自分が亡くなった後に財産を相続する家族のために、終活として「生前整理」をする人が増えてきていますよね。
生前整理を始めようと思っている人のなかには、
と悩んでいる人は多いと思います。
本記事では、「財産リスト」を活用して生前整理が進めやすくなるポイントを紹介いたします。
最後まで読むと、財産の現状が明確になって、スムーズに生前整理を進められますよ。
目次
財産リストとは、「財産目録」とも呼ばれ、所有している財産一覧をリストにまとめたものです。
財産リストには、預貯金や住宅ローンなどのお金にかかわる財産を、正負にかかわらずすべて記載します。
財産リストを作成しておくと、突然最悪な事態が起きても、資産を受け継ぐ家族が何をどのように処理すればいいのか明確になり、負担が軽減されます。
また、大切な資産をもれなく受け継がせられるだけでなく、財産状況を把握できるのも財産リストを作成するメリットでしょう。
生前整理を進めるときによくあるのが、「何から手をつければいいのかわからない」や「整理し終えたと思ったら別の場所から出てきた」など、作業がなかなか進まずに挫折するパターンです。
そのようなトラブルを防ぐためにも、財産リストを活用してスムーズに整理していくのをおすすめします。
以下の5つのステップを参考にすると、生前整理が進めやすくなりますよ。
それでは順番に見ていきましょう。
財産リスト(財産目録)を作成するときは、正負にかかわらずお金に関するすべてを記載します。
作成にあたってのポイントは、「あまり財産目録にこだわり過ぎない」ことです。
しっかりとした財産目録があれば遺言書作成のときに利用できますが、今回は「財産整理のため」と割り切って、財産整理ができた後に清書していく方が進めやすくなるのでおすすめです。
財産はリスト作成後も状況が変化するため、その都度情報を更新するようにしましょう。
財産リストに記載すべき財産の一例は、次の通りです。
正の財産
負の財産
リストを作成して財産の状況を把握したら、家にある物を「必要」か「不要」に仕分けます。
判断に迷ってしまうものは、一度「保留」にしておき、後からまた考え直しましょう。
家の中には意外に多くの物があり、仕分けの作業はとても時間がかかると思います。
仕分ける時のポイントは、悩んだ時に手を止めてしまうのではなく、すぐに「保留」にしてできるだけ早く作業を進めていくことです。
保留にした物は、一通り作業が終了したら再度確認して「不要なのか置いておきたい物なのか」を考え直しましょう。
また、ご自身が必要だと思って残しても、他の人からすると不要だと思われる場合がありますよね。
ご自身に万が一のことがあった時に、残しておきたい物を処分されないためにも、何をどのように扱って欲しいかをエンディングノートに記しておくと、家族の負担が軽減されます。
仕分けを終えて不要な物が明確になったら、次はそれらを処理していきましょう。
不要な物は、「売る」か「捨てる」で処理していきます。
不要な物を売るのに抵抗がある人もいるかもしれませんが、何十年も前の物でも欲しいと思う人がいると、それなりの値段がつく場合があります。
捨てる前に一度査定に出してみて、売れるものはリサイクルショップやフリーマーケットアプリ(メルカリやラクマなど)に出品しましょう。
フリーマーケットアプリに出品する時のポイントは、「期間を区切る」ことです。
いつか売れるだろうと思って、売れなくてもずっとそのままにしておくと、いつまで経っても整理が終わりません。
「1週間以内に売れなければ処分する」など、期間を区切って管理しましょう。
「捨てる」と判断したものは、各自治体のルールにしたがって正しい方法で処分してください。
デジタルの資産とは、パソコンやスマートフォンに入っているデータ、ネット銀行の口座や暗号資産、SNSのIDやパスワードなどのことをいいます。
とくにパソコンやスマートフォンの中に入っているデータの中には、個人情報や金融情報など、人に見られたくないものが含まれている場合が多いため、生前に処理について検討しておきましょう。
各種IDやパスワードについては、一括整理してリストを作成しておき、登録しているサイトのURLをブックマークしたり、デスクトップ画面にアイコンで保存したりすると、残された家族の負担が軽減されます。
ネット銀行など金融資産のパスワードは、家族であっても簡単には教えてもらえないケースが多く、死後に把握するのが難しい財産の1つと言われています。
また、ネット銀行を利用していたことを家族が知らなかった場合、後から追加財産の存在が発覚すると、相続トラブルが発生する可能性もあります。
そのようなトラブルを防ぐためにも、あらかじめリスト化しておくことをおすすめします。
エンディングノートとは、これまでの人生の思い出や死後の希望などを自由に書くノートのことです。
遺言書のような法的効力はなく、様式なども決まっていないため市販のノートで自作するのも可能です。
エンディングノートに書く内容の例としては、
などがあります。
エンディングノートに記した内容も、時が経てば自分の気持ちや身の回りの状況に変化があるかもしれないので、1年に1回など定期的に見直すことをおすすめします。
先述した流れで生前整理をしたとしても、やることが多くてとても時間がかかってしまいますよね。
ましてやご自身がご高齢の場合、腰をかがめたり荷物を運び出したりする作業は身体に負担がかかり、1人で整理を進めるのが難しい場合もあると思います。
親族に任せられるならよいのですが、「肉親だからこそ見られたくない物がある」などの理由で頼めない場合は、生前整理を代行してくれる専門業者に依頼するのも一つの手です。
生前整理を代行してくれる業者は数多くあるため、サービス内容や費用・企業の方針など、依頼者の気持ちを第一に尊重して作業に取り組んでくれる会社を選ぶようにしましょう。
また、業者に依頼する時も、財産リストを作成しておくと希望通りの対応に近づけられます。
今回の内容を参考にして、財産リストを作成し生前整理がスムーズに進められるようにしましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。