他に、キリスト教であれば聖書や十字架、神道であれば神棚などがあげられます。
遺品のなかに宗教物があった場合、その整理は他の遺品整理と同様でも良いのでしょうか?
宗教物を遺品整理の際にどのように扱えばよいのか、その問題について下記にてご説明いたします。
宗教物の遺品整理については気をつけて行う必要があります。
たとえば、仏教の場合の遺品整理はどのようにすれば良いのでしょうか?
仏教の宗教物の代表的なものと言えば仏壇でしょう。
仏壇の遺品整理方法としては、「閉眼供養」をすることが必要になります。
閉眼供養とは、別の言い方で魂抜きとも呼ばれ、魂のこもっている仏壇から魂を抜き仏壇をただのものにするための供養です。
仏壇に魂を入れる時には、お寺の方に依頼し開眼供養をしてもらったと思いますが、閉眼供養を依頼する際は開眼供養を行ってもらったのと同じお寺に依頼することが一般的です。
日本人であれば、仏教を信仰されている方も多いため、こちらについては知っている方もおられるかもしれません。
キリスト教の宗教物の遺品整理に関してはどのようにすれば良いのでしょうか?
キリスト教の宗教物には十字架や聖書などがあります。
こういったものを遺品整理する際も仏教でいう「閉眼供養」のようなことをする必要はあるのでしょうか?
実はキリスト教の宗教物に関しては、遺品整理の際に特別なことをする必要はありません。
キリスト教の考え方は仏教とは異なり、宗教物に魂が宿っているという考え方をしないのです。
そのため、キリスト教において宗教物とはただの「モノ」であるということです。
他のものと同格のものであるため、キリスト教の場合は通常の遺品整理と同様の対応をして構いません。
世界には他にも多くの宗教があります。
イスラム教やヒンドゥー教、儒教や道教などをはじめとして数えきれないくらいの数の宗教があり、その多くに宗教物があります。
その宗教物に関しての考え方や扱いは宗教それぞれですし、同じであっても宗派による違いや個人の考え方による違いもあります。
宗教物は故人にとっても非常に大きな意味をもつものである可能性も低くありません。
そのため、そのものをどう扱うかはそのまま故人の気持ちをどう扱うのかということに直結することも少なくないでしょう。
遺品整理の際に宗教物が出てきた場合、各宗教の考え方を知った上で対応をするのが基本原則です。
しかし、宗教の考え方だけでなく故人には故人の考え方があります。
そういった故人の考えについて知ることができるように、故人がお亡くなりになる前に故人のことを知る意味でもそのことについて少しでも知ってみても良いのではないでしょうか?
もちろん、その宗教に入信する必要はありません。
あくまで、故人のために、宗教についても知っておくというスタンスで理解を深めるようにしましょう。