


「相続した空き家を売りたいけど、まず何から手をつければいいの?」「荷物がそのままだけど、この状態で売れるの?」――相続した空き家の売却について、こうしたお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
空き家の売却は、片付け→査定→売却という正しい手順を踏むことで、スムーズに、そして高値で売却することが可能です。逆に、荷物が残ったまま査定に出してしまうと、印象が悪くなり査定額が下がる原因にもなります。
この記事では、空き家売却の全体の流れから、売却前に片付けるべき理由、高く売るための5つのポイント、必要な手続きと書類まで、空き家売却に必要な知識を網羅的に解説します。相続した空き家の処分をお考えの方は、ぜひ最後までお読みください。

空き家を売却するまでには、いくつかのステップがあります。全体の流れを把握しておくことで、計画的に準備を進めることができます。
この中で特に重要なのが、最初のステップである「片付け・不用品の処分」です。ここをしっかり行うかどうかで、査定額や売却までのスピードが大きく変わってきます。
売却完了までの期間は、一般的に3ヶ月〜1年程度が目安です。立地や物件の状態、価格設定によって変動しますが、片付けや準備に1〜2ヶ月、売却活動に2〜6ヶ月、契約から引渡しまでに1〜2ヶ月程度かかると想定しておきましょう。

「荷物があるままでも売れるのでは?」と思われる方もいるかもしれません。確かに、荷物付きで売却するケースもゼロではありませんが、片付けてから売却した方が圧倒的に有利です。その理由を3つご紹介します。
理由1:査定額がアップする
不動産会社の査定では、物件の状態が大きく影響します。荷物が山積みの状態では、壁や床の状態、部屋の広さを正確に確認できないため、査定額が低く見積もられてしまいます。
荷物を撤去して空の状態にすることで、部屋が広く見え、リフォームの必要性も正確に判断できるため、適正な査定額がつきやすくなります。実際に、片付け前と片付け後で査定額が数十万円〜数百万円変わることもあります。
理由2:内覧時の印象が良くなる
購入希望者が内覧に来た際、荷物が残っていると「管理されていない物件」という印象を与えてしまいます。特に、生活感が強く残っていたり、臭いがあったりすると、購入意欲が大きく下がります。
反対に、きれいに片付けられた状態であれば、購入希望者は自分の暮らしをイメージしやすくなり、購入の意思決定がスムーズになります。内覧は売却の最も重要なステップの一つですので、良い第一印象を与えることが成約率に直結します。
理由3:売却後のトラブルを防止できる
荷物が残った状態で売却すると、「残置物の処分費用をどちらが負担するか」をめぐってトラブルになることがあります。また、残置物の中に価値のあるものが含まれていた場合、後から返却を求めるといった問題も起こりえます。
売却前にきちんと片付けを完了させておくことで、こうしたトラブルのリスクを事前に回避できます。引渡し後のクレームを防ぎ、スムーズな取引を実現するためにも、片付けは欠かせないステップです。

空き家を少しでも高く売却するためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。以下の5つのポイントを実践することで、査定額アップと早期売却の両方を目指せます。
前章でもお伝えした通り、家の中を完全に空にすることが高く売るための大前提です。家具、家電、衣類、食器など、全ての不用品を撤去しましょう。
自分たちで処分する場合は、自治体の粗大ゴミ収集やリサイクルショップ、フリマアプリなどを活用できます。ただし、荷物の量が多い場合は、不用品回収業者や遺品整理業者に一括で依頼した方が効率的です。
特に大型家具や家電の搬出は、一般の方にとっては重労働です。無理をして怪我をしたり、壁や床を傷つけてしまうとかえって修繕費用がかかるため、プロに任せることも検討してみてください。
荷物を撤去した後は、簡易清掃と消臭を行いましょう。特に水回り(キッチン、浴室、トイレ)と玄関は、内覧時に最も注目されるポイントです。
長期間空き家だった物件は、カビ臭や下水臭が発生していることも多いため、しっかり換気を行い、消臭剤を活用しましょう。窓を開けて風を通すだけでも、かなり臭いは軽減されます。
本格的な清掃が必要な場合は、ハウスクリーニング業者に依頼するのがおすすめです。プロの清掃は数万円程度の費用で済みますが、査定額や成約率への効果はそれ以上になることがほとんどです。
不動産の査定額は、会社によって数百万円単位で異なることがあります。1社だけに依頼するのではなく、最低でも3社以上に査定を依頼し、比較検討しましょう。
査定には「簡易査定(机上査定)」と「訪問査定」の2種類があります。まずは複数社に簡易査定を依頼して相場を把握し、その後2〜3社に絞って訪問査定を依頼するのが効率的です。
査定額だけでなく、その不動産会社の売却実績やエリアの得意分野、担当者の対応力なども比較ポイントとして重要です。信頼できるパートナーを見つけることが、高値売却への近道になります。
相続した空き家を売却する場合、「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」が適用できる可能性があります。この特例を利用すると、譲渡所得から最大3,000万円を控除することができ、大幅な節税が可能です。
この特例の主な適用条件は以下の通りです。
条件に該当するかどうかは税理士に確認することをおすすめします。適用できれば数百万円の節税になるため、必ずチェックしておきましょう。
不動産の売却には、売れやすい時期とそうでない時期があります。一般的に、1〜3月は新生活に向けた需要が高まるため、成約率が上がる傾向にあります。9〜11月も転勤シーズンと重なるため、比較的動きが良い時期です。
逆に、真夏(7〜8月)や年末年始は不動産市場が落ち着く傾向にあるため、売り出しのタイミングを少しずらすだけで、売却価格が変わる可能性があります。
ただし、空き家の場合は維持管理コスト(固定資産税、管理費、修繕費)がかかり続けるため、最適な時期を待つことと、早期に売却して維持費を抑えることのバランスを考慮する必要があります。

空き家の売却にはさまざまな書類が必要です。事前に準備しておくことで、売却活動がスムーズに進みます。主な必要書類を確認しておきましょう。
必ず必要な書類
状況に応じて必要な書類
相続登記は必須
2024年4月から相続登記が義務化されました。相続した空き家を売却するためには、まず相続登記を行い、所有者を自分の名義に変更する必要があります。相続登記が完了していないと売却活動を始めることができませんので、早めに司法書士に相談して手続きを進めましょう。
なお、書類の準備には時間がかかるものもありますので、売却を決意したらできるだけ早い段階で必要書類の確認と取得を始めることをおすすめします。

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相続した空き家を高く売却するためには、「片付け→清掃→査定→売却」という正しい手順で進めることが大切です。荷物が残ったままでは査定額が下がり、内覧の印象も悪くなってしまいます。
高く売るためのポイントとして、不用品の全撤去、簡易清掃・消臭、複数社への査定依頼、3,000万円特別控除の確認、売却時期の見極めの5つを紹介しました。また、相続登記の義務化に伴い、早めの書類準備と手続きも重要です。
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