「親に生前整理してほしい。説得したいけど、どうしたらいいだろう?」と悩んでいませんか?
私が所属するクリーンケアでも、親御さんが生前整理をなかなか了承してくれなかったというお客さまのお声を耳にします。
家の片付けや相続の準備を行う生前整理は、親御さんの同意がないと進められません。
無断で行ったことで、関係性が悪くなってしまったというケースもよくあります。
最低限のトラブルを防ぐためにも、親御さんを説得し、納得してもらってから生前整理を始めるようにしましょう。
そこで今回は、生前整理業者である私が親御さんに対して「生前整理してほしい」と説得する方法についてご紹介。
合わせて、説得するときのコツや注意点についても紹介します。
生前整理について親御さんを説得する方法には、以下のようなものがあります。
1.実家にある自分の荷物を整理する
2.生前整理が大切な理由を伝える
3.不用品のリサイクルや寄付を提案する
4.子どもたちも協力することを伝える
5.「生前整理することが当たり前」の時代になったと伝える
6.自分自身も生前整理を始めたと伝える
順番に見ていきましょう。
1つ目は、実家にある自分の荷物から整理してみるという方法です。
親御さんのものを整理するには許可が必要ですが、親御さんも使っておらず、ご自身だけのものなら、親御さんの承諾がなくても片付けを進めることができます。
子どもの方が積極的に行動することで、親御さんに「子どもがやってるんだから、私も…」という気持ちが芽生えやすくもなります。
その際「子どもの頃の思い出がつまった大切な家だからこそ、きれいにしてあげたいんだ」と伝えてみたり、「ものが少なくなったから、転ぶ心配がなくなったよ」と伝えると、説得しやすいです。
実際にきれいになった部屋を見せることで、親も生前整理に前向きになるかもしれません。
生前整理に反対する親御さんの中には、生前整理についての知識があまりない方もいらっしゃいます。
親御さんが「言葉を知っているけれど、何をしたらいいか分からない」「なぜ大切なのか分からない」という状態で説得しても、親御さんからの同意を得るのは難しいもの。
その場合、生前整理が大切な理由をお子さんから伝えてあげることをおすすめします。
・部屋の整理:転倒して怪我をする心配がなくなる
・相続の準備:親族のトラブルを防ぐことができる
大切な理由が理解できれば、「早めに整理をしておくのが良いかもしれない」という気持ちが湧きやすくなります。
こちらの記事では、生前整理のメリットを詳しく説明しています。ぜひ参考になさってください。
親御さんの中には「もったいないからものを捨てられない」という考えをお持ちの方も少なくありません。
例えば、粗大ゴミを処分するときは、捨てるのにお金がかかります。
お金がかかる分、さらに「捨てるのがもったいない」という気持ちが強くなっていることも。
そのような場合、親御さんにリサイクルや寄付を提案すると良いでしょう。
ただ捨てるだけでなく、誰かに使ってもらえる(=お金も入る)ことで、ものを手放す苦しさを軽減できるからです。
今はリサイクルショップ以外にも、フリマアプリもあります。
年配の方や高齢者世代の方は知らない可能性もあるので、「こんな便利な仕組みがあるんだよ」とお子さまから教えてあげるのもひとつの手です。
生前整理では、不用品の処分だけでなく、財産や情報の整理など、体力と気力をたくさん使う作業を長期間にわたって行います。
そのため、高齢世代の方は「自分たちだけでやり切れるのだろうか」という不安を抱えていることも多いです。
そこで、「生前整理は子どもたちも協力する」ということを伝えてあげましょう。
とくに「子どもたちに迷惑はかけたくない」と考える責任感の強い親御さんは、自分から子どもたちにお願いするのをためらってしまうもの。
ぜひ、お子さんの方から「私も一緒にするよ」と声をかけてあげてください。
親御さんの世代によっては、「ものは大切にする」ことを教えられて生きてきた方もいらっしゃいます。
現在は、何でもある程度は簡単に手に入る時代になったものの、価値観をいきなり変えることは簡単なことではありません。
そこで、『時代の変化として「生前整理はするべき」という考えが広まってきているんだよ』と伝えてみることをおすすめします。
とくに、「親と同じ世代の人たちが生前整理をしている」と伝えるのがポイントです。
「私の友達のお母さんたち、家の片付け始めたんだって」と世間話のように伝えてみましょう。
親を説得したいときは、子どもである「あなた自身」も生前整理を始めてみるのもおすすめします。
説得する側が取り組んでみることで、「どこが大変か」「早めに取り組んでよかったところ」が実感できるからです。
すると、説得する際もより具体的に説明できるようになりますし、説得力も増します。
さらに、親の立場としても「自分より若い子どもたちが取り組んでいるんだから、自分たちも始めてみよう」という気持ちになりやすくなるのです。
最後に、生前整理について親御さんを説得するときの注意点について紹介します。
・ネガティブな言葉を使わない|慎重に言葉を選ぼう
・親と同じ目線になる|親の価値観に歩み寄る
・勝手に処分しない|親の気持ちを尊重しよう
・焦らない
順番に説明していきますね。
親御さんを説得する際は、ネガティブな言葉を使わないように気をつけましょう。
ネガティブな言葉をかけると、傷ついて、その後の説得も難しくなったり、最悪の場合、親子の関係にヒビが入ることがあるからです。
例えば「生前整理しよう」という言葉も、人によっては「死んだ後のことを考えてくれ」と強要されているように聞こえることも。
できるだけ「片付けしない?」とソフトな言葉を使うことをおすすめします。
こちらでも、親子で片付けをする際のコツをご紹介しています。ぜひ参考になさってください。
実家が片付かないときの対処法!喧嘩にならず進めるコツは?どこから手を付ける?
親御さんを説得するときは、お子さん自身が親御さんと同じ目線になるようにしましょう。
説得する側としては「やった方がいいのは明確なのに、こんなにかたくなに嫌がって…」と途方にくれてしまうこともあるかもしれません。
しかし、ご両親の世代、とくに今の70代〜80代の世代の方の多くは「ものを大切にする」ことを教えられてきた世代になります。
現代と違い、当時はものが高く、お金を稼いでようやく手に入れたというものも少なくありません。
そのような時代を生き抜いてきた方の立場から見れば、「ようやく手に入れた大切なもの」を、しかもまだ使えるものを捨てるということが考えられないのです。
生前整理の中で1番難しいと言えるのが、子どもの立場と親の立場によって考えていることに食い違いが生まれてしまうこと。
親御さんの考えを変えるだけでなく、お子さん側が親御さんに歩み寄ることも大切なポイントです。
生前整理では、勝手に処分しないようにしましょう。
親御さんの気持ちを聞かず、お子さんの意思で押し進めてしまうと、親子関係に亀裂が入りかねません。
例えば、「これ、もういらないよね」といきなりゴミ袋に入れるのではなく、親御さんにとってどんなものなのか話を聞き、親御さんが納得して捨てられるようにしてあげましょう。
どうしても捨てられないというのであれば、持ち主である親御さんの気持ちを尊重して、残してあげてください。
私個人としては、最終的に妥協するのはお子さん側が良いのかなと思います。
つい口を出してしまいたくなると思いますが、なるべく慎重に進めることをおすすめします。
説得するときは、焦らないように気をつけましょう。
とくに高齢のご両親がいる方の中には「両親も長くないかもしれないから、早く終わらせないと」という気持ちになってしまう方もいます。
しかし、気持ちに余裕がなくなると、話し合いや意見がまとまらなかったときに感情的になり、関係性が悪化してしまうことも少なくありません。
過去のケースでは、生前整理中に焦ったことで、確認を怠り、重要な書類や大切なものを処分してしまったということもありました。
説得することはもちろん、生前整理の作業にも時間はかかります。
時間がないと焦るのではなく、時間はかかるものと思って臨みましょう。
もし、家族だけで生前整理を進めるのが不安なときは、無理に手伝うのではなく、生前整理業者を紹介するという方法もあります。
家族だけで取り組むと、体力を消耗して喧嘩に発展してしまうケースも少なくありません。
業者なら、生前整理の知識も豊富ですし、片付けから処分まで丸ごとお任せできるので、家族だけで取り組むよりスピーディーに終わります。
ただし、業者の中には残念ながら悪徳と呼ばれるようなところもあります。
プロに依頼するときは信頼できる業者を見つけましょう。
生前整理業者は、遺品整理業も並行していることが多いです。
こちらでは、悪質な業者の見分け方を紹介していますので、ぜひ参考になさってください。
親御さんに生前整理を説得する方法やコツ、注意点を紹介してきました。
子どもと親では、育ってきた時代背景や環境が違います。
生前整理についても、意見が分かれることはよくあることです。
メリットを柔らかい言葉で伝えることで、親御さんに考えを変えてもらうだけでなく、お子さん側が親御さんに歩み寄ることも大切なポイント。
お互いが納得できる生前整理を目指しましょう。
もし、ご家族だけで困ったときは、生前整理業者に頼んでみるのも一つの手です。
私が勤務しているクリーンケアでは、年中無休で無料相談を行っております。
どんな事情でも親身になって、ご対応させていただきますので、お気軽にご相談ください。
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