遺品整理は、肉体的にも精神的にも辛さを伴う作業です。
その辛さを軽減するためにも知っておきたい知識について、本記事ではご説明いたします。
ぜひ知識を早めに身に付け、万が一の事態に備えましょう。
そもそも遺品整理の基礎として押さえておくべき知識は、「遺品整理が何をする行為か」というものです。
改めて、その内容を言葉で説明するなら「遺品整理」は故人が生前使用していたものや保管していたものなどを分類しその扱いをどうするかを決めて整理あるいは処分する行為、と言うことです。
遺品とよく似た言葉に「遺産」がありますが、こちらについては財産上価値のあるもののみを意味します。
一方で遺品は、遺産よりさらに広義で貴重品や思い出の品はもちろんのこと日常的に使っていた衣類や家具、家電製品などの生活雑貨や食料品まであらゆるものを含む言葉として使われるのが一般的です。
なので、遺品整理とは、一般的に遺産と呼べるほどの価値があるわけではないが家族にとっては大切なものや、本当に処分しなければならないものも含めた整理を指す言葉なのです。
もうひとつ押さえておくべき基礎知識としては、「遺品整理」と「相続」の関係が挙げられます。
こちらも基本といえる部分ではありますが、この部分をしっかり知識として理解しておかないと大きな損失を被る可能性があるので十分注意が必要です。
相続する遺産は必ずしもプラスのものだけでなく、マイナスなものが含まれていることもあるためです。
なお、相続する財産の全部または一部を処分した場合、相続放棄が認められないというのが基本です。
そのため遺品整理をした内容によっては、本当は放棄するつもりだったのに相続するものとみなされて放棄できなくなってしまう場合があります。
その際、常識的な範囲の形見分けだけであればその後問題なく放棄できるとされていますが、素人知識のみでその判断をすることは困難です。
不安を感じたら早めにプロの弁護士などに相談するのが良いでしょう。
次に押さえておくべき基礎知識としては、遺品整理を開始する前に確認しておくこと、が挙げられます。
具体的な内容としては、まず何を残すかを決めるようにしましょう。
特に、預金通帳や実印などに加えて名刺やパソコン、携帯端末、仕事関係の資料は後々必要になる可能性があるので少なくとも数年間は保管するのがおすすめです。
なお、その際には形見分けも視野に入れた上で遺品の整理をするようにしてください。
また、複数人で整理を行う場合はどの部屋を誰が担当するかを決めてから作業するのが良いでしょう。
その際には遺言書や貴重品、高級品、危険物、大切な書類は早めに片付け、賃貸住まいでない限り残りはゆっくり片付ければ十分ですので無理はやめましょう。
さらに、地域ごとにゴミの捨て方が異なるのでその分別方法も合わせて事前に確認しておくことをおすすめします。
もうひとつ押さえておきたい基礎知識は、業者に依頼するメリットです。
遺品整理を業者に依頼する最大のメリットは、作業に伴う負担を大きく減らせる点にあります。
そのため、遺品が大量にある場合や時間がない場合、住んでいる場所と整理する場所が大きく離れている場合にはその利用を特におすすめします。
また、アパートやマンション住まいで急いで作業する必要がある時なども自分たちだけでやろうとするのはおすすめできません。
あるいは、亡くなった人への思いが強いと遺品整理自体が心の負担になることも多いので、そのような際にも上手に業者を活用するのが良いでしょう。
さらに、遺品整理業者の中には一般的な遺品整理の作業としてイメージされる遺品の分別や仕分け、清掃、処分と合わせて、処分を考えているものの査定や買い取りを行ってもらうことができる場合があります。
その観点からも利用をおすすめします。
遺品整理は、基本的に残された家族に大きな負担がかかる作業です。
そのため、事前にある程度その基礎知識を身に付けておくことが非常に重要です。
簡単なレベルの基礎知識であっても、その知識を身に付けておくだけでもその負担を大きく軽減できるためです。
また、なんの基礎知識もないままその瞬間を迎えてしまうと、事前に調べる時間がないことも多くあるので早めに心の準備をしておきましょう。