近年、終活や生前整理の一環としてご自身の葬儀を準備する方が増えてきました。
とはいえ葬儀の準備は何もしていないという方のほうが、まだ多いのかもしれません。
その理由は、次のような疑問が浮かぶからではないでしょうか。
「なぜ生前から葬儀の準備をしておくべきなの?」
「具体的に何をすればいい?」
「葬儀がいらない場合はどうすればいい?」
今回は「生前整理で葬儀の準備をしておくメリット」をはじめ、「準備すべきこと」「注意点」について解説します。
プロとして生前整理や遺品整理のお手伝いをしている私の知見もまじえて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
生前から葬儀について考えることに抵抗を感じる方もいるかもしれません。
しかし生前から葬儀について考えておけば、次のようなメリットを得られることも事実です。
生前から葬儀の形式や招待者を決めておけば、家族の負担を軽減できます。
人が亡くなった場合、遺族はすぐに葬儀の手配をし、故人の友人・知人に訃報を知らせなければいけません。
そのときになって葬儀プランを一から考えたり、訃報を知らせるべき人を調べたりしていると、それだけで大きな負担となります。
自分の最期が迫ったときに家族が勝手に手配してくれるだろう、と考える方もなかにはいるでしょう。
しかし本人が息を引き取る前から葬儀について考えるのは精神的な負担が重く、場合によってはなんの前触れもなく突然亡くなることも考えられます。
しかし本人が生前から葬儀の内容や訃報の連絡先などについて決めておけば、遺族はそれに従うだけで済み、負担が大幅に軽減されます。
生前からご自身の葬儀について決めておけば、葬儀費用を抑えることも可能です。
先ほども述べたとおり、ご自身が亡くなったあと、遺族はすぐに葬儀について決めなければいけません。
限られた時間のなかで複数の葬儀社から見積もりを取ったり、葬儀の内容を吟味して費用の交渉をしたりする余裕はほとんどないでしょう。
結果として葬儀社の言いなりで進めるしかなく、費用が割高になるケースもめずらしくありません。
しかし生前から葬儀内容や依頼する葬儀社を決めておけば、内容や料金について吟味できるため無駄な費用を支払う可能性が低くなります。
生前からご自身で準備しておけば、自分の希望にそった葬儀をあげることができます。
葬儀の規模や内容はもちろん、祭壇の飾り付けなど細かいところにいたるまで自分好みにすることも可能です。
もちろん、葬儀についてそこまで明確なイメージがないという方もいるでしょう。
しかしご自身が希望する葬儀について、ある程度のイメージを家族に伝えておくことは大切です。
なぜなら故人が希望する葬儀をあげることができれば、遺族はしっかりと供養できたという気持ちになれるものだからです。
生前整理で葬儀の準備をすると言っても、何をすれば良いのか分からない方が多いかもしれません。
葬儀の準備で具体的にやるべきことは、次のとおりです。
生前整理で葬儀の準備をする場合にまずやるべきなのは、参列者リストを作ることです。
参列者リストを最初に作るべき理由は、参列者の人数が分かることで葬儀の規模や大まかな費用が分かるからです。
基本的に参列者の数が多いほど式場や祭壇の規模も大きくなり、お返しや料理も多くなるため費用もかかります。
それとは反対に、参列者が身近な人だけの場合は小規模な葬儀で済ませて費用を抑えることもできます。
参列者リスト作りには、残された家族が参列者に連絡をとりやすくなるという利点もあります。
連絡の漏れが防げれば、友人・知人が葬儀に参列できなかったという事態を防げます。
一般的に葬儀はその家が信仰している宗教・宗派の形式で行うものです。
最も多いのは仏教式ですが、キリスト教式、神道式などの葬儀もあります。
まずは先祖代々お世話になっている寺や教会、神社があるかどうか確認し、連絡先を把握しておきましょう。
もし家の宗教と異なる宗教・宗派で葬儀を行いたい場合は、付き合いのある寺などへの相談が必要になります。
最近は無宗教葬を希望する人も増えていますが、その場合は演出が自由になるため葬儀の内容をより具体的に決めておくと良いでしょう。
生前から葬儀の準備をするうえでは、その内容も考えておきたいところです。
とはいえ葬儀の内容は多様化しており、選択肢は多くあります。
たとえば一般的な葬儀の種類だけでも、次のようなものがあります。
・一般葬(式場に僧侶を呼び、多くの人にも参列してもらう一般的な葬儀)
・家族葬(家族や親族、故人と親しかった人だけで行う小規模な葬儀)
・一日葬(お通夜を省き、葬儀や告別式、火葬を1日で行う葬儀)
・直葬、火葬式(お通夜や告別式を行わずに、火葬場で短時間のお別れだけをする葬儀)
これらの大まかな種類以外にも、祭壇や演出など葬儀社によってできることも異なります。
いくつかの葬儀社のプランを見るなどして、イメージを固めていきましょう。
また、これらの葬儀の内容に加えて喪主を決めておくと、いざというときにスムーズです。
喪主は葬儀のときに意思決定を行う、一族の取りまとめ役です。
一般的には故人の配偶者や長男・長女が喪主を務めますが、他の人を希望する場合は生前から伝えておきましょう。
葬儀の準備と並行して、遺影の準備も進めておくことをおすすめします。
ご自身が亡くなったあと、遺族は大急ぎで遺影に適した写真を探し出さなければいけません。
しかし本人だけを鮮明に写した写真は、案外少ないものです。仕方なく写りがイマイチな写真が遺影として使われてしまうことはよくあります。
そこで故人が自ら用意した遺影があると遺族は助かりますし、自信を持って祭壇に飾れます。
もし過去の写真に良いものがない場合は、プロに撮ってもらうことも可能です。
最近では、生前から遺影を撮影してくれる写真館や撮影スタジオが増えています。
終活で遺影を準備しておくメリットとは?写真の選び方・撮影方法・注意点も解説
葬儀の規模によっては、数百万円単位の費用がかかる場合もあります。
いざというとき家族に金銭的な負担をかけないよう、葬儀費用も生前から準備しておきたいものです。
葬儀費用を生前から準備しておく方法としては、次があげられます。
・預金しておく
・葬儀保険に入っておく
・互助会(冠婚葬祭のための積み立てを行うサービス)に入会しておく
・葬儀社と生前契約を結んでおく
もっとも簡単なのは、費用を預金しておく方法です。
ただし銀行口座は名義人が亡くなったあとに凍結される可能性もあるので、その点は注意が必要です。
預金をする以外にも、葬儀保険や互助会に加入しておく方法も良いでしょう。
これらは契約者が亡くなった場合すぐに保険金や積立金が支払われるので、費用の心配を軽減できます。
また、もっとも確実な方法としては、葬儀社との生前契約があげられるでしょう。
すべての葬儀社が対応しているわけではありませんが、生前から葬儀プランを作成して契約を済ませておける葬儀社も増えてきています。
銀行口座を生前整理するメリットとは?口座をまとめる方法・注意点も解説
生前整理で葬儀を準備するときは、いくつか注意点があります。
理想の葬儀を実現するためにも、次のような点には気をつけましょう。
葬儀の規模や内容を考えるうえでは、遺族や参列者の都合を考えることも大切です。
なかには「自分の葬儀はいらない」「規模は最小限にしてほしい」といった希望をもっている方もいるでしょう。
しかし葬儀を行わなかったり、規模を小さくしすぎたりすると、かえって家族の負担が増えることもあります。
たとえば葬儀に参列できなかった故人の知人・友人が、「せめてお線香だけでも」と連日弔問に訪れるケースは多いものです。
そうなると家族が個別対応することになってしまいます。
残された人たちにとって葬儀は、故人とお別れをするための儀式です。
できるだけ費用はかけずにシンプルにという葬儀が流行りですが、残される人たちの気持ちも考えたうえで葬儀の準備をしましょう。
葬儀に関する希望は、いざというときに家族が分かるように文章として残しておきましょう。
希望する葬儀の内容はもちろん、お寺や教会、希望する葬儀社の連絡先なども忘れずに記録しておきます。
また、作成した参列者リストや遺影用の写真の保管場所なども記録しておくと安心です。
記録するものとしては、エンディングノートがおすすめです。
エンディングノートとは、「人生の終末に備えて残しておきたい情報を記したノート」のことを言います。
葬儀に関する情報以外にも、万が一の場合、家族が手続きや判断をおこなう際に必要な情報を一冊にまとめておけます。
エンディングノートに何を書くかは自由なので、残される家族や友人などに伝えたいメッセージを書いておくことも可能です。
エンディングノートをまだ作っていないという方は、これを機会に作ってみてはいかがでしょうか。
エンディングノートとは?書き方・メリット・注意点などについて解説!
最後にもう一度、「生前整理でしておきたい葬儀の準備」についておさらいしましょう。
・生前から葬儀の準備をしておけば家族の負担を軽減でき、葬儀費用も節約できる
・葬儀の規模感や大まかな費用を把握するために、まずは参列者リストを作る
・葬儀の宗教・宗派や形式を決めておけば、いざというときに家族が迷わずに済む
・葬儀費用を準備する方法には、預金や保険・互助会への加入、生前契約などがある
・生前から葬儀の準備をするうえでは、遺族や参列者の気持ちを考えることも大切
・葬儀に関する希望は、エンディングノートなどに記録しておくと安心
生前から葬儀の準備をしておけば、家族の将来的な負担を減らすことができます。
まだ葬儀について考えていないという方は、これを機会にぜひ考えてみてはいかがでしょうか。
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