今回は遺品整理をなぜ行うのか、その理由について紹介します。
遺品整理を行うことの理由は大きく分けて2つあります。
1つは遺品整理を行うことで故人への想いを整理するといった心情的な理由です。
2つ目は故人の部屋をそのまま放置しておくと弊害があるので遺品整理を行うといった現実的な理由があります。
遺品整理を行うのは体力的にも精神的にも負担が大きいです。
まず、親族が亡くなったというだけで各種手続きを行わなければなりません。
葬式だけでも相当に疲労するでしょう。
そして何よりも遺品整理を行うにあたって故人を思い出すような品に触れて平気でいるのは簡単ではありません。
実際のところ故人の部屋を遺品整理するともう会えないということに向き合うことになるので悲しみに暮れる方が多いようです。
故人が大切にしていた物の処分をスムーズに行うことは難しいです。
これまではゴミのように思っていた物も遺族にとっては大切な形見になるので捨てる物を決めるだけでも一苦労でしょう。
ですが、それでもこのまま放置していればいつまでも後ろ向きな気持ちになってしまいますし、空き巣による盗難や倒壊などの心情には関係ない部分にも影響が出てしまいます。
もしどうしても遺品整理ができない場合にも最低限これらへ配慮することは必須です。
遺品整理を行うことで故人への想いを整理し、前向きに生きるきっかけを掴む必要があります。
このように遺品整理はつらい面もありますが、より良い人生を送るための儀式と考えることができます。
遺品整理は大変つらいものです。
しかし、いずれは行わなければなりません。
なんとかして悲しみを乗り越える必要があります。
そこで有効なのは遺品整理に対する認識を変えることです。
読者の皆さんは遺品をどのようなものと考えていますでしょうか?
多くの方は故人の大切な物と考えていらっしゃると思います。
もちろんそれは間違いではありません。
しかし、それでは遺品整理が進みにくいです。
そこで、遺品は供養すれば良いと考えてみてはいかがでしょうか?
遺品は供養した後に基本的には遺品整理業者やリサイクルショップに売る事を前提にするのです。
少し気が引けるという方もいらっしゃると思いますが、日常生活に使えない物は多いですし、全てを保存しておくことは簡単ではありません。
現実的過ぎる案ではありますが、非常に有効です。
故人も遺族の方に全てを持って欲しいとは思わないでしょう。
生活の圧迫をするのであれば尚更です。
その分定期的にお墓参りをするだけで故人も喜びます。
精神的に遺品整理ができる状態になるまで待つのも有効な策ですが、遺品整理には各種手続きがあったり自分以外の遺族、親族の都合もあるのでできる人は限られています。
ひたすら悲しんでも良いですし、焦る必要はありません。
自身と同じく親しい人を亡くした方とのコミュニケーションを取ることのできるツールを使って悩みを共有したり、メンタルケア系の機関へ相談しても良いでしょう。
遺品整理に向けて前向きになることができればベストですが、そうでなくても良い気分転換になるかもしれません。
親しい人を亡くした精神的なダメージは大きく、ひどい場合にはうつ病になってしまう人もいます。
日常生活に支障が出てしまうのは避けたいので、この状態で遺品整理をすることはおすすめできません。
いずれにしても、1人で悩むのではなく周りの人を頼ることが大切です。
もし残念ながらいない場合にはインターネットを利用すると良いでしょう。
遺品整理を行なったことで精神的に前向きになれた事例を紹介します。
父が亡くなった5年後、母が亡くなりました。
遺品整理を二人まとめて行なった時は泣きました。
特に母の持ち物は多く、大切にしていたジュエリーやバッグなど思い出のあるものが多数ありました。
アルバム写真は楽しかった思い出が蘇りました。
それと同時に、もっと親孝行しておけば良かったという気持ちにもなり、辛かったです。
遺品整理は自分の気持ちを整理する上でも必要な事だと思いました。
両親の形見になりそうな物は引き取りました。
整理後はスッキリとした気持ちになり、1つ悲しみを乗り越えられた気がしました。
(神奈川県/40代女性)
母親の多くの遺品の中からどれを残すか選ぶ時に、好きだったものや、よく使っていたものとかを見ていたら、生前の元気だったころの姿が脳裏に浮かんできて辛かったです。
ただ、そういう感情も母の事を思っての気持ちであることと、一時的なものでずっとは続かないだろうと思っていました。
無理に辛い気持ちを消すことは考えず、感情を素直に受け止めるようにしていたら、気がつくと辛い気持ちも薄れていました。
(京都府/30代女性)
上の事例のように、遺品整理を通してつらい気持ちを軽くすることで良い人生を送るきっかけになれば遺品整理を行なった意義があると言えるでしょう。
遺品整理でしてしまうことが多いのが故人への想いを断ち切れず、物を捨てることができないことです。
気持ちとしては残せるだけの物を残したいところですが、使えない物まで残すのはあまり良くありません。
残す物、売るもの、捨てる物を選択する必要があります。故人との思い出を残すのは良いですが、誰が見ても故人との思い出であるとわかるものに限ることを推奨します。
例えば、故人と撮った写真やアルバムはOKです。
これは誰がどう見ても思い出の品です。
しかし、故人の使っていた壊れたペンなどは何も知らない人からすればゴミでしかありません。
ゴミを残しておく意味は無いので余程の思い入れがない限りは処分しましょう。
遺品整理時にあれもこれも残してしまうと自分の部屋が散らかってしまいます。
もし他の遺族がいるのであれば、思い出の品を分け合っても良いでしょう。
これでしたら個々の負担は軽減されますが、やはり限界はあるので、この場合でも残す物は少数に絞りましょう。
遺品整理を行う理由は心情面だけに留まりません。
遺品を放置しておくデメリットがあるのです。
つまり、遺品整理を行わなければならない義務的な理由と言い変えることができます。
故人の部屋を遺品整理せずに放置しておくと害虫が発生します。
生ゴミなど食に関するものが無くても紙類や衣類を食べる虫がいます。
ひどい場合にはシロアリが家の支柱を食べることで徐々に削れていき、最終的には倒壊してしまう危険性があります。
もし近日中に遺品整理が行えなくても最低限防虫措置をしましょう。
空き家を放置していると放火や盗難に遭う可能性があります。
盗難に関しては特に高価なものでなくても家電はお金になるので狙われやすいです。
今回は遺品整理を何故行うのかについて紹介しました。
心情的には親しい人を亡くした悲しみを乗り越えるために必要です。
それ以外の理由としては害虫発生による衛生面の問題、倒壊の危険や放火、盗難などの犯罪の標的になるリスクがあることが挙げられます。
どちらも近隣の方の迷惑になりますし、見栄えも悪くなります。
できれば精神的に落ち着くまで遺品整理は控えたいですが、様々な要因があり、思うようなタイミングで行えないのがネックです。