「親が亡くなってしまったが、銀行口座の有無や残高が分からず困っている。調べ方を教えてほしい」
「親が亡くなったのだけど、銀行口座の相続手続きはどうすればいいの?」
など、親の死後に親の通帳が見つからず、「銀行口座があるのか分からない」という話はよくあります。
私も依頼を受けて遺品整理をしていると、ご家族も把握していなかった銀行口座の通帳が見つかることがあります。
故人の銀行口座にあるお金は相続財産に関係しますし、額によっては相続税も発生するため、把握しておきたいところ。
そこで今回は「見つからない口座・残高の調べ方と手続き」「口座が凍結された後の相続手続き」についてお伝えしていきましょう。
目次
故人の銀行口座が見つからない場合の口座・残高の調べ方と手続きとして、以下4つの方法があります。
1.故人の通帳・キャッシュカード・印鑑の有無、メールのやり取りなど痕跡を調べよう
2.直接銀行に問い合わせて赴き、口座の有無を確認する
3.相続財産調査や遺品整理業者への依頼もおすすめ
4.長い間、銀行口座を使っていないなら休眠口座となり通知が届くこともある
それぞれ見ていきましょう。
まずは故人の通帳・キャッシュカード・印鑑の有無・メールのやり取りなど痕跡はないか、調べましょう。
ネット銀行の場合、パソコンやスマートフォンで「○○銀行」などでメール内を検索すると、利用歴が出てきます。
もし通帳やキャッシュカードなどの痕跡が見当たらないなら、以下の方法でも探してみてください。
・年金機構などの郵便物(高齢者の場合、年振込先として口座を指定しているため年金機構のお知らせに記載されている)はないか?
・個人事業主など確定申告をしていたのなら、確定申告の控えなどに口座が記載されていないか?
・ボールペンやカレンダー、タオルなど銀行からもらったものはないか?
・ネット銀行の場合、通帳はないがキャッシュカードの送付があるため、郵便物が残っている可能性がある
ちなみに「物が多すぎて分からない」なら、遺品整理業者に依頼するのもおすすめです。
通帳や印鑑などは思いもよらぬところから出てくることもあるため、隅々まで探してみないと分からないことも。
たくさん物がある中から特定の物を探すのは骨の折れる作業ですので、プロの業者に頼ってみてください。
直接銀行に赴いて、口座と残高を確認してみるのもありです。
特に地方に住んでいる方なら、地方銀行の1つや2つ口座を作っているのではないでしょうか?
電話では照会を受け付けていないため、電話で問い合わせた後に銀行に足を運びましょう。
口座の照会のために以下の物が必要です。
・口座名義人が亡くなったことが分かる戸籍謄本
・手続きをする人が相続人・遺言執行者・相続財産管理人だと分かる書類(戸籍謄本など)
・手続きをする人の実印と印鑑登録証明書(発行より6カ月以内の物)
・相続用に残高証明書が必要なら残高証明依頼書
通帳とキャッシュカードの持参が必要な銀行もあるため、通帳などが見つからない方は相談してみましょう。
後ほどまたお伝えしますが、金融機関は口座名義人の死亡を把握するとその口座を凍結します。
凍結されると、故人の口座を見つけても引き出しができなくなるため、故人の口座からお金を引き出すタイミングには注意が必要です。
参照・参考:みずほ銀行:みずほ銀行 口座名義人が死亡しました。預金残高など取引状況を教えてください
三井住友銀行:三井住友銀行 被相続人の口座の有無や残高などを教えてもらえますか?
自分で故人の銀行口座を調べるのが難しいなら、相続財産調査や遺品整理業者への依頼があります。
相続財産調査とは、故人の残した遺産の有無や遺産がどのくらいあるのか確認する調査のこと。
相続財産調査を自分でするのは難しく、専門家(弁護士・司法書士・行政書士・税理士など)に依頼する方法があります。
ただし費用は約10万~30万円と高額なため、財産の把握が難しい方向けといえるでしょう。
一方、先ほども遺品整理業者についてお伝えしましたが、遺品整理業者に依頼すると故人しか知らないような通帳やへそくりが見つかることがあります。
遺品整理の相場は、1R・1Kが3万~8万円、4LDK以上が22万円~60万円です。
費用は発生しますが、「どうしても見つからない」「遺産が何百万もあるかもしれない」なら、専門家に依頼してみてはいかがでしょう?
休眠口座になってから銀行から通知が届くことで、口座を把握できることもあります。
休眠口座(睡眠口座とも呼ぶ)とは、10年間たっても取引のない口座のこと。
2018年1月からは「休眠預金等活用法」が施行されています。
休眠預金等活用法とは、「2009年1月1日以降の取引から10年入出金の異動のない口座の預金は、預金保険機構に移管され、民間公益活動に使われる」というもの。
2019年1月からこの法律による休眠口座が発生し、公益活動に使われるようになっています。
参照・参考:内閣府大臣官房政府広報室:政府広報オンライン 放置したままの口座はありませんか? 10年たつと「休眠預金」に。
内閣府大臣官房政府広報室:政府広報オンライン 休眠預金等の活用 | 新聞広告 |
休眠口座は残高が1万円以上あるなら、通知状か電子メールでお知らせが来る
休眠口座は、残高が1万円以上なら通知状か電子メールでお知らせが来ます。
注意したいのが、残高が1万円未満なら通知は来ないこと。
休眠預金になっても、以下のとおり大きなデメリットはありません。
・引き出しや払い戻しは可能
・印鑑や通帳などが見つからなくても、身分証明書や口座番号で故人の口座と特定できれば、休眠口座でも解約が可能
ただ2年以上など一定期間に渡って入出金のない口座だと、手数料として未利用口座管理手数料を徴収する金融機関があります。
この手数料が払えなくなった時点で、口座は解約されてしまいます。
「休眠口座だから大丈夫」と思っていても、残高によっては通知が届かない口座もあるため、注意しましょう。
家族が亡くなってから困らないためにも、やはり生前に故人の銀行口座を把握しておくことは大事です。
残された方が困らないためにも、以下のように口座の情報をまとめておく方法があります。
・エンディングノートや遺言書を作っておく
・パソコンの中に口座の情報を残しておく
・キャッシュカードや通帳をまとめておき、人目に触れない場所に保管しておく
・故人が生前から口座を管理できない状態なら、事前に通帳・キャッシュカードなどを相続人が管理しておく
残された者が困らないように、普段から銀行口座の痕跡を残しておきましょう。
ここまで見つからない銀行口座・残高の調べ方と手続きについて、お伝えしてきました。
口座と残高が把握できたその後、金融機関は口座名義人の死亡を把握すると、口座を凍結します。
凍結解除の後は「口座を引き継ぐ、もしくは口座を解約する」のいずれかで相続手続きが必要です。
大まかな流れをお伝えしましょう。
口座凍結後の流れは、このようになっています。
1.口座を引き継ぐか解約(別の口座にお金を移す)の手続きをする
2.相続の手続き完了後、預金計算書・通帳が返却される
1の「口座を引き継ぐか解約(別の口座にお金を移す)の手続きをする」では、被相続人の戸籍(除籍)謄本や相続人の戸籍謄本などが必要です。
手続きには何が必要なのか、事前に金融機関に確認してから手続きをしましょう。
無事に口座の引継ぎが完了すると、2で「相続の手続き完了後、預金計算書・通帳が返却」されます。
口座の引継ぎができれば、新しい名義人として故人の口座を使えますし、口座を解約すれば別の口座にお金を移動してもらえます。
こうして無事に口座が凍結解除され、相続が完了します。
口座の凍結から解除は、こちらの記事で詳しく解説しているため、参考になさってください。
遺品整理で故人の銀行口座手続きの流れを解説!凍結から解約、相続まで
故人の銀行口座がわからない場合の調べ方などについてお伝えしてきました。
最後に、お伝えしてきた内容をまとめましょう。
・故人の通帳・キャッシュカード・印鑑の有無、メールのやり取りなど痕跡を調べよう
・どうしても口座を把握できない場合、直接銀行に赴いて口座の有無を確認する方法や休眠口座の通知で確認できる方法がある
・金融機関が故人の死亡を把握すると口座が凍結されるため、凍結を解除して口座を相続する手続きなどが必要
故人の銀行口座がわからない場合、口座の痕跡を調べたり銀行に赴いたりするなどして、口座や残高の確認をしましょう。
ここまでお読みいただいた方の中で「故人の通帳とキャッシュカードが見つからなくて困っている」とお困りの方はいませんか?
記事の中でも登場しましたが、遺品整理業者に依頼することで、家族が把握していなかった故人の通帳が見つかるケースがあります。
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