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2020.12.05
遺品整理のお役立ちコラム
 

【知らないと後悔する!】遺品と税金の関係を徹底解説【〇〇を売ると課税】

「遺品整理の財産を売りたいけど税金がどれくらいかかるのか心配」

「遺品を引き取っただけでも税金は課税されるのか」

「遺品による課税を節税して少しでも減らしたい」

 

遺品整理で気になる悩みに、上記のような遺品売却による税金が挙げられます。

 

このコラムをお読みのあなたも、遺品を売却した方が良いのか、誰かにあげた方が良いのか処分の方法で悩んでいますよね。

 

遺品整理で出た家具や嗜好品は売却によって処分することが多いですが、実は遺品の売却をすると課税対象になる場合もあるのです。

 

そこで今回は、普段から遺品整理の現場に携わる私が、難しくて税金になかなか手が出せない方にも分かりやすく遺品と税金の関係を徹底解説します。

 

課税される遺品と課税されない遺品は、民法によって定められています。知っていると節税にもつなげられますので、ぜひ最後までお読みください。

 

生活に必要だった遺品は税金がかからない

 

所得税法第9条1項9号によれば、生活に必要なものは生活用動産と呼ばれ、課税対象とはなりません。以下は所得税法の一文です。

 

所得税法第9条1項9号

次に掲げる所得については、所得税を課さない。

自己又はその配偶者その他の親族が生活の用に供する家具、じゆう器、衣服その他の資産で政令で定めるものの譲渡による所得

※参照資料:WIKIBOOKS 所得税法第9条

 

例えば、生活に必要とされる以下のようなものは課税対象とされません。

 

課税対象とならない生活用動産

・家具

・家電

・通勤用の車

・衣服

・靴

・バック

 

生活用品でも高価なものは課税される

 

先ほど生活用動産は課税対象にならないとお伝えしましたが、生活用動産のなかでも高価な家具や高価な嗜好品は課税される場合があります。

 

生活する上であまりにも高価なものは、生活に不必要な贅沢品と認識されるため課税は免れません。

 

特に、形見分けをする際には高価な遺品を扱う機会がありますが、どういった税金が課税されるのかも確認しておきましょう。

 

形見分け(贈与・相続)の課税

・相続税:相続人が5万円以上の形見分けの品を受け取ると課税対象

・贈与税:相続人以外が1年間の内に110万円以上を超える遺品を贈与されると課税対象

 

必ず税金がかかる生活用遺品

 

個人がふだんから身に付けていた遺品でも、生活用動産として扱われず所得税が課税される遺品があります。

 

非課税の生活用動産と課税対象の生活用動産の区別が難しい場合も多いため、必ず課税されてしまう遺品を以下にまとめましたので、遺品整理の際に参考にしてみてください。

 

・骨董品(30万円以上)

・絵画(30万円以上)

・貴金属(30万円以上)

・宝石類(30万円以上)

 

上記は全て30万円以上と表記していますが、30万円の数字は明確に定められている限度額です。

 

以降では、高価な遺品の評価額に対してどれくらい課税されるのか詳しく解説していきます。

遺品1品は30万円まで非課税【+特別控除もあり】

 

遺品の評価額が、遺品1品または1セット30万円を超えると、例え生活用動産や故人が普段から身に付けていたものでも課税対象にされる場合があります。

 

なぜなら、30万円以上の遺品は、贅沢品とされ生活する上で必ずしも必要ないものと判断されてしまうからです。

 

また、30万円以上の骨董品や絵画や宝石類、貴金属への課税は所得税法第25条によって定められており、必ず納税しなければいけません。

 

しかし、冒頭にもお伝えしたとおり、通勤用の車などは30万円以上の評価額でも生活する上では必要なものとみなされるため非課税となります。

 

先ほどまとめた骨董品や宝石類も30万円以上のものは課税対象となりますが、30万円未満の評価額であれば課税対象にはなりません。

 

30万円以下でも課税される遺品1:地金

 

ここで注意が必要なのが、30万円以下でも課税される遺品です。

 

金や銀やプラチナは貴金属や宝石類と混同されやすいですが、課税の扱いは全く違います。

 

「地金」と呼ばれる、扱いやすいように一度溶かして固めた形状の金やプラチナは、30万円以下でも課税対象です。

 

あくまでも、金やプラチナを使った指輪やアクセサリーがすべて「地金」というわけではないので、間違えないようにしましょう。

 

30万円以下でも課税される遺品2:有価証券

 

無条件に課税されてしまう遺品のもうひとつの例が、有価証券です。

 

有価証券は譲渡所得とみなされるため、30万円の課税範囲に関係なく課税対象となります。

 

注意しておきたいのは、有価証券を受け取ったあとの処理で課税される税金の種類が変わってくることです。

 

具体例を出してみましょう。

 

有価証券を受け取って売却すると、所得税として課税されますが、有価証券を受け取っただけだと、相続税として課税対象になります。

 

ただし、相続税に関しては【3000万円+(600万円×法定相続人の数)】だけ控除されるため、相続人が1人だったとしても3600万円までは控除される仕組みです。

50万円の特別控除がある

 

遺品1品もしくは1セットあたり、30万円の所得税が課せられますが、遺品の売却額全体には、50万円の特別控除も設けられています。

 

以下の例を見てみましょう。

 

宝石 1品 30万円
絵画 1品 20万円
プラチナ 1品 70万円

 

上記の遺品を売却した場合は、20万円の絵画以外は課税対象となり、合計100万円に対して所得税が課せられます。

 

ただしこの場合、売却した遺品全体に対して50万円の控除を受けられるため、実際に課税対象となる金額は50万円です。

 

仮に、遺品を売却して総額が50万円未満であれば所得税が課税されることはありません。

 

地方自治体などの条件では非課税になる

 

国税庁が定める所得税が課税されない「譲渡所得」が7つあります。

 

これは、遺品の売却による所得を、借金の返済に全額充てたり国へ寄付したりする方法ですが、節税としての効果は薄いので、参考程度に覚えておきましょう。

 

1:強制換価手続により資産が競売などをされたことによる所得

2:貸付信託の受益権等の譲渡による所得

3:国又は地方公共団体に対して財産を寄附した場合の所得

4:公益を目的とする事業を行う法人に対する財産の寄附で国税庁長官の承認を受けた場合の所得

5:国等に対して重要文化財を譲渡した場合の所得

6:財産を相続税の物納に充てた場合の所得

7:債務処理計画に基づき資産を贈与した場合の所得

※参考資料:国税庁No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法 4

 

遺品整理と税金で注意すべきこととは

 

遺品整理でのトラブルで圧倒的に多い事例は、金銭トラブルです。

 

遺品整理では、税金の知識がないと金銭トラブルの大きな要因になります。

 

遺品整理の際に扱う主な税金

1:所得税

2:相続税

 

ここまでは、所得税に関してお伝えしてきましたが、相続税にも知っておかなければいけない注意点がいくつかあります。

 

簡単な知識として知っておくだけでも遺品整理で起こるトラブルを回避できる場面が増えるので、ぜひ参考にしてみてください。

相続税は相続した全体の金額に課税

 

相続税は、遺品ひとつひとつに課税される所得税とは違い、全ての相続財産に課税される税金です

 

そのため、相続税は受け取っただけの遺品も合わせて、相続財産として計算し納税しなければいけません。

 

相続財産の総額に対して課税されるため、相続税として収める金額は大きくなる傾向にあります。

 

ただし、控除はいくつか設けられているので、上手に活用しましょう。

 

なかでもよく使われる控除を4つ紹介します。

 

控除の種類 控除額
基礎控除 3000万円+(600万円×法定相続人の数)
死亡退職金控除 500万円×法定相続人の数
死亡保険控除 500万円×法定相続人の数
債務控除 故人の債務を遺産総額から差し引ける

 

詳しくは、以下のコラムで分かりやすく解説していますので、相続税に関してお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

 

【簡単に分かる】遺品整理での相続税を6つのポイントで徹底解説!

 

相続放棄する場合は遺品を売ってはいけない

 

遺品整理でもっとも注意しなければいけないのが、相続放棄です。

 

一度遺品整理をして遺品を処分したり売却したりしてしまうと、相続を単純承認したとみなされ、相続放棄ができなくなってしまいます。

 

つまり、遺品整理をしてしまった場合は、相続すると借金を背負う状況だと分かっても相続放棄ができません。

 

相続財産で債務控除を受けることもできますが、借金が残りそうなほどであれば思い出の写真や経済的価値のないものだけを形見分けする程度に留めておきましょう。

遺品関係の税金を減らす方法

 

遺品整理による税金は、主に遺品売却による所得税と相続に課税される相続税です。

 

所得税と相続税の性質をうまく使って節税をし、手元に残るお金を増やせれば、遺品整理や法事での費用負担を軽減できます。

 

積極的に節税対策をしましょう。

 

以下は節税案の例なので、あなたの周りでも使える節税方法があればぜひ参考にしてみてください。

 

節税案1:50万円まで高価な遺品を売却

節税案2:相続人以外に形見分けとして110万円以内で遺品を贈与

節税案3:故人の債務を相続財産から支払う

節税案4:葬式費用を相続財産から支払う

節税案5:配偶者控除を使用して、最低でも1億6000万円を控除

節税案6:死亡保険金控除や死亡退職金控除を活用

節税案7:小規模宅地の特例で自宅の330㎡の評価額を80%控除

 

配偶者控除や小規模宅地の特例は【簡単に分かる】遺品整理での相続税を6つのポイントで徹底解説!で分かりやすく解説していますので、気になる方はご一読ください。

 

遺品の税務関係は業者に相談するのがおすすめ

 

遺品整理での税金は難しく感じる方も多いですよね。

 

もし所得税や相続税に関してお困りの場合は、税理士や弁護士に相談すると良いでしょう。

 

特に相続税は自分で計算して自分で税務署に報告しないといけないため、かなり負担が大きくなりやすいです。

 

親族の死後による精神的負担や初めての遺品整理の負担を少しでも軽減するためにも、分からないときに相談できる場所を作っておきましょう。

 

関西地方であればクリーンケアが年中無休でご相談に応じさせていただきますので、お悩みがあればお気軽にご連絡ください。

 

税理士と提携している遺品整理業者がおすすめ

 

依頼する遺品整理業者は、遺品整理あとの税金に悩む可能性を考えると税理士や弁護士と提携している業者がおすすめです。

 

提携している遺品整理業者を選ぶことで、税理士や弁護士を探す手間や遺品整理の状況を改めて伝える手間も省けます。

 

もし、すでに遺品整理業者に依頼している場合でも、一度税理士や弁護士と提携しているか確認してみましょう。

 

繋がりのある事務所を紹介してくれる場合もあります。

 

確定申告もお願いできる

 

特に税理士と提携している遺品整理業者であれば、税金の不安を相談できるだけでなく相続財産や遺品売却による所得の確定申告までお願いできる業者もあります。

 

確定申告は個人だけでおこなうと負担が大きい作業なので、遺品整理から確定申告までの作業を業者に丸投げできると、負担を大きく削減できますよ。

 

まとめ

 

最後にここまでの内容をまとめてみましょう。

 

・遺品整理で発生する主な税金は所得税と相続税

・生活用動産は売却しても非課税

・30万円を超える遺品や地金、有価証券は所得税の課税対象

・遺品売却時の総額に対して50万円の控除が受けられる

・相続税と所得税の控除をうまく活用しながら節税も可能

・遺品整理業者を選ぶ際は税理士と提携している業者を選ぶのがおすすめ

 

もし遺品の処分で困っている方は、今回のコラムを参考に節税の方法を試しながら遺品整理を進めてみましょう。

 

また、自分ではどうしても分からない状況も出てくると思われますので、まずは信頼できる遺品整理業者に相談してみてくださいね。

 

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