


「賃貸がゴミ屋敷になってしまい、退去が迫っている…」「原状回復でいくら請求されるのだろう?」――そんな不安を抱えていらっしゃる方は少なくありません。
ゴミ屋敷化した賃貸物件の退去は、通常の引越しとは比較にならないほど多くの費用が発生する可能性があります。ゴミの撤去費用だけでなく、床や壁の修繕費用、さらには特殊清掃が必要になるケースもあり、請求額が100万円を超えることも珍しくありません。
しかし、大家さんからの請求が必ずしもすべて正当とは限りません。国土交通省のガイドラインに基づけば、通常損耗や経年変化は貸主負担とされており、借主が支払うべき金額は想像よりも少ないケースもあります。
この記事では、ゴミ屋敷化した賃貸物件における原状回復義務の基本から費用の相場、高額請求への具体的な対処法まで、わかりやすく解説します。退去を控えている方も、これから対策を考えたい方も、ぜひ最後までお読みください。

ゴミ屋敷化した賃貸物件の退去を考えるうえで、まず知っておくべきなのが「原状回復義務」の正しい意味です。多くの方が「部屋を借りた時の新品の状態に戻すこと」と誤解していますが、実はそうではありません。
目次
国土交通省が策定した「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、原状回復を以下のように定義しています。
「賃借人の居住、使用により発生した建物価値の減少のうち、賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」
つまり、原状回復とは「新品に戻すこと」ではなく、借主の故意や過失によって生じた損耗を修繕することを指します。経年変化や通常使用による損耗(通常損耗)は、原則として貸主の負担です。
善管注意義務とは、民法第400条に規定されている「善良な管理者の注意をもって使用する義務」のことです。賃貸物件の借主は、この義務に基づき、借りている部屋を適切に管理しなければなりません。
具体的には、以下のような行為が善管注意義務違反に該当します。
ゴミ屋敷化は、この善管注意義務に明確に違反する行為です。ゴミを溜め込むことで床材が腐食したり、害虫が発生したり、悪臭が壁紙に染み付いたりした場合、その修繕費用は借主の負担となります。
賃貸借契約書には、退去時の原状回復に関する条項が記載されているのが一般的です。ただし、契約書に「全額借主負担」と書かれていたとしても、消費者契約法の観点から無効になるケースもあります。
2020年の民法改正により、通常損耗と経年変化は貸主負担であることが法律上も明確化されました(民法第621条)。このため、ゴミ屋敷であっても「すべてが借主負担」ではなく、通常損耗に当たる部分と善管注意義務違反に当たる部分を分けて考えることが重要です。

ゴミ屋敷の原状回復費用を正しく理解するためには、「通常損耗(貸主負担)」と「借主の故意・過失による損耗(借主負担)」の違いを知っておくことが不可欠です。この違いを知らないまま請求を受け入れてしまうと、本来支払う必要のない費用まで負担することになりかねません。
以下のような損耗は通常損耗・経年変化に該当し、原則として貸主が負担するものです。
一方、以下のような損耗は借主の故意・過失または善管注意義務違反に該当し、借主が修繕費用を負担するものです。
ゴミ屋敷化した賃貸物件では、以下のような深刻な損耗が発生していることが多く、これらはすべて借主負担となります。
| 損耗の種類 | 具体的な状態 | 負担区分 |
|---|---|---|
| 床材の腐食 | ゴミや液体の放置で床がブヨブヨに | 借主負担 |
| 壁紙の汚損 | 悪臭やカビが壁紙に染み付いている | 借主負担 |
| 水回りの破損 | 排水溝の詰まり、カビの大量発生 | 借主負担 |
| 害虫被害 | ゴキブリ・ダニの大量発生、木材の食害 | 借主負担 |
| 悪臭 | 部屋全体に染み付いた腐敗臭 | 借主負担 |
| 設備の故障 | 換気扇やエアコンの汚損による故障 | 借主負担 |
ただし、これらの損耗であっても、経年劣化による価値の減少分(減価償却)は差し引かれるべきです。たとえば、壁紙の耐用年数は6年とされており、入居6年以上であれば壁紙の残存価値は1円と計算されます。

ゴミ屋敷化した賃貸物件を退去する際、実際にどのくらいの費用がかかるのかは最も気になるポイントでしょう。ここでは、ゴミの撤去費用と原状回復費用の相場を具体的にご紹介します。
まず、部屋に溜まったゴミの撤去にかかる費用の目安は以下のとおりです。
| 間取り | ゴミ撤去費用の相場(税込) |
|---|---|
| 1R・1K | 7.7万円〜15万円 |
| 1DK・2K | 10万円〜20万円 |
| 1LDK・2LDK | 15万円〜30万円 |
| 3DK・3LDK | 20万円〜40万円 |
| 4DK・4LDK | 25万円〜60万円 |
上記の金額はゴミの量や種類によって大きく変動します。天井近くまでゴミが積み上がっているような極端なケースでは、上記の目安を超える費用がかかることもあります。
ゴミの撤去後に必要となる原状回復費用の目安は、一般的に家賃の3ヶ月分程度と言われています。ただし、ゴミ屋敷の場合は損耗の程度が通常より著しいため、これを上回ることが少なくありません。
主な原状回復費用の内訳は以下のとおりです。
ゴミ屋敷化が深刻で、強烈な悪臭や大量の害虫が発生している場合には、通常の清掃では対応できず、特殊清掃が必要になります。特殊清掃の費用相場は10万円〜30万円程度ですが、汚染の範囲や程度によってはさらに高額になります。
特殊清掃では、以下のような専門的な作業が行われます。
ゴミ屋敷の原状回復では、深刻なケースになると100万円を超える費用が請求されることもあります。過去の裁判例では、ゴミ屋敷化した賃貸物件の原状回復費用として192万円の支払い命令が出されたケースもあります。
このケースでは、長年にわたるゴミの溜め込みにより、床材の全面張り替え、壁紙の全面張り替え、水回り設備の交換、特殊清掃などが必要となり、費用が膨らみました。
早い段階でゴミの片付けに着手していれば、ここまでの費用にはなりません。退去が決まったら、できるだけ早く行動を起こすことが費用を抑える最大のポイントです。

ゴミ屋敷の退去後、大家さんから高額な原状回復費用を請求されるケースは珍しくありません。しかし、請求された金額をそのまま全額支払う必要があるとは限りません。ここでは、高額請求に対する5つの対処法をご紹介します。
高額な請求書を受け取ると、パニックになって「早く払わなければ」と焦ってしまう方も多いでしょう。しかし、慌てて全額を振り込んでしまうのは絶対に避けてください。
一度支払ってしまうと、後から「払いすぎだった」と気づいても返金を求めるのは非常に困難です。まずは冷静に請求内容を確認し、支払期限までに十分な時間がない場合は、書面で猶予を求めましょう。
請求書を受け取ったら、まず費用の詳細な内訳を書面で提出するよう求めてください。「原状回復費用一式○○万円」といった大雑把な請求では、何にいくらかかっているのかがわかりません。
具体的には、以下の情報を求めましょう。
大家さんや管理会社には、請求の根拠を示す義務があります。内訳の提出を拒否されたり、曖昧な回答しか得られない場合は、その請求自体の妥当性に疑問を持つべきです。
内訳が明らかになったら、その中から通常損耗・経年変化に該当する項目を見極め、差し引くよう交渉しましょう。
よくある不当請求のパターンとしては、以下のようなものがあります。
国交省ガイドラインでは、損耗箇所の修繕は「㎡単位」が原則であり、一部の汚損をもって壁紙全面張り替えを借主負担とすることは不適切とされています。
原状回復費用を算定する際には、設備や内装材の耐用年数に基づく減価償却を考慮する必要があります。これは多くの方が見落としがちですが、費用を大幅に減額できる重要なポイントです。
主な設備の耐用年数は以下のとおりです。
| 設備・内装材 | 耐用年数 | 入居6年後の残存価値 |
|---|---|---|
| 壁紙(クロス) | 6年 | 1円 |
| カーペット | 6年 | 1円 |
| クッションフロア | 6年 | 1円 |
| エアコン | 6年 | 1円 |
| フローリング | 建物の耐用年数に準じる | 経過年数による |
たとえば、入居6年以上経過している場合、壁紙の残存価値は1円です。つまり、壁紙の張り替え費用が10万円であっても、借主が負担すべき金額はほぼゼロということになります。
ゴミ屋敷であっても、この減価償却の考え方は適用されます。「ゴミ屋敷だから全額負担」ということはありません。
退去する前に、部屋の現状を写真や動画で詳細に記録しておくことが非常に重要です。この記録は、後から請求内容が妥当かどうかを判断するための重要な証拠になります。
撮影のポイントは以下のとおりです。
写真がなければ「言った・言わない」の水掛け論になりがちです。証拠を残しておくことが、自分を守る最大の武器になります。

ここまで原状回復の費用や対処法をご紹介してきましたが、最も重要なのは「退去前にゴミを撤去しておくこと」です。ゴミが残ったまま退去すると、費用が大幅に増加するだけでなく、交渉の余地も狭まってしまいます。
退去後に部屋にゴミや不用品(残置物)が残っている場合、大家さんは業者を手配してこれを撤去し、その費用を借主に請求します。この場合、借主が自分で業者を選ぶことができないため、相場より割高な費用を請求されるリスクが高まります。
さらに、残置物が残っている期間は次の入居者を募集できないため、空室期間中の家賃相当額を損害賠償として請求される可能性もあります。これは原状回復費用とは別の出費となり、トータルの負担がさらに膨らむ原因になります。
退去が決まったら、できるだけ早くゴミ片付けの専門業者に依頼するのが最もコスパの良い選択です。自分で業者を選んで依頼することで、以下のようなメリットがあります。
ゴミを撤去した状態で退去すれば、大家さんからの印象も大きく異なります。「誠意を見せた」ということが、費用交渉を円滑に進めるための大きなポイントになるのです。
入居時に支払った敷金は、退去時の原状回復費用と相殺されるのが一般的です。敷金は「預り金」としての性質を持ち、原状回復費用を差し引いた残額は返還されるのが原則です。
ただし、ゴミ屋敷化による原状回復費用が敷金の額を大幅に超える場合、差額が追加で請求されることになります。一般的な敷金の目安は家賃の1〜2ヶ月分ですが、ゴミ屋敷の原状回復費用は家賃の3ヶ月分以上になることが多いため、追加の持ち出しが発生するケースがほとんどです。
だからこそ、退去前にゴミを撤去して原状回復費用を最小限に抑えることが、最終的な出費を減らすための最善策なのです。

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| 間取り | 料金目安(税込) |
|---|---|
| 1K | 28,000円〜 |
| 1DK | 55,000円〜 |
| 1LDK | 88,000円〜 |
| 2LDK | 121,000円〜 |
| 3LDK | 154,000円〜 |
| 4LDK | 158,000円〜 |
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今回は、ゴミ屋敷化した賃貸物件の原状回復義務と退去費用について解説しました。最後に、押さえておきたい5つのポイントをまとめます。
ゴミ屋敷の退去は確かに大変ですが、正しい知識を持って冷静に対処すれば、不当に高額な費用を支払う必要はありません。まずは退去前のゴミ片付けから始めて、できるだけ有利な状態で退去を迎えましょう。
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